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異世界で錬金術の現代風メシ  作者: yex
パシフィスト・second編

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第九十二術 大蛇、育成計画②

『トランザダンジョン 九階層』


あの後、D~Cランクの魔物ばかりと遭遇したので、俺たちがサポートしつつ、大蛇が止めを刺す形で戦っていった。

そうして進み続けていると――もう九階層まで到達していた。


そして今、大蛇のステータスは―――


【名前】 大蛇

【年齢】 2

【性別】 ♀

【種族】 レイク・スネーク

【契約先】 酒森 幸

【パーティ】 自由の食旅(スローイーター)

【レベル】 25

【ステータス】

・体力 500

・魔力 600

・筋力 200

・俊敏性 320

・耐久性 200

【スキル】

・念話・危機察知・水魔法・形態変化・音波感覚(エコーロケーション)

【個体能力】

・水中適応術


なんと、大蛇は『ポンド・スネーク』から『レイク・スネーク』へと進化した!!

おかげで新たなスキルも覚え、かなり頼もしくなったぞ!


『あーし、強くなった?』

「ああ、そうだな。それに、なんか色が濃くなってきたぞ」

『本当!?』


大蛇の水色だった鱗は、以前よりも青みが増している。

大きさは変わっていないが、これは大蛇のスキル『形態変化』でサイズを小さくしているためだ。

本来の大きさは、俺の背丈以上もあるらしい。


『『音波感覚(エコーロケーション)』か……』

「なにそのスキル?」

『特殊な音波で相手や物の位置を把握することができるスキルだ。壁に隠れた敵を見つけることだってできる』

「へー……『危機察知』もあるから、奇襲対策もバッチリだな」

『えへへ……!』


そう言いながら、大蛇の顎を撫でる。

大蛇は『危機察知』で何かを察知すると、俺の首を少し強く巻く。

おかげで、不意打ちにもすぐ対応できるようになった。


『さて、次は中ボスだが……その前に飯にするか』

「そうだな……大蛇も結構頑張ったから、いっぱい食えよ」

『あるじの料理なら、たくさんたべる~!』

「ははは。さてと……今日は作り置きした『オーク肉の味噌漬け丼』だな」


薄切りにしたオーク肉を、市販の『みそだれ』に漬け込んで焼いたものだ。

その下にはキャベツとご飯を盛っているから、一緒に食べるとこれまたうまいんだよな……


『いただきます!』


そうして、俺たちは『オーク肉の味噌漬け丼』を食べ始める。


『んん!うまい!味噌と言う濃厚な味がオーク肉と合う!』

『キャベルーツを一緒に食べると、味がさらに引き立てますね……美味!』

『こってりしてて美味しいよ~!』

「ん~お米が旨い~!」


ガツガツと食べ進める皆。

そして――


『『お代わり!!』』

「はいはい……」


いつものように、お代わりをねだってくる。

大蛇は頑張ったから、少し肉を多めにしておこう。


数分後。


俺たちはご飯を腹いっぱい食べ、片付けを済ませ、次の階層へ進むことにした。


◆


『トランザダンジョン 十階層』


到着した場所は、広々とした空間だった。


「さてと……今回の中ボスは?」


そう言いながら、足を踏み入れた、その瞬間――


――ゴゴゴゴゴ……


「!」


突然、地鳴りが発生する。

そして――地面から何かが姿を現した。


『グキャァァァッ!!』


その姿は、先端に円状の牙が無数に生えた、巨大なミミズのような魔物だった。


「あれは!?」

「『アース・ワーム』よ!Cランクで地面に潜りながら相手を捕食する魔物!」


地面に潜る……大蛇のスキルが活かされる絶好のチャンスじゃないか!


