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異世界で錬金術の現代風メシ  作者: yex
魔術協会編

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68/117

第六十三術 第一階層 洞窟と第二階層 草原

ダンジョンの入口へ到着した俺たちは、早速中へ足を踏み入れた。


『魔術協会ダンジョン 一階層』


中へ入ると、そこは天井の高い巨大な洞窟だった。


「中は結構広いな」

『そうだな……うむ、中の魔物はそこそこの数だな』

「具体的には?」

『ふむ……DかCランクぐらいが多いな……まぁ、一階層と言うだけあって大した相手ではないな』


すると、ガーネットさんが補足する形で言う。


「まぁこの一、二階層は、基本的に生徒たちの実習や資金稼ぎに使われているの。頻繁に討伐されているから、低ランクの魔物が中心なのよ」

「そうなんですね」

『うむ。では早速行くぞ』


その言葉と同時に、俺たちは銀瓏と麒麟の背へ乗り、一気に駆け出した。


◆


見渡す限り洞窟の壁には、宝石がいくつか埋め込まれている。

あれを採掘してGを稼いでいるんだろうな……


『むっ……魔物が来たぞ』

「えっ?」


銀瓏がそう言った直後、岩陰から二足歩行の巨大なネズミが姿を現した。


「ねずみ!?」

「あれは『ウェアラット』ね。Dランクの魔物だから大したことないわ」

「そ、そうですか」


なら、折角だし……『破壊神の加護』の力を試すとしますか!


「『錬成(トランス)』!」


俺は『ウィズ』を銃に変形する。

ただの拳銃じゃないぞ。FPSではお馴染みの――『アサルトライフル』だ!


「なにそれ!何か凄そう!」

「一度作ってみたかった武器です。ちゃんと形になってよかった~……」


銀瓏の背に乗ったまま銃を構え、ウェアラットへ照準を合わせる。


「『火炎連銃(フレイム・バレット)』!」


――ガガガガガッ!!


高速で連射された炎の弾丸が、ウェアラットたちの胴体を次々と貫いた。

……威力つっよ。


『ほう、これが『破壊神の加護』か……!確かに魔力の射出効率が段違いだ』

『あれだけの高出力の魔法を連続で放てるとは……』

「凄いよ、幸!―――あれ?これ本格的に私の立場危うくない?」


うーん、強い。

強すぎるよこの武器……我ながら力作だな。

俺は『ウィズ』を眺めながら、さらに奥へ進んでいった。


◆


途中D~Cランクの魔物を走りながら倒し進んでいると、奥に広い空間の所までくる。

……あそこに魔物の姿があるな。


「あれは……トロールか?――と言うことは、ここボス?」

「そう。この階層のボスよ。このダンジョンは各階層にボスがいて、近くにはセーフティエリアも設置されているわ」

「なるほど。休憩場所もちゃんとあるんだ」

『ふん、所詮Bランクだ。俺一人で片付けれる!』


そう言うや否や、銀瓏は翼を大きく広げ、一気に飛び出した。


「あ、おい銀瓏、先に突っ走るんじゃ――」


――ドコォォンッ!!


「――ないって……言おうとしたらもう終わっちゃった……」

『うむ!肉の確保はできたぞ!』


胸を張る銀瓏に、思わず苦笑する。

全くこいつは……呆れつつも、俺はトロールの肉を回収して、次の階層へ進む。


『魔術協会ダンジョン 二階層』


転送先に広がっていたのは、一面の草原だった。


「今度は草原か……トランザダンジョンでも見た景色だな」

『……うむ、少し遠いが、あそこには魔物の気配がない。あそこで一つ休憩をはさむか』

『そうですね。それに途中で食材の確保もありますからね』

「ふーん……ん?」


その時だった。


―――ドドドドッ!!


向こうから地鳴りと共に土煙が迫ってくる。

な、なんだぁ!?


「何か来たぞおい!」

「あれは『アックスビーク,』ね。飛べない鳥型の魔物だけど、とにかく足が速いの」

「それってダチョウ……?ダチョウみたいな魔物?」


――ってそんなこと言ってる場合じゃない!


「あんな大群に襲われたらたまったもんじゃないぞ!迎え撃つぞ!」

『ふん、アックスビークか……筋肉質だが、悪くない味だ』

『鶏肉ですか……いいですね。私は好きですよ』

「一斉に行くよ!」


それぞれが攻撃態勢へ入る。


「『雷斬撃(ザ・ライトニング)』!」


俺は『ウィズ』へ雷属性を付与する。


「『雷電中魔法(ミディアム・ボルト)』!」


ガーネットさんは強力な雷魔法を展開。


『ガァァァッ!!』


銀瓏は雷を帯びたブレスを溜める。


『……っ!』


麒麟もまた、角へ眩い雷光を集束させた。


『『はぁっ!!』』


――ズゴォォンッ!!


