第五十一術 ハイエルフの村に到着したけど警戒心むき出しなのでパフェ食わせて懐柔することになりました
次の日、目覚めた俺は、朝食を済ませ、『ハイエルフの村』へ一気に駆け出しやっとのことで着いたのだが……
「……」
「あはは……」
『グルルっ……』
『……これはなんのマネですか?』
「それはこちらの台詞だ……何故、聖獣様のあなたが人間に加担するのだ!」
村の入り口に、何人ものハイエルフが出迎えていた……多数の武器を構えて。
「あの~、クロガキさんから『推薦状』が届いているはずなのですが……」
「ふん、何が『推薦状』だ!そんなのお前達が何か催眠や何かで言いなりになったんだろ!あの聖獣様が人間に加担するはずがない」
「ええ……」
もしかしてハイエルフってエルフよりプライド高いのか?誤解にしてはいろいろと酷すぎる。
「待っててください、ユニコーン様!今、私達ハイエルフが下等な人間の呪縛から解いて差し上げます!」
『……』イラッ
「あの、麒麟さん……何をしようとしてんの?」
『ちょっとこのわからずや共に『天罰』を……』
「やめろぉー麒麟さん!そんなことしたら死んでしまうぞ〇寿郎!!」
『誰ですか、〇寿郎って』
いくらイラついているからって、麒麟たちの崇めてる人々を攻撃すなー!
つってもどうしよう……話聞いてくれなさそうだし……
『ふん、お前らが俺に武器を向けるのならば……それなりの覚悟を持っているんだろうな……この村を消し炭にされる覚悟を……!』
「うわー!こっちもやる気になってるー!?」
一触即発の事態……早く来てくれぇー悟〇―!!あっ違った、ガーシュ様ぁ!!この状況を何とかしてくれぇー!!
『―――お待ちなさい』
『!?』
『あ?』
『あれは……』
「えっ誰?」
「ええ?」
頭の中に声が響き渡ると、空から白き翼を持った馬がこの地に舞い降りた。
あ、あれって―――
「ぺ、ペガサス様!何故ここに!?」
『お久しぶりです、お母様』
『あら、いらっしゃーい!よく来たわね~お母さん嬉しいわ』
な、なんか、緩いキャラが来たな……
そう思っていると、ペガサスが俺を見つめる。
『あら、あなたが……うちの夫と娘が色々と世話になっています』ペコリ
「え、ああ、こちらこそ、麒麟さんにお世話になってます……?」ペコリ
と、戸惑いながらもペガサスに挨拶する。すると、ペガサスは緩い感じで謝ってきた。
『この子たち、私たちを崇めているから、人間ちゃんが深く踏み込んだことにプライドが刺激されちゃってね~つい攻撃的な態度とっちゃったの。だからメンゴメンゴ♪』
「いや軽っ」
メンゴって……あなた母親ですよね?いつの時代の謝り方だよ……
『ほら、みんな。勘違いでこうなったんだから謝ろうね?』
「な、なぜ!こいつらは人げ―――」
『あ・や・ま・る、わよねぇ?』
「ピェッ……」
ペガサスの睨みが、ハイエルフ達に恐怖を植え付けた……こ、怖っ……怒ると結構怖いんだな。
「うっ……ぐぐっ……攻撃しようとして……すまなかった……っ!」
「あ、はい、大丈夫です……」
と、プルプルと震えながらハイエルフの一人が謝ってきた。
うわー嫌そう……顔で分かる。
『……全くすまない顔をしてないような気がするが?』
「やめて差し上げろ銀瓏。これでもプライドを削ったんだから野暮なこと言わない」
『ふん……』
『さて……謝ったことだし……さっそく私からさっちゃんにお願い事をしていいかしら!』
さ、さっちゃん?え、もしかして俺のこと言ってんの?