「大蛇! 相手は地面に潜るみたいだから、『音波感覚(エコーロケーション)』で相手の位置を探って、『危機察知』で知らせるんだ!」

『わかった~!』


そう言うと、早速アース・ワームが地面へと潜っていく。


「大蛇!」

『うん!―――』


大蛇は特殊な音波を発し、地面に潜ったアース・ワームの行方を追う。


そして――


『―――っ!あるじ、こっちに向ってきてる!』

「よし来た!」


大蛇の知らせを聞くと、俺はすぐさまこの場から離れる。


すると――


――ズドォォンッ!


『グォォォォッ!!』


さっきまで俺たちがいた場所から、アース・ワームが飛び出してきた。


「よし、いけ大蛇!」

『うん!―――それぇ!!』


――ビビビィィィムッ!!-


大蛇が展開した魔法陣から、高圧縮された水の光線が数発放たれる。

それらはアース・ワームの巨体を次々と貫き――


『グォ……ォ……』


アース・ワームは、その場に倒れ伏した。

そして、魔物の身体から素材がドロップする。


『わーい、やったぁ~!』

「う、うわぁ……威力やべぇ……」

『うむ、凄い成長だな。単独でもCランクを倒せそうだ』

「なんか、前の幸に似ているな~」

「ええ?そうですか?」

「うん、前は魔物にビクビクしていたけど、今じゃ一人でも対処できることが多くなってるからね」

「ははは……」


まぁ、ガーネットさんたちのお陰でもあるが……けどそうか、ガーネットさんも、こんな感じで俺の成長を見ていたんだな。


『んー?』


すると、大蛇が何かを感じ取ったように首を傾げる。


「どうした大蛇?」

『うーんとね、なんかわかんないけど、新しくなんかできそう……』

「新しく?スキルか?」


そう言って、大蛇のステータスを確認する。

すると――見慣れないスキルが追加されていた。


【スキル】

・念話・危機察知・水魔法・形態変化・音波感覚(エコーロケーション)・脱皮分裂(NEW)


……脱皮分裂?


「なにこれ?」

「見たことないスキルね……銀瓏たちは?」

『俺はそんなスキルは聞いたことないな……』

『私も……』


銀瓏だけじゃなく、麒麟も知らないスキルか……


「ねぇ大蛇……試しにやってみないか?」

『うん!わかった~!』


そう言うと、大蛇は気合を入れる。


『うう……うう……!』


プルプルと震える大蛇。


すると―――


――ピキッ……


「え」


――ピキキッ!!


大蛇の鱗が音を立てながら、脱皮するように剥がれていく。


――そして……


脱ぎ捨てられた皮は、まるで生きているかのように動き始めた。


「うおっ!?動いた!?」

『ほう、面白いスキルだな』

『わーい出来た!』


まるで身代わりの人形だな……


『あるじ~!これ、あーしの思った通りにうごけるよ~!』

「へ、へーそうなんだ……」

『あ、そうだ……えーい!』


すると、大蛇は『脱皮分裂』で生み出した分身と一緒に、壁へ向かって水魔法を放つ。


――ババババッ!!


「 」

『わーい!やったぁ!』

『ほう、分裂した方も大蛇と同等の力で魔法を放てるのか……』

『凄いですね、大蛇』

『えへへ……キリンばあちゃんとギンロウおじちゃんに褒められた~!』


大蛇は、二人に褒められたことが嬉しいのか、尻尾を揺らして喜んでいる。

……これ、最終的に成長したら恐ろしいことにならない?


そう思っていると――


『脱皮分裂』で生まれた大蛇の分身は、まるで空気が抜けたかのように、みるみる萎んでいく。

そして、その場に倒れた。


『あー……』


その姿は、ただの抜け殻へと戻っていた。


『ふむ……分裂したものは、魔力が切れると皮だけになるのか……いわば『魔力で動く人形』といったところか』

「ま、まぁスキルのことも分かったし……次行こうか」

『うん!あーし、もっといっぱいバババッってしたい!』


そう言って、大蛇は嬉しそうに俺の首へ巻きつく。

俺たちは、そのまま次の階層へと進んでいく。


――やばい、段々と大蛇が狂戦士になって来たぞ……

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