第五十七術 到着、『魔術協会』
取り敢えず、ガーネットさんの案内の下、入口の門へ向かう俺たち……すると、門番らしき人物が見えて来た。
「ふぅわ~ねみぃ~……」
「しっかりしろよ。ここに出迎える人がいるんだ」
「確かドラゴンを『契約獣』にした人だっけ?」
「そうだ。そしてそのドラゴンは何でも二つ名だと言っていた」
「二つ名ぁ?ドラゴンはともかく、二つ名なんて聞いただけで見たことは無いんだぜ~それを契約したなんて、とてもじゃないが、信じられ――」
――バサッ! パカラッ……
「え?」
『うむ、ここが門か……』
「そうそう、ここが『魔術協会』の入口ね」
『門番が二人いますね』
「すげーでかい門……」
「「 」」
あ?なんか門番が唖然としてる……あー (察し)まぁ仕方ないか……
「あの~解体の件で来てんですけど……」
「あ、はい!ちょ、ちょっとお待ちくださいね!?」
そう言うと、門番の一人が一目散に駆け出していった。
……べつに取って食おうってわけじゃないが……目の前にいたら、そりゃビビるか……
数分後、呼び出され、中へ入ると、中々のスペース感がある部屋に、1人の男性が座っていた。
その人は、茶髪で無精髭を生やした片眼鏡の人物が、温かい飲み物が置かれた状態で待っていたようだ。
「どうぞ、こちらにおかけください」
「あ、はい」
そう言われ、対面する形で座ってお茶の準備をした後、男性から話が始まる。
「ようこそ、我ら『魔術協会』へお越し頂いて。私はこの国の仕事などを管理する『ルーン・ガリレオ』と申します。以後、お見知りおきを……」
「あ、こちらこそご丁寧にどうも……俺は『酒森 幸』っていいます。そして、契約した『銀瓏』と『麒麟』さんです」
『ふんっ』
『どうも』
と、挨拶すると……ガリレオさんが目を瞑って、考えてる。
「……ガーネットから手紙で把握はしているが、まさかあの二つ名を『契約獣』にするとは……それに、あの聖獣までも……いやはや、ここ何年か働いていましたが、こんな型破りな人物はいませんでしたよ」
「そ、それはどうも……」
ガリレオさんが笑いながら拍手をする。
何だろうな~この人表面上は良い人そうだけど、だいぶ苦労を抱えている感じが聞こえるんだけど……
「して―――我らの校にどういったご意見で?」
「はい。手紙で出しましたが、先日Sランクの魔物『ケルベロス』を狩りまして、解体をお願いしたいべく、ここに戻ってきました」
「ふむ……やはり、ケルベロスか……手紙で目を通してはいたが……そのドラゴンがいるのならばできるのだろう」
『当たり前だ。この俺にかかればそのようなもの、いとも簡単に倒せる』
「う、うむ……流石、二つ名と呼ばれるだけはありますね……」
あはは……ガリレオさん、冷や汗が出てるよ。
「わかりました……では、解体の件はこちらで進めますので、一旦『解体場』でそのケルベロスを―――」
「解体っするってわけだね!!」
「えっ誰!?」
「うわぁっ!?出たぁっ!?」
バンッと勢いよく扉を開けたのは……
銀色の長髪にゴーグルをつけた、外側が黒で中が赤色のマントを羽織り、赤と青のオッドアイの人物が現れた。
「んもー、ガリレオくん。来たなら来たって知らせてもいいのに……」
「なぜここに君がいるんだね!?授業はどうした授業は!?」
「決まってるだろう、『自習』にしたさ。なんせあのSランク級の魔物と出会うんだからね!居ても立ってもいられないさ!!」
「おいぃぃっ!仮に教師だろ貴様ぁ!?」
な、なんかめっちゃ興奮している人来たけど……もしかして――
「あの子の人ってもしかして……」
「……そうだ。この人が『解体学』の教師でもある、『シル・ヴァン』先生だ」
「やぁやぁサチ君だったかい?君のことは十分に聞いているよ!なんせ、あの二つ名と聖獣を契約したって聞いたからね……ぜひ、実体をみせて――」
すると、ヴァンさんが銀瓏達を見た瞬間、目に光がより強くなった。
「これは!この銀色に輝く鱗……そして、純度の高い魔力……間違いない、これが『光輝なる白銀龍』!そして……やっと会えたね~ユニコーンちゃん♡」
『うわっ……』
『おい、麒麟……お前が嫌悪する理由がやっとわかった気がする』
と、銀瓏にべたべたと触り、次に麒麟に触れようとした瞬間、避ける。
うん、俺もわかった気がする。麒麟が嫌な顔するワケ。
「へー、君キリンって名前なのね!―――ああん……そんなに避けないでよ」
『流石に避けますし来ないでください具体的には100mぐらい離れてください』
(早口!?)