四人の雷撃が一点へ集中する。


直後――


ドォォォォンッ!!


凄まじい爆発が草原を揺るがした。

土煙が晴れる頃には、アックスビークの群れは一羽残らず倒れていた。

……うわぁ、すげぇ……全部倒せた。


『ふむ、大量だな』

『これぐらい、何ともないです』

「凄い威力になったね……」


これ脅威だよ……色んな意味で。

俺は苦笑しながらアックスビークの肉を回収し、さらに先へ進んだ。


◆


あの後、Cランクの『ロケット・ブル』やDランクの『キノコもどき』などの魔物を次々と討伐し、肉や素材を回収しながら進んでいく。

やがて屋根付きの休憩所とベンチ、テーブルが並ぶ場所へたどり着いた。


「お、あれってセーフティエリアか?」

『そうだな。あそこで休憩するとしよう』


俺は銀郎から降りると、早速、料理の準備をする。


「さてと、今日は―――こんな天気のいい日は、『焼きそば』にするか!」


俺は『等価交換(カタログ)』で錬金した、『焼きそば 三食入り』を取り出す。

青空の下で食べる焼きそば……別格だな……


まずは野菜を切る。

キャーロトは、皮をむいて薄めに切り、キャベルーツはキャーロトと同じ大きさにする。

もやしは洗って、水気を切っておいて……

肉……トロールでいいか。それを薄切りにする。

フライパンにサラダ油を熱し、トロールの肉を入れて、両面に焼き色がつくまで焼く。

キャーロト、キャベルーツ、もやしの順に入れて、それぞれ30秒ほど炒めて火を通す。

炒めた野菜の上に麺を乗せ、麺の上から水を回しかけ、すぐにほぐさず麺を裏返し、お箸で麺の周りからゆっくりとほぐす。

こうすることで麺がちぎれず、ふわっとした麺に仕上がるって公式に書いていたな……

後は、火を弱めて、鍋肌につかないように粉末ソースを加えてよく混ぜる合わせ、最後に火を中火に戻して軽く炒めれば……!


――完成!『地元産のトロール肉入り焼きそば!』


トッピングに目玉焼き、青のり、鰹節をのせて、皆に渡す。


「ほら、出来たぞ!」

『『おおっ!』』


早速、食べてみる。


『『いただきます!』』


――ハムッ


「んー!旨い!」


んーこれこれ!やっぱ焼きそばと言えばこの袋麺だよなぁ~一番食べなれた味は安心するな~……!


「なにこの麺!柔らかくて、濃いソースと絡んで美味しい!」

『んん!この卵と一緒に食うことで味に変化が!!食べ進めても飽きないぞ!!』

『野菜も沢山入っていて、ソースとの相性もいい……!』


皆はうまいうまいと食べ進む。

そうそう、ソースが上手いんだよな~


『『お代わり!!』』

「はいはい」


みんな一斉にお代わりを強請り、予め作っておいた分を盛り付けると、あっという間に完食だった。


『うむ!今日も旨かった!』

「天気がいい所で食べるご飯はいいね~」

『そうですね……』


皆は満腹の様子で言う……

ふ、はは……!皆口元にソースがべったりついてるww


「ふふww……皆、口にソースがついてるよ」

「ん?――あっ、もーう!笑わないでよ!」

「ははは……!ごめんごめん、顔洗ってから行こうか」


全員で口元を洗い、身支度を整えた俺たちは、二階層のボス部屋へ向かった。


◆


着いた先は、レンガ造りの土台の上へ悪魔を象った石像が一体置かれていた。


「ここがボス部屋?……肝心のボスはどこだ?」

『目の前にいる――来るぞ』

「え?」


その瞬間──


石像がガタガタと震え始め、漆黒へと染まっていく。


『グギャァァッ!!』

「うおっ!?石像が動いた!?」

「あれは『ガーゴイル』!Bランクの魔物よ、気を付けて!」

『悪魔ですか……私に任せてください』


麒麟は静かに前へ出る。

角へ神々しい雷光が集まっていく。


『消え去りなさい―――『天誅』っ!』

『っ!』


――バシャァァァンッ!!


天より極太の雷が降り注ぎ、ガーゴイルを一撃で撃ち抜いた。


『―――っ……』


断末魔を上げる間もなく、ガーゴイルは粉々に砕け散り、ただの石へ戻る。


「ひぇ……いつ見ても麒麟さんの攻撃すげぇ~……」

『これくらい、何ともないです』

『さて、ボスを倒したのだ。次へ行こうではないか』


こうして俺たちは、危なげなく二階層を突破し、三階層へと足を踏み入れるのだった。

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