第五十四術 ハイエルフダンジョン その②
『ハイエルフダンジョン 十一階』
転送石によって来てみたら……そこは森林よりもじめじめしているところ……沼地のような場所に着いた。
「これまで森、海と来て、今度は沼地か……本当、ダンジョンって幅広い物ばっかだな~」
『……うむ、ここから先はAランクが出てくるようになるな』
『その様ですね』
『まだ、飯を食べた余波がまだ残っているからな……狩りをしつつ、速攻で距離を稼ぐぞ』
そう言い、それぞれの背中に乗せられ、風が吹き荒れるくらい、高速で移動し始める。
ちょっ、速いって!?
『グォァァッ!!』
『ふんっ!』
――スバッ!!
沼から赤い鰐が現れるが、銀瓏が一瞬のうちに斬り伏せ、倒される。
即堕ち二コマかな?
『ふむ……『レッド・アリゲーター』か。『ブラック・クロコダイル』ぐらいに匹敵するぐらいの肉だな……まぁ俺は『ブラック・クロコダイル』の方が、ジューシー感があって好みだがな』
「と言うことはAランクか。鰐の皮とかの素材って結構売れるんだよな……」
「鰐の光沢とした鱗が高級感あっていいって評判だからね~」
『俺は肉以外どうでもいいのだがな……』
『私は野菜と自分の毛並みの質ぐらいですね』
「でしょうね」
二人とも、大食いキャラだもんな……というか、俺が知り合った魔物、全員食いしん坊だったな……
そんなことがありつつ、次の階へ行くことにした……
その後も二人の『契約獣』が、次々にくる魔物を蹴散らし続ける。
……俺たちの出番がほぼないね、こりゃ★
『十二階』
『ギョギョギョッ!』
「鰻!?しかも電気纏ってる!?」
『ほう、『ボルト・イール』ですか……雷で私で挑もうとは―――900年早い』
――バズズッ!!
『フッ……』
「う、鰻が雷負けした……」
『十三階』
『キュウァァッ!』
「なんか尻尾が大根のような狐来たんだけど!?」
『あれは『大狐』ですね。あの魔物の尻尾の身は甘くて瑞々しい野菜が食えます』
『ふんっ』
―――ズバッ!!
「一刀両断した……」
『ペロッ……確かに、少々甘い感じがするな』
「煮物に使えそうだな……『おでん』とか……」
『十四階』
『―――っ!』
「あれって、『ジュエルゴーレム』か!」
『今のお前なら、なんも問題でもなかろう?』
「え?お、おう……行きますよ、ガーネットさん!」
「分かった!」
―――ドコォォンッ!!
「数が一体で良かったぜ……」
「でも、着実と成長しているよ、幸!」
『十五階』
ここまで順調で行っているが……次の階は、人型で人間に似ているが指の本数などは異なっていて、全身がただれた皮膚に覆われており悪臭を放っている魔物が数体いた。
『グルルル……』
「なにあれキモッ!?」
『あれは……グールか』
「グールって……あの死体とか食べるあの?」
『そうです……そして、グールは『アンデット族』。生半可の火力じゃ再生して無意味です』
「ええ、そうなの!?じゃあどうしろと?」
『アンデット族の弱点は『聖属性』での攻撃、上級魔法での攻撃で消滅できます。たた、一番確実なのは『聖属性』の攻撃ですがね』
そうか……確かにアンデットって『呪い』のイメージが強いし、正反対の『聖属性』ならいけるか……ん?あれ、と言うことは――
『そう……ここは私の独壇場ということです―――『ホーリー・ライトニング』!』
――バリリリッ!!
『グギャアァァ!?』
麒麟の角から、電撃が迸り、ビームのように発動すると、周りのグールが一瞬にして消え失せた。
つっよ……
『ふぅ……ざっとこんなもんです』
「流石麒麟さん……アンデットなら右に出る者はいないっすね……」
『ええ、これで立ってられるアンデットなんていませ――いや、いましたね一人』
「え?だれ?」
『……シル・ヴァンです』
「あー……」
確か聞いた話だと、麒麟の上級聖属性でも復活するんだっけ?そこは消滅しとけよ。アンデット的に……
『……まぁそんな話はいいです。先行きましょう』
「お、おう……」
そんなこんなであともう五階……俺たちは一気に下ることにした。
『十六階』
ついて早々、沼から巨大な手と泥を被った頭がヌッと現れる。
『ゴゴゴゴゴ……』
「なにあれ!?」
『『沼人』だ。あれでもBランクはある』
Bランクであの大きさか!?5mぐらいあるぞ!?