淡々と早口で拒否する麒麟を見つつ、ガリレオさんが止める。
「落ち着かんかいこの解体馬鹿!だから、会わせたくなかったのだ!こうなるのを目に見えているから!!」
「「お、お疲れ様です……」」
と、取り敢えず、本来の目的を伝えないと……
「あの~そんなことより、ケルベロスの解体を……」
「ん?ああーそうだった。すっかりキリンちゃんに夢中だったからつい……えへ★」
『きめぇ』
『寝言は寝て言ってください』
「貴様何歳だ」
「容赦ない、怒涛の暴言!?」
そんなこと言って……流石のヴァンさんも悲しく―――
「もぉそんなこと言って……キツイんだから♡」
――なってねぇな、うん。なんつーメンタルしてんだ……
「さてと、解体の件だったよね。こっちに来てみてくれ!私の仕事場を案内するよ!」
「はぁ……だから秘密裏で進めようと画策したのに……この解体馬鹿は勘がいいんだか……痛たっ……胃が痛くなってきた……」
「だ、大丈夫ですか。ガリレオさん……」
ガリレオさんの意を心配しつつ、ヴァンさんの案内の下、着くと、そこには様々な解体道具に巨大なテーブルが置かれていた。
「さぁ!そのケルベロスを出してみてくれ!」
「それは良いんですけど、随分とでかいんですね……」
「ああ、なんたって巨大魔物むでも解体できるようにできているからね!―――忘れもしない、あれは200年前、私がまだ『魔法士』だった頃、Sランクの『ギガンテス』討伐に参加した私は、ギガンテスの弱点を瞬時に知り、他の冒険者や魔法使いと協力して、討伐を完了した。そして、ギガンテスの解体に土下座までして参加した私はありとあらゆる感触、質、体重、牙の数、様々なものを観測し、ギガンテスを解体しました。当時の感触は忘れません……あのゴツゴツとした皮膚に身を震えるほどの爪や牙、もう見ただけで――」
「はーい、出しますね~」
多分絶対一時間以上長くなりそうだから、ぱっぱと出しておこう。
「うおっほぉぉぉぉあああああえええええっ!?」
「喜びの癖が強いな……」
何ともな奇声をあげながらテーブルに置いたケルベロスをまじまじと見るヴァンさん。
「す、すごい……何という毛の質感……しゅごい……滑らかな毛が触っただけで分かる……」
「「……」」
『うわっ……』
『……流石の俺でも引くぞ』
「……」
ハァハァと顔を赤らめ、べたべたとケルベロスを触り続けるヴァンさん……やばい、めっちゃきめぇ……
「あの~……解体にはどれぐらいかかりますか?」
「ん?そうだね~じっくり色々観察したいから、丸一日は掛かるかもね……」
「えっ、結構早いですね」
「なんたって私は、解体のエキスパートさ!これくらい動作も無いよ」
「まぁ、高性能の『解体魔法』を使えるからな……」
あーそうか、それで――というか、丸一日使って何すんだ?
「知識より実物に勝るものはないのさ!牙の数、身長、体重、その他諸々じっくりねっとりしっとりとありとあらゆる角度で観察するのが『解体』におけるポリシーさ!」
「そ、そうですか……」
取り敢えず、解体については問題ないな……
そうだ、この後ご飯とか食べるし、場所とか聞いておくか。
~キャラ紹介~
シル・ヴァン 女 500歳
銀色の長髪にゴーグルをつけた、外側が黒で中が赤色のマントを羽織り、赤と青のオッドアイの人物
軽い感じの喋り方で魔物に関しては高ランク程変態度が高くなる。
一度興味の魔物がいたら猪突猛進するほどの突発さを見せる。




