↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で錬金術の現代風メシ  作者: yex
魔術協会編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

73/117

第六十八術 VS S+ランク 裁王マルバス


『『S+』!丁度歯ごたえのいい強敵が欲しかったのだ!』


――ビュンッ!


そう叫ぶや否や、銀瓏は翼を大きく広げ、一直線にマルバスへと突撃する。


『ほう……ドラゴンか!――こい!』


――ガシッ!!


互いの両腕がぶつかり、そのまま力比べへともつれ込む。


『ぐぐっ……!』

『ぬぅぅ……!』


一歩たりとも譲らない拮抗――しかし。


『チェアアアッ!!』

『うおっ!?』


マルバスが豪快に銀瓏を投げ飛ばした。

ち、力強い……!あの銀瓏を投げ飛ばせる怪力だなんて……!


『ふんっ、なかなかやるではないか』

『貴様もな……どれ、本気で相手にしよう!』


銀瓏は人獣形態から巨大な獣形態へと変化し、翼をはためかせながら猛攻を仕掛ける。


――キンッ!


――ガキンッ!


鋭い爪と拳が何度もぶつかり合い、激しい火花を散らす。

互角――そう呼ぶに相応しい激戦だった。


『っ!』

『むっ……!』


マルバスは攻撃をかい潜ると、そのまま後ろ回し蹴りを叩き込み、銀瓏を吹っ飛ばす。


――ズドォォンッ!


『銀瓏!』

『むぅぅ……流石『S+』!そう来なくては腕が鈍ってしまうな!』


壁へ叩きつけられた銀瓏だったが、それでも不敵に笑った。


『っ……!』


今度は麒麟が黄金の雷を纏いながら駆け出す。


『ほう……!今度は聖獣――ユニコーンか!』

『――『雷槍』っ!』


角へ収束させた雷を槍のように放ち、そのまま突撃するが――


――ガシッ!!


『っ……!』

『ふっ……』


なんと、雷を纏った角を、マルバスは素手で受け止めた。


「なっ……!」

「嘘っ!?」

『――ふぅん!』


そのまま麒麟を豪快に投げ飛ばす。


「麒麟さん!」

『くっ……!なんてパワー……ウロボロス戦以来の強敵ですよ……!』

『ふっ……さて、次はお前達か?』

「うわっこっち見た!?」


鋭い視線が俺たちへ向く。


『さぁ……いつでも来るがよい』

「っ……!ガーネットさん、サポートお願いします!」

「幸!?」


俺は飛び出し、『フォース』と『ウィズ』を『錬成』し、盾と剣を作り出した。


『ほう……来い!』

「っ!うおぉぉっ!」


――キィン!


――カァンッ!


剣と爪が激しくぶつかり合う。何とか食らいつくものの、実力差は歴然だった。

……レベルが違う。こっちが不利になってきてる……!


『くっ……!『風斬撃(ザ・ウィンド)』!』

『ほう……』


風を纏う斬撃をマルバスに向けて放つ。


『この魔力……流石だと言いたいが―――』


マルバスは口を大きく開けると、何かを溜め出す。


『……ガァァッ!!』


――ズドォォンッ!


咆哮だけで風の斬撃が吹き飛ばされる。

嘘だろ!?


「なっ!」

『ふっ……この程度、我にとって児戯に等しい!』


鋭い爪が俺に襲い掛かって来た。

すかさず、盾で防御するが―――


『『絶対防御結界(バリアー)』!』


――ガキィィンッ!


『ぬぅ!?』


透明な結界がマルバスの攻撃を弾いた。


「ガーネットさん!」

「ふふっ……まだ、私達がいるわよ!」

『ほう。やるな、魔法使いよ――むっ……!』

『『突撃龍(ドラゴンダイブ)』!!』


銀瓏の巨体を活かした回転突撃。


『ぬぅぅっ……!』


マルバスは真正面から受け止め、そのまま弾き返す。


その隙に――


『『雷帝剣』!』

『うおっ!?』


麒麟の角に収束された雷の剣をマルバスに振り下ろされる。


――ズドォォンッ!


マルバスは防御して受け止めるが、爆煙が立ち込める。


「どうだ?」


煙が晴れると、そこには多少傷ついたマルバスが立っていた。

タフすぎんだろ……!


『……ほう、やるではないか。冒険者たちよ』

『ふん、お前もな』

『私の攻撃を受けても立ち上がるとは……久しいですね』

「流石S+……最高火力の『契約獣(ビースト)』達の攻撃を受けてもあれぐらいしか効いてない……」

『さて、少々お遊びも済んだ――ここからは、我も本気を出すとしよう』


そう言うと、マルバスの口から膨大な魔力が集まり始める。


『『っ!!』』

『『獅子王砲(レオンほう)』!!』


――ズドォォォンッ!!


口から強力な極太の光線が放たれる。


「っ!―――『絶対防御結界(バリアー)』!!」


ガーネットさんが、全力で結界を展開してマルバスの攻撃を防ぐ。


「ぐっ……うぅぅ!!」

「ガーネットさん!?」


ガーネットさんが辛い表情で耐える。

そりゃそうだ、S+の強力な攻撃を真正面に耐えているんだ。相当な負荷がかかっている。


「大丈夫……私だって……私だって!自由の食旅(このパーティー)の一員なんだから―――これくらい、なんてことないわ!!」


―――ズドォォォンッ!!