『ふん、あんなもん、凍らせればいいだけ……行くぞ!主、ガーネット!』
「ええ!」
「え?俺も?」
し、仕方ないな……俺は『ウィズ』に魔力で氷魔法を纏わせ、沼人に向けて、斬撃を飛ばす。
「『氷結斬撃』!」
「『氷結波動魔法』!!」
『ぬぅあああっ!!』
――ピッキィィンッ!!……バキャッ
三人の氷魔法で、沼人を凍り付かせ、その後ヒビが入り粉砕して倒した。
『ふん、肩慣らしにもならんわ』
「うわっ粉々……」
絶対喰らいたくは無いな、これ……
そんなことを考えつつ、俺達は次の階へと進む。
『十七階』
次の階は、巨大な芋虫がずりずりと向かってきた。
『ポワ~グチョチョ……』
「うわっ!?沼人よりもでけぇ!?」
『ほう、『グレートキャタピラー』か……焼くと旨いんだよな』
「えっ……食うの?」
『なんだ?結構ぷりっとしてて旨いぞ』
ええ……芋虫を食べるのはちょっと……
『私も、結構好きですがね……フンッ』
――バシャァァァンッ!
『キュピィ……』
「ひぇぇ……」
倒れた『グレートキャタピラー』を見つつ、次の階へ進む……
『十八階』
今度は2mある人型の狼魔物が大群で襲ってきた。
『『『グルォォォっ!!』』』×30匹
「うわぁ多いっ!?なにあれ!?」
「あれは『ノール』!コボルトやゴブリンよりも凶暴で大群で襲う魔物よ!」
『だが、俺たちの敵ではない……行くぞ麒麟!』
『ええ』
――バッ……ドゴォォンッ!
二人一斉に飛び出し、ノール軍を蹴散らす……取り敢えず残りを狩るか。
……あれ、これ前にもあったような……
「『突風銃』」
―――ババババッ!
『『『グギャァァッ!?』』』
「っふぅ……やっぱ頼りになるぜ『ウィズ』……あ、勿論『フォース』もな」
銃型に変化させた『ウィズ』で、残りで襲い掛かる『ノール』達を一掃する。
……ってもう十八階か。次は恐らくセーフティルームだろうな……
「次で十九階だろ?その階でご飯にするか」
『おお!いいぞ!丁度動いて腹が減っていたのだ!』
『今日のご飯、楽しみです』
「わたしも~魔力消費したしご飯食べたいわ!」
そう言い、俺たちは次の階へ進む。
『十九階』
着くと、そこには広めのスペースで奥に階段があるのが見える……よし、ここでご飯にするか。
そうして、俺は 昨日作った『青椒肉絲』を取り出す。
「ご飯を炊いたら……ほら、出来たぞ」
『おおお!!』
『青椒肉絲』を初めてみた三人は目をキラキラと輝かせる。
「はむっ……ん!野菜のシャキシャキ感と濃厚なタレの味が相まって、旨い!」
『うむ!このピリッとした辛みが肉の味と合わさっていけるぞ!』
『この白い野菜が他の者よりシャキシャキしてコリコリして美味しいです!』
「それはタケノコって言って炊き込みにも使える野菜なんですよ」
『炊き込み……是非とも食べてみたいですね』
炊き込みご飯……久々にやってみようかな……それにしても『青椒肉絲』うめぇ~!野菜のシャキシャキにジューシーのトロール肉が相まって、いくらでも食える~!
そんなこんなで、『青椒肉絲』を完食した後、次の階へ行く準備をする。
『うむ!腹も膨れたし、やる気十分!!いつでも行けるぞ!!』
『ですね』
「バッチコーイ!」
皆やる気十分だな……よし、行くか!
そうして、いざ、最下層のボスと対決するため、次の階へと進むのだった……




