第五十術 目指せ、ハイエルフ村!
次の日、目覚めた俺はガーネットさん達に簡単な食事を作って、これからどうするか会議する。
「次はどうしようか?」
『そうですね……次は『ハイエルフの村』へ行ってみては?』
「順番的にそうなるか……」
『それに、あそこは隣にダンジョンもありますし……』
『ダンジョン!それは良いことを聞いたな!よし、到着した次第、早速──』
「待て待て銀瓏!!気が早すぎる!!まだ、内容も分かってないのに決断が早すぎるだろ!」
階層とか何とか色々知っとかないといけないし……そこん所どうなんだ?
「麒麟さん、そのダンジョンの特徴って?」
『そうですね……二十階層で、それなりに制覇はしていますね。恐らく最下層はAランクぐらいかと』
Aランクか……そこそこ制覇や踏破してるし、大丈夫か。
『うむ……ボスはAランクか……物足りんな』
「前のダンジョンでS+倒したろうが。危うく死ぬかと思ったんだぞ?」
『あの程度、今の俺では足元にも及ばん』
「ほんとか?ゼパルの攻撃でダメージ負ったじゃねぇか」
『むっ……むう……』
『なんと……S+ランクを倒したのですか?』
「えっ?ああ、みんなの力で何とか……いやーあの時本当ギリギリだった……」
「本当、あの時は『あっ死んだ』って思ったよ……」
二度とS+ランクの魔物とは会いたくねぇよ……
『ふむ……S+ランクは前にお母様とお父様と一緒に狩った時以来ですかね……国の被害がヤバそうだったので家族全員の力でやっと倒せました』
「マジか……そんなに強い魔物と戦ったのかよ」
「ところで、その魔物って?」
『『無限蛟龍 ウロボロス』です。高い再生能力を持った蛇のようなドラゴンで、再生の速さはダントツなので、不死身と勘違いするレベルです』
「そんな相手、どうやって勝ったんだよ……」
不死身レベルって……もし今の俺たちなら確実に無理だと思うな……
『そんなの、再生が追い付かないレベルの火力で消し炭にしました。いや~きつかったです♨』
「ええ……」
いやそんな軽い感じで話されても……どうしろと……まぁいいや、その話は……取り敢えず、ダンジョンはともかく『ハイエルフの村』へ行くことに決定だな。
「じゃあ、『ハイエルフの村』へ行くことは決定だな。その後はまぁ……おいおい考えるって感じで」
『ええ。そうですね』
『まぁ、ダンジョンは運動になるし、いいな』
「私も賛成よ」
おし、決まり!そうと決まれば、早速準備して行くか。
あと、バイコーンとクロガキ達の渡す酒とか色々準備しとくか……
数十分後、荷物をまとめて、次の村へ行く準備を済ませた俺は、クロガキとバイコーンに色々なものを渡す。
クロガキ達には、取り敢えず昨日食べたそうざいの素以外にいろいな種類のステーキソースを渡す。肉が特産って言ってたし、焼いて色々かければしばらくは飽きないだろう。
次にバイコーンにはビールの他にウイスキーや焼酎など渡しておく。つまみはまぁ……ダークエルフ達に任せよ♨
「どうぞ、受け取ってください」
「おお、こんなに貰って悪いなぁ~ありがたく使わせてもらうぞ!」
『おお!これはビールに見たことない酒が沢山あるな!!』
『確かに見たことありませんね……これは?』
「この角瓶に入っているのは『ウイスキー』だ。手を加えれば『ハイボール』が作れるんだよ。次にこの瓶は『焼酎』だな。今回は『麦焼酎』で、初心者におすすめな焼酎にしてる」
『ほう……これはこれは……飲むのが楽しみだわい!』
「もし、また飲みたくなったらいつでも送ってください。その時は魔物の肉と交換する形になりますが」
「うむ!分かったぞ!こんな旨い物が手に入るのだ、上質な魔物肉を手に入れておくのだ!」
と、クロガキが自信満々に言う。
さて、渡すものも渡したし、早速行きますか。確か、もう『ハイエルフの村』にクロガキが『推薦状』を送ったっ言っていたし……心配はないな。
「じゃあ行くか、皆」
『ええ』
『うむ』
「いいわよ」
「よしじゃあ……出発!!」
――ドッ!!
