第五十九術 なんか因縁つけられた……
ガーネットさんと別れた後、俺は一人で辺りを見渡す。
色んな魔法の練習が見れて、ちょっとワクワクしている……やっぱ、こうやって魔法を扱えるのはいいね~錬金でやっているだろと言うのはご法度だぜ?
「『蛇火魔法』!」
「『鉄岩魔法』!」
的に向って、爆発音を鳴らしながら魔法を当てる生徒らしき人物が目に入る。
気合入れているな……
―――シュンッ!
「……ん?危なっ!?」キィィンッ!
目の前に何かが飛んでくると、俺は咄嗟に『フォース』を盾に錬成して、何かを弾いた。
なんだ?何処から来た?
「あら?ごめんあそばせ?」
「ん?」
すると、そこに立っていたのは金髪ロールのよく見るお嬢様がいた。そこに取り巻きらしきモブのような二人がその後ろに立っていた。
「つい私の魔法が手元がくるってしまいましたわ~ご無事ですか?」
「あ、ああ……大丈夫だが」
「そのですの?ならいいのですが……」
なんか、センスで口元を隠しているが……こちらを見下している感がひしひしと感じるな……ここはあんまり関わらない方がいいか。
「あの、俺ちょっと用事があるんで……ここで失礼――」
「お待ちなさい」
「え、なに?」
すると、金髪のお嬢様がセンスをパチンッ!と鳴らすと、こちらを見て口を開いた。
「貴方……噂で聞きましたが、あの二つ名と聖獣を契約しているようですね?」
「ええ、あ、はい。そうですけど……」
「凡俗のような貴方があの二人に相応しいはずありません。最も相応しいのはこの『シャーロット』家である、私――『シャーロット・エルドラド』だと思いませんか?」
「……」
「勿論タダとは言いません……どうですか?この光輝で名高い『魔法士』である『シャーロット・エルドラド』にその『契約獣』を献上するのは?」
と、何か自信満々の様子で言ってきた……
これは分かる―――関わっちゃいけないやつだ。
当然、俺が出す答えは……
「あっいいです。お断りします」
「んがっ!?」
きっぱりと断る。
そりゃそうだよ。だってあいつら自分から『契約獣』になったんだぜ?仮にあの二人に言っても、絶対『断る』っていいそうだもん……
「こ、こ、こ……こう見えても、私は他国よりもGや宝石が比べ物にならないほどお持ちになってますわよ?」
「いやいいです。今のところGに困っていませんし……」
「くっ、きっ、く……この……クソガキッ……!」
なんか凄い形相で睨んでる……顔を台無しにしないように堪えてるけど……
「あなた!シャーロット様になんたる無礼を!!」
「そうよそうよ!この方はあの貿易国『エルドラド』の王の娘ですのよ!身分を弁えなさい!」
「いや、そもそもいきなり現れて、図々しくジャイアニズム言われて『はいそうですか』とはならんだろ。順序考えろ、順序を」
こういうワガママなお嬢様相手はめんどくさいな~本当……
「っ―――もういいですわ!!なら、実力でどちらが相応しいか、決闘して―――」
―――フッ……ドゴォォォォンッ!!
「……」
『……』ガクガク……
「あげ……ふぇ?」
シャーロットと名乗る女性が武器を取り出し、構えを取った瞬間、後ろで物凄い爆発が起きた。
この威力を出せるとしたら……
『俺が目を離している間、随分とずかずか言いやがるなぁ?』
『まったくもって、不愉快ですがね……』
「銀瓏……それに麒麟も」
俺の両サイドに銀瓏と麒麟が守るように前へ出て、シャーロットを睨む。
『それで……何やら、主より『契約獣』に相応しいと世迷言を言う馬鹿がいたはずだが?』
『しかも、Gで買収しようとしましたね……』
『あ、あわわわ……』プルプル……
流石に二人の迫力でシャーロットと取り巻きは一緒に抱き合わせながらスライムのようにプルプルと震えあがる。
「うわっ……いくら何でも流石に引くわ……」
「っ……あなたは――『フラム・ガーネット』!何故、『魔導士』の貴方がここに!」
「何故って……決まってるでしょ?幸は私のパーティーメンバーなんだから」ダキッ
「わっ……が、ガーネットさん!?」
そう言い、ガーネットさんは俺の腕に抱き着いた。
「なっ!?……きーっ!!悔しいですわ!!平民上がりの魔導士ごときに……」
『ええい!いい加減目障りだ、失せろ!!』
「ピッ……こ、こ、こ、今回は退きますわ。ですが……次はそうはいきませんことよお!!おぼえてらっしゃぁぁぁぃ!!」
『ひぇぇぇっ!?』
―――ピューンッ!!
そう言い、シャーロットと取り巻きは一目散に逃げて行った……
「ふぅ……ありがとう、皆」
『ふん、俺はタダあのツンツンが気に食わなかっただけだ』
『本当は、主のことを馬鹿にしたことにキレていましたよね?』
『むっ……ええい!そういうのは言わなくていい!!麒麟!』
「ふふ……取り敢えず、無事でよかったわ。まったく、貴族の生徒はプライドが高いから、下の者にチョッカイかけるから、気をつけなさいね?」
「あはは……すみません」
全く、同じ貴族のマスカとは全然違うな……爪の垢を煎じて飲ませたいものだ。
さて、そろそろ解体は終わる頃かな?
「もう時間的にいいかもしれないし、ガリレオさんの所に行って、ケルベロスの肉を貰いに行こうか」
『おおっ!!やっとケルベロスの肉が食えるのか!』
「本当!ケルベロスの肉ってどんな味か楽しみだわ~」
『肉はあまり好みませんが、幸が作ったものなら何でも食べれそうです』
「あはは……もー皆、ハードル上げすぎだよ~……よし、なら肉を確保したらうんとうまいご飯作ってやるからな!」
『わーい!』
そう言い、俺はさっそく肉を受け取るためにガリレオさんの所へ向かう。




