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異世界で錬金術の現代風メシ  作者: yex
パシフィスト・second編

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第七十八術 和牛三昧

黒毛和牛をご馳走すると約束したので、城のキッチンへ着くなり、さっそく料理の準備に取り掛かる。


「やっぱり黒毛和牛は高いが……食いたいって言ってたし、今日はかなり奮発するか」


俺は『等価交換(カタログ)』を使い、さまざまな部位の黒毛和牛を錬金する。


今回は、ステーキの他に……折角だから、ここは久しぶりに『肉じゃが』作るか!

黒毛和牛で作る肉じゃが……結構贅沢だな……

あとは……簡単に、ぱぱっと野菜炒めにするか。


『黒毛和牛の肉じゃが』


肉(薄切り)を一口大に切って、ジャンガを4つ切りにして、水にさらす。

ネギオンはくし形、キャーロトは乱切りにする。

鍋に熱して、具材を炒め、水を入れる。

一煮立ちしたら、『すき焼きのたれ』を加えて、ジャンガが柔らかくなるまで煮たら……

完成!


『黒毛和牛の野菜炒め』


一口大に切ったマッピー、キャベルーツ、ニラオウを熱したフライパンで炒めて、一旦皿に移す。

肉(三角バラ)を一口大に切って、炒める。

火が通ったら炒めた野菜をいれ、合わせて、最後に『焼肉のタレ』をかけて、パパっと絡めたら……完成!


さらにステーキも焼き上げ、料理を縦長の食卓へと運ぶ。


「ほーら、出来たぞ!」

『『おおっ!!』』


出来立ての熱々料理を目の前にした一同は、揃って歓喜の声を上げた。


「ご、ゴクリ……で、では……いただきます!」

「これが……『くろげわぎゅう』……味はいかほどだ?」

「へー……これがサチさんの国の肉ですか……どれどれ?」


――パクッ


『『!?』』


マスカたちは、それぞれの料理を一口食べる。


すると――


全員の目が、限界まで見開かれた。


(こ、これは……おいしいです!)

(なんだこれは……私は今、何を食べたんだ!?口の中に溶けるように肉が消えたぞ!?)

(これが肉!?なんてとろけるような味わいなの!?こんな肉、初めて!?)


