↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で錬金術の現代風メシ  作者: yex
パシフィスト・second編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

95/117

第八十八術 大蛇

俺は今、三体目の『契約獣(ビースト)』を得てしまったという事実に驚愕していた。


「嘘だろ!?いつの間に契約したんだよ!」

『おそらく、主の料理に衝撃を受け、この先もついて行きたいと思ったことで、契約が成立したのだろう』

「そんな簡単に契約出来ましたっけ!?」


これあれか?

契約って、人間側から結ぶんじゃなくて、魔物側から結ぶこともできるのか?


『ねぇねぇ!あーし、さっきの魚がいっぱいたべたい!』

「あ、あーしって……」


なんかギャルっぽい口調の蛇だな……

というか、俺の首に巻き付かないで。普通に苦しい。


「ガーネットさん、この子のステータスって……」

「えっと……こんな感じよ」


そう言って、ガーネットさんがこの子のステータスを確認する。


【名前】 

【年齢】 2

【性別】 ♀

【種族】 ポンド・スネーク

【契約先】 酒森 幸

【パーティ】 自由の食旅(スローイーター)

【レベル】 5

【ステータス】

・体力 120

・魔力 160

・筋力 60

・俊敏性 100

・耐久性 40

【スキル】

・念話・危機察知・水魔法

【個体能力】

・水中適応術


うーん、低レベル。

今まで高ステータスの連中ばかり見てきたからか、逆に可愛く見えてくる。


「この子、まだレベルが低いんだな……」

「なんかこうしてみると可愛く感じるわね」


――プニプニッ……


『きゅー!』


まるで赤ちゃんだな……

そうだ、契約したんだし、名前を付けなきゃ。


「うーん……蛇か。どうせならいい感じの名がいいかな?」


そう言い、『ポンド・スネーク』の顎を撫でる。


『うーん……あーしにはよくわかんないけど……あるじがイイならなんでもいいよ!』

「そう?……じゃあ―――今日からお前は『大蛇(オロチ)』だ」

『オロチ?』

「そう、大きい蛇と書いて『大蛇』だ!よろしくな、大蛇」

『オロチ……あーし、オロチ!!』


どうやら気に入ったらしく、大蛇は嬉しそうにはしゃぐ。


「さて、大蛇……折角だから俺の仲間を紹介しておくぞ」

『なかま?……なかまって何?』

「え?あー……群れみたいなものかな?」

『むれ?そーなんだ!』


『群れ』という単語は分かるのか……


「まずは、この赤い髪の人は『フラム・ガーネット』さん」

「よろしくね。大蛇ちゃん」

「次に、最初に契約した。シルバードラゴンの『銀瓏』」

『……ふん』

「そして、次に契約したユニコーンの『麒麟』さんだ」

『よろしくお願いします。大蛇』

「うん!あーし、オロチ!よろしくおねげーします!」


こうして、挨拶は無事に終わった。

2歳ということもあって、かなり幼い喋り方だな。


そして、食べ終わった俺たちは寝ることにしたのだが……大蛇は初めて見るものばかりで、まだまだ興奮しているようだった。


『わー何これ!!すごいフカフカ!!あったかい!!』

「『布団』だよ。大蛇にとっては初めてな体験だろう?」

『すごく……いい感じ……スヤァ……』

「もう寝た……」

「ふふ、まるで子供みたいだね」


そんな会話をしつつ、俺も眠りにつくのだった。


◆


『……?』


大蛇が目を覚ますと、そこにはすでに朝食の準備が整っていた。


『あるじ~いいにおいがするよ~!』

「おっ起きたか、大蛇。ご飯出来たから食べるぞ」

『ごはん!!さかな!?』

「魚じゃないけど……今日は『スクランブルエッグ』と『ウィンナー』だ。『コーンスープ』と『トースト』もあるぞ」

『『すくりゃんぶるえっぐ』?『うぇんなー』?』

「ははは、流石に一気には言えないか。まぁ、旨いから食べてみろ」


そう言って、俺たちは食卓の前へ集まり、朝食を食べ始める。


「じゃあ、いただきます!」

『『いただきます!』』

『……?あるじ~いまのなに?』


すると、大蛇が不思議そうに見つめる。


「ああ、これ?食べるための敬意……かな?」

『けいい?』

「ああ。大蛇だって、食べ物を食べるとき、生き物を倒すだろ?その生き物のおかげで今日を生きるための力を得られる。だから、その感謝を忘れないように、こうやって祈っているんだ」

『けいい……そうなんだ!じゃあ、あーしも、いただきます!』


うんうん、いい子だな~大蛇は。


『あーむ……』


そうして、大蛇は『スクランブルエッグ』をパクリと食べる。


『ん!!……うまーい!!』

「そうか……美味しいんだな」

『うん!この黄色の食べ物!甘くて美味しい!この茶色の食べ物もしょっぱくて美味しい!』

「そうかそうか……」


大蛇にとって初めて食べるものだからな……衝撃的な味だろう。


「なんか見ていると、初めて幸の料理を食べた人を思い出すわ……」

『うむ、俺も最初はそんな感じだったな』

『見たことの無い美味な食事には衝撃が出ますからね』


そう言いながら、皆で朝食を食べ進める。


「ほら、大蛇。このトーストも食べてみろよ。スープに浸したから食べやすいと思うが……」

『わーい!』


――ハグッ……


『!……なんかサクってしてて、しっとりしてる!うまーい!』

「だろ?パンにスープを浸したら旨いんだよな~!」

「確かに、濃厚なスープがパンとよく合う……」

『うむ、確かに』


そんなこんなで朝飯を完食した。

大蛇の分は、子供だから少なめにしたが……おかわりを要求していた。

次からは、俺たちと同じくらいの量でも問題なさそうだな。


「さて、もうすぐ『トランザ』に着きそうか?」

『そうだな、今行けば昼には着くだろうな』

「そうか……じゃあ、大蛇。移動するから、どこかに巻き付いてくれ」

『わかった!!』


そう言うと、大蛇は俺の首に巻き付く。


「……なんで、俺の首に?」

『ここが一番あったかいから!』

「そうですか……」


まぁ、力加減はちゃんとしていて苦しくないし……別にいいか。


「よし、じゃあ出発しようか」

『うむ……行くぞ!』


――バサッ!!


――ドッ!!


そう言うと、銀瓏と麒麟は一気に駆け出した。


こうして、新たな『契約獣(ビースト)』――『大蛇(オロチ)』と共に、俺たちは『トランザ』へ向かうのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。