「さっちゃんのことは夫からいっっっぱい聞かされたわ!なんでも、貴方見たことの無い料理を作れるそうね!酒も肉も!それに肉は余り食わない娘がバクバク食べていたって聞いたわ~ねぇねぇ!ぜひ作ってくれないかしら!」
ずいずいと、俺にペガサスの顔を近づかせる……ち、ちけぇ……
『お母様、幸が驚いています』
『あら~ごめんなさい。私ったらつい~』
「……」
の、ノリがついていけねぇ~この馬、絶対『あげぽよ』とか一昔なもの言いそうだな……
『でねでね!私も散々聞かされちゃったから、私だって食べてみたい!――だから、何か作ってくれないかしら』
「と、唐突……いいですけど、材料は?」
『ああ、心配しないで。この村は果実がたっくさん取れるから、それで料理してもいいわよ!と言うわけで皆、いろいろな果実の準備をよろしく!』
「な、何を!タダの人間の為にそこまで――」
『何か言ったかしら?』
『全身全霊で準備いたします!!』
そう言い、ハイエルフのみんなは村の中へ戻り、作業を開始する……ペガサスさんマジ凄いっス……
数十分後、広い調理場にいくつもの果実が置かれていた……いやデカくねぇ?俺の世界の果実より一、二回りでかいぞ?
『さぁ!たっくさん果実を準備したからどうぞ遠慮なく使ってくださいな♪』
『うむ、一体どんな菓子が現れるか、楽しみだぞ!!』
『私もワクワクします』
「ケーキかな?クレープかな?あーよだれが出そう……」
「汚いぞ……」
皆、俺が作る菓子を楽しみに待っている……そうだな、そんなに時間をかけたくないし……そうだ!『パフェ』にするか!!ただ果実やアイスを乗せるだけだし、そんなに手間もかからないから沢山作れるし……それでいこう!
「なんだあの箱?でかいな……」
『あれは……おお!前に食べたアイスか!!』
「他には……なんかフレークっぽいものがあるね?」
よし、材料の準備完了!後は器だが……この前『等価交換』でガラス食器があったから、それを錬金して作ったものがあるから、コップ型のを使うか。
本当はパフェ用の奴でしたかったが量が量だし、コップでいいよな。
やり方は簡単、好きな果実を食べやすい大きさに切って、コップにホイップ、コンフレークと一緒に敷き詰めるだけ!
気を付けることは水分が多い果実を下にするぐらいかな?
さてと……パパっと作るぞ!
『いちごパフェ』
下からコンフレーク、イチゴ味のアイス、イチゴ、ホイップを乗せた一品だ。
『チョコバナナパフェ』
下からコンフレーク、バナナ、チョコレートソース、ホイップ+チョコレートソースを乗せたチョコずくしの一品だ。
『コーヒーゼリーパフェ』
下からコーヒーゼリー、ホイップ、バニラアイス+チョコレートソースを乗せた大人な味の一品だ。
『メロン&アイスパフェ』
下からメロン、バニラアイスを交互に乗せ、最後にホイップを乗せた魅力の一品だ。
『桃パフェ』
下からコンフレーク、刻んだ桃、ホイップ、アイス+薄切りにした桃+ミントを乗せた可愛らしい一品。
他にも色んなパフェを作り出し、みんなの前に並べる!
「出来ました!『色んなフルーツを盛った贅沢パフェ』です!!」
『おおっ!!』
豪華なパフェの姿に皆は生唾を飲み込む。
『なんて綺麗な料理かしら!どれどれ……味は―――』
ペガサスが、スプーンを浮かび上がらせ、巧みに操り、桃パフェを一口放り込む。
というか、ペガサスも『念動力』あるんだ……
『……っ!甘ーい♡ただ、フルーツを切って盛っただけなのに、口の中にパリパリとした食感、冷たくて甘い食感、果実の甘みと、たった一口で味わうには多い情報量!こんなにも美味しいなんて!』
『うむ!このアイスと爽やかな果実との相性がいい!濃厚のクリームも一緒に食べるとなお良しだ!!』
「これコーヒー?苦さと甘さのバランスが丁度良くて、美味しい~」
『このメロンとアイスという冷たいもの……たった二つしか使われていないシンプルなものですが、メロンの甘さとアイスの爽やかさがマッチして美味しい……』
『……』
美味しく食べるペガサスたちを見たハイエルフ達は釣られるに、パフェを取り、一口食べる。
『っ!?甘ーい!!』
「なんだこの甘さ!?うめぇー!!
