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4.5章プロローグ
秩序とは、停滞の別名だ。
整然と並んだ歯車は、美しい。
だが、美しいだけだ。
そこから、新しいものは、何一つ生まれない。
混沌こそが、創造の母胎である。
秩序が壊れ、境界が溶け、価値が反転する、その美しき事象に、私の心は躍動するのだ。
まだこの世に名前を持たない、何かが、混沌の中に静かに芽生え始める。
私は、その「何か」が見たい。
絶望の淵に立たされた者が、なお足掻き、選び、 手に取った選択。
その先に一体、何が生まれるのか。
それは、魔界のどんな書物にも、記されていない解答であり――
神すら、まだ答えを持たない問いだ。
だから私は、混沌を撒く。
悪意ではない。ただの、探究だ。
完成された秩序の中に、完成された答えなど、存在しない。
完成形の子供は、いつだって、混沌の最も深い場所で目を覚ます。
壊れ、砕け、それでもなお立ち上がろうとする、子供たち。
いくつもの実験で、私は、それを試し、検証を繰り返してきた。
そして今、また一つ。
見飽きることのない、実験が――
幕を開けようとしている。