爆煙が辺りを包む。


『ふむ……っ!』


煙が晴れると、そこには―――無傷の俺たちが立っていた。


「ふぅ……ふぅ……!」

『なんと!我の一撃を防ぎ切ったというのか!―――面白い!もっとその実力を見せるがいい!』

「ガーネットさん……!」

「大丈夫……すこし、防御に使った魔力が多かっただけだから……!」

『ふん……そこで休んでいろ!』


銀瓏は翼を広げ、マルバスへ飛び出し、交戦する。


『ガーネット、手を』


麒麟が優しく声を掛ける。


『あれほどの防御です。負荷が残っているはずです』

「えへへ……ごめんね」


そう言うと、麒麟に手を見せる。

差し出された手には、赤く痛々しい傷が残っていた……ガーネットさん、こんなになるまで守ってくれたんですね……


『……っ!』


――パァァ……!


麒麟の身体が神々しく輝く。

すると、傷はみるみる塞がっていった。


「うわー……!これって『回復魔法』?」

『ええ、『聖獣』ですので、これ程度の傷なら問題ありません』

「すげぇ……」


麒麟の力に感心していると、ガキンッ!と巨大な音が聞こえた。

思わず、振り向くと――銀瓏とマルバスの激闘はなお続いていた。


『ふぅん……中々、やるな!こんなに血が騒ぐのは『ゼパル』以来だ!』

『我もだ……お前達のような強敵、心躍る戦いは久しい!』


二人は同時に最大級の魔力を溜め始める。

―――っ!


『ガァァッ……!』


その瞬間、俺は気付いた。

そうか……あの技って、口へ魔力を集める間だけ、完全に無防備になるんだ……

そのことに気づいた俺はある考えを出す。


『『獅子王砲(レオンほう)』!!』

『『銀凍龍の息吹《プライム・シルビィーム》』!』


――ズドォォォンッ!!


互いの交戦がぶつかり合い、大気が物凄く震えた。


「ぐっ……銀瓏!」


爆発が二人を包み、不安が積もる……

すると―――


『――フンッ』


銀郎が煙の中から、飛んで出てきた。

そして、俺の方に戻っていく。


『奴め、なかなかの強敵だ。あれだけ攻撃したのに見切り、相殺する……強い、しかし厄介だ』

『……なぁ、俺作戦を考えたんだけど……』

『なに?』

「えっ本当?」

「ああ」


俺は思い付いた作戦を伝えると、皆驚く。


「ええ!?幸、それは無茶すぎない!?」

『お前がそんな賭けにでるとは……驚いたぞ』

『しかし……下手をすれば』

「分かってる――こう見えても場数だけは踏んでるよ。多少……いや、めっちゃ怖いけど、ガーネットさんだって命懸けで俺たちを守ってくれた。俺も覚悟の1つや2つ、決めないとな!」


バクバクと心臓が鳴り、恐怖で鼓動が早まる中、銀瓏は俺の覚悟に賛同する。


『……ふっ、いいだろう。主の作戦に手を貸そう』

「……わかったわ、幸。だけど――危険だからこれを……!」


ガーネットさんは杖を翳すと、俺の体に結界が包まれる。


「『結界装備(アーマー)』……気休め程度かもしれないけど、頑張って!」

「ガーネットさん……はいっ!俺、やりますよ!」


俺は覚悟を決め、マルバスの方へ見る。

そこには、煙が晴れ、俺たちの動向を見守っていた。


『……会議は終わったか?――なら、我から行くぞ!!』


マルバスは動き出し、接近する。


「よし、麒麟さん!銀瓏!頼む!」

『ああ!』

『ええ!』


二人が左右から同時に飛び出す。


『むっ……!二人同時か!』

『ふんっ!』

『はぁっ!』


猛攻を受けるマルバス。


『ぬっ……!』


二人はマルバスを着々と追い詰め、二人が一直線に集まり、技を放とうとする瞬間、マルバスも口に魔力を溜めだす。


「っ!今!」


その隙を見逃さず、俺は一直線に駆けた。


『っ!』

「たあぁぁっ!」


俺はマルバスに攻撃を仕掛ける。

しかし――


『成程、あの二体は囮……本命は我の攻撃の隙を突いて、お前が仕掛けるのが作戦か――だが、甘い!』

「ぐっ!?」


マルバスは即座に見抜くと、途中の攻撃をやめ、俺の攻撃を回避と同時に首を掴み、地面へ叩きつける。


「幸!」

『惜しかったな……!我がそんな不意打ちでやられる魂ではないわ!』


そう言い、再び俺に向って口に魔力を溜めだす。


「―――それはどうかな?」

『っ!』


俺は『ウィズ』をバズーカ砲へ『錬成』し、銃口を真正面からマルバスの口へ向ける。


「っ……!」


俺はバズーカ砲のトリガーを押し続け、連続で砲撃を浴びせると、マルバスの口を爆発させる。


『ぐがっ……!?』

「っう!!」


口の中で爆発が起き、マルバスが大きく怯む。

牙は何本も砕け、口元から鮮血が滴っている。

俺は転がりながら離脱し、大声で叫んだ。


「銀瓏!麒麟さん!今だ!!」

『っ!!』


二人はすでに最大出力まで魔力を溜め終えていた。


『『銀凍龍の息吹《プライム・シルビィーム》』!』

『――『天滅』!!』


銀白の極光と神罰の雷が、無防備となったマルバスへ同時に放たれる。


『っ―――』


回避する暇もなく、二つの必殺技が直撃した。


――ズドォォォォォォンッ!!


轟音とともに、玉座の間全体を揺るがすほどの巨大な爆発が巻き起こった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。