「これ本当に私たちが取ってきた果実で作ったの!?旨すぎ―!!」
「しつこくない甘さに濃厚で味わい深いぜ!」
「お、お前たち……」
他のハイエルフ達が嬉しそうに食べるのを見ている、プライドが高い女ハイエルフ……しょうがないな……
「ほら、食べたほうがいいぞ?もったいないし」
「なっ!人間に指図される筋合いは―――」
――ぐ~……
「「……」」
いま、この女ハイエルフのお腹が鳴ったのか、段々と顔が赤くなる。
「ほら見ろ」
「ぐっ……フン!いいだろう、そこまで言うなら食べてやろう」
と、奪う形で女ハイエルフはパフェを取り、一口食べる。
「……っ!あ、甘い……ふふっ」
「……」(・∀・)ニヤニヤ
「はっ……!!」
どうだ~旨いだろ~フルーツとクリームとアイスが合わさっているんだぞ?美味しくないワケないだろう?
「ふ、ふん!これくらいでいい気になるなよ人間!……まぁ、なかなか旨かったぞ。たまになら人間の料理を食べてもいい……」
と、顔が赤いままツンデレのような感じで言ってきた。
まったく素直じゃないんだから……俺も食べるか……ん~!甘ぇ~!糖分が体に染みる~!!
『は~美味しかった~♡さっちゃん、ありがとうね!パフェ、とっても美味しかったわ!』
「それはどうも。折角ですし、後でホイップとか渡しておきますね。パフェじゃなくても、果実につけるだけで断然美味しくなりますし」
『本当?ありがとう~感謝するわ~ほら、『セコイア』ちゃんも御礼しなさい。あなたこれでもこの村の長でしょ?』
「むっ……し、仕方ない。本当は人間ごときに言うのは癪だが……まあ、美味しかったし、パフェに免じていいだろう」
え?お前、この村の長なの?わ、若っ……!いやクロガキより大人に見えるけど……
「……なんか失礼なこと考えてるが、こう見えても私は500歳だ。エルフよりも長寿だからな。これでも成人ぐらいだ」
「ゴッ!?……種族のジェネレーションギャップが凄い……」
「ふん……まぁなんだ、ありがとう。美味しかった……今までの中で旨かったぞ」
『もう、セコイアちゃんったら恥ずかしがっちゃって……よっぽど美味しかったのね、パフェ』
「う゛っ……!ぺ、ペガサス様、からかわないでください……」
『うふふ……』
なんかまるで、母親と生意気な子の会話に見えるな……
すると、銀瓏が思い出したかのように言ってきた。
『そういえば、ここにダンジョンがあると言ってたな』
『ダンジョン?ああ、隣にあるわ。魔物の皮や牙で武器、防具を作るのに偶に行って狩ってきているのよ』
『ふむ……丁度いい、ダンジョンに行って運動でもするかな』
「待て待て銀瓏……今日はもう遅いし、明日行こう。色々と準備する必要もあるみたいだし……」
『むっ、その準備とは……飯か?』
「まぁそうだな」
『むぅ……飯のことならば仕方ない。明日にする』
渋々、銀瓏は了承する。
やっぱり飯のことになると弱いな……それほど期待しているって事だろうけど。
「ということで、残った果実はもらってもいいですか?なんなら、今日の夕ご飯も作りますが……」
『いいの?そういうことなら他にも沢山あるから持って行っていいわ!!その代わり、夕ご飯期待しているわね』
「ありがとうございます!」
よし、ペガサスに許可取ってもらったし、夕ご飯作りつつ、ダンジョンに行く用の飯も作っておくか……