……なんか、凄い驚いているな。

そりゃあ、日本が誇る『ブランド牛』だからな……相当美味いはずだ。


『うむ!旨い!ステーキもそうだが、この煮物も旨い!肉の旨味が染み込んだ汁が葉物をよりうまく感じるぞ!』

「本当。しかも、なんか優しい味わいだね~」

『この野菜炒めも美味です。肉の旨味が溶け込んだ脂とタレが野菜と合わさり、非常に美味しいです』

「お、そうか~やっぱり焼いた肉はタレが一番合うな」


俺も、出来立ての料理を食べる。

んー肉がうめ~さすがブランド牛……今回は肉じゃがと野菜炒めも作ったから、それぞれ違った味で肉を楽しめるぞ~。


「これがお肉……世界とは、広いモノです……!」

「この味、それだけのGが動くわけだ……」

「ああ……!もう、サチさんの料理に毒されちゃう~!」


……どうやら、マスカ達も喜んでいるようだ。

さっきから箸が止まっていない。


そんな感じで、俺たちは食事を楽しみながら、マスカたちとさまざまな話をしていった。


「なんと!サチ様、あの『フォレストス』のいざこざを解消したのですか!?」

「解消っていうか……懐柔っていうか……」

「『パフェ』に『クレープ』……『リンゴォパイ』……!どれもこれも美味しそうな響きですね……」

『うむ!どれもこれも旨かったぞ!主が作る料理はただ切っただけでもそれだけでよりうまくなる魔法のような力だ!』

『そうですね。いつも食べてる果実が幸の手にかかれば、そのポテンシャルを倍以上に引き上げてくれます』

「あはは……まぁ、俺というより、俺が錬金したソースたちのお陰なんだけどね」


ここは日本の技術力に感謝だな……異世界じゃ、基本的な味付けといえば塩くらいしかなさそうだし。

一度慣れてしまった味覚を満足させるには、やっぱり日本の調味料が欠かせない。


「それにしても……サチ殿たちはもうSランク冒険者に到達したのだな……まだ1か月ぐらいしか経っていないのに……凄いな」

「最初であったときはCランクだったのに……一気に飛び級で上がりましたね」

「あはは……それはもう……」


といっても、ほとんど銀瓏と麒麟の実力だけどね。


「それに……あの『バイコーン』にも契約のことをせがまれたのだろう?なんというか……その、ある意味凄いな」

「こっちは、勘弁してほしいですがね……」


流石に聖獣を二体契約するのは俺の人生にも世界のバランスにも相当な負荷がかかりそうだしな……

すると、ルーシーさんが苦笑する。


「……にしても、なるほどな。どうりで……」

「ん?」

「いや、なに。今回のパーティーの件で、いつも各国へ参加を呼び掛けていたのだが……いつも不参加だった『フォレストス』が、今回に限って参加することになった。何故だと思っていたが……サチ殿の話を聞いて合点がいった」

「ああ~……確かに」


納得するように、レットさんは頷く。


「それにしても……まさか、S+の魔物を倒してしまうなんて……流石サチ様ですね!」

「いや本当……あの時はひやひやした……」


だってあの銀瓏と麒麟が押されていたんだぞ?

一歩間違えれば、ダンジョンから生きて帰れなかったかもしれない。


「そ、それで……そのドロップ品は……」

「ん?ああ、これですかね」


俺は『裁王 マルバス』を倒した時にでたアイテム――『裁王の王冠』をレットさん達に見せる。


「うおっ!?こ、これが……S+ランクの!?」

「まぁ……!」

「なんと凄い魔力だ……!これがのドロップ品……」


マスカ達は物凄い反応を示す。


「いやはや……やはりサチ殿は規格外の力の持ち主だ……『二つ名』と『聖獣』の『契約獣(ビースト)』、短期間までのSランク昇格、そしてS+の討伐……どれも、他国では成し遂げられなかった偉業の数々だ」

「改めて聞くと……色々やばい事やっていたな……」

「今更?」


思わずガーネットさんが呆れる目で見つめる。


「そう言えば、パーティーを開くまで、あと何日ですか?」

「そうですね……3日ほどで開く予定です」

「そうか……なら、明日はパーティー用に魔物の肉を確保しておく必要があるな。銀瓏、麒麟さん。明日、パーティー用の魔物の肉を狩ってきてほしいんだけど……いいかな?」

『うむ、いいぞ。どうせなら高ランクの魔物を狩ろう。それだけ旨い飯が食えるからな』

『私も大丈夫ですよ』

「ああ、ありがとう。でもあんまり遠くに行くなよ?せめて『パシフィスト』の中までな?」

『あいわかった』

『了解しました』

(母親と子供かな?)


これで肉の心配はなくなった。

その間はそうだな……


「あっそうだ。折角王都に来たんだから、この国を見て回ろうかな?」

「それはいい提案ですね!でしたら、私もご一緒に行ってもいいですか?」

「えっお、王女様!?」

「私だって、折角サチ様と会えましたので、友達として、一緒に見て回りたいのです……ダメですか?」


マスカは上目遣いでお願いしてくる。

くっ……!可愛い!この顔で断るなんて……オレには無理!!


「わ、分かったよ……なら、明日行きましょうか」

「わーい!やりました!」

「お、王女様……」


マスカは子供のようにはしゃいでいる。

まるで妹のような感じだな。


「では、明日ご一緒に街へ行きましょう!」

「はい、よろしくお願いしますね」


こうして俺たちは、明日、王都の街を見て回ることになった。

明日のことを楽しみに思いながら、俺は用意してもらった寝室へ向かい、そのまま眠りにつくのだった。

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