麒麟と銀瓏に乗せられて、一気に『ハイエルフの村』まで駆ける。
「行ってくるのだ~!」
『また会おう!サチ達!娘よ!』
―――
「確認なんだけど、確か『ハイエルフの村』ってたしか『果実』が特産だっけ?」
『そうですね。味は『パンドラフルーツ』以上です』
『ほう、『パンドラフルーツ』は食ったが、あれよりも旨いのか!それは期待できるな』
果実か~果実だと有名なものは『アップルパイ』だよな~
他にも『ドライフルーツ』や果実を刻んで混ぜ込んだ『パウンドケーキ』や『タルト』なんかもいいよな~
あ、あとブドウもあれば『ワイン』にもできるな……料理に使って良し、飲んで良しの酒だもんな。
「そんなに美味しい果実なら、旨い菓子が作れそうだな……」
『なに?菓子だと!一体どんなものなのだ!』
「有名なヤツだと、リンゴォをたっぷり使った『アップルパイ』だな。それと、果実を切り刻んで混ぜ込んでつくる『パウンドケーキ』とか『タルト』とか、他にもいっぱい旨い菓子ができるんだぜ?」
『なるほど……それは楽しみだな!主がつくるものはどれもこれも旨い物だからな!』
「そうだね……幸の世界の料理は世界一の旨さを誇るぐらいからね……楽しみね~」
「それは言い過ぎだよ~あんまりハードル上げんなよ?」
『いえ、残当です。私もこの900年、主のような料理を目にしたことがありません。もっと自信をもって大丈夫ですよ』
とは言っても、これやり方さえ知っていれば簡単にできるものばっかなんだよな……
それに、俺自身、知らないものは『全知魔書』でカンニングで作っている物もあるし……
「そう言うが、多分ガーネットさんでも作れるものばかりだぜ?」
「でも、それをできるようになるのは『錬金』のお陰なんだから、どの道、幸の実力だよ!」
「そ、そうか……?」
『そうそう』
そこまで言われると、俺自身も恥ずかしくなるな……
「全く……おだてるのが上手い皆だぜ……よし、ならさっさと『ハイエルフの村』へ行って、旨い菓子を作ってやるか!」
『うむ!そうでなくてはな!』
「ふふっ……楽しみにしてるからね!」
『どのような味か、期待が高まりますね……』
そう言い、一気に駆けだして数時間後……もうそろそろ夕暮れに近くなったので、ここらで夕食を取ることにした。
『今日は何を作るんだ?』
「そうだな……麒麟さん、あとどれぐらいで着く?」
『かなり距離を稼ぎましたからね……朝出発すれば昼前には到着する予定です』
「もうそんなにか……なら、パッパッと簡単で旨い物でもするか……確か、『ブルー・ブル』の肉って残ってますか?」
「あるよ~」ドンッ
と、ガーネットさんが塊の肉を二つぐらい出す。
よし、今日はそれで作るか。
『それで何をするんです?』
「ちょっと待ってろよ……今から『牛丼』を作るから」
『『牛丼』?』
皆はピンと来ないかもしれないが、俺にとっては味わい深い物なんだよな……安くうまいしかもボリュームがある旨い丼ものだからな!
作り方も簡単だし、タレもあるかちゃっちゃと済ませるか!
まず、『ブルー・ブル』を薄切りにする。次にネギオンも薄切りにしておく。
鍋に『牛丼のタレ』と水とネギオンを入れて、火にかけネギオンがしんなりするまで煮込む。
次に肉を投入して、煮込む。
火が通ったら、炊き立てのご飯へ盛って具をのせる!
隣に紅ショウガを載せたら……
――完成!『ブルー牛丼』!
「ほら、出来たぞー!」
『おぉぉっ!!』
銀龍は肉多め、麒麟はネギオン多め、俺とガーネットさんは普通にしたから、文句はないだろう。
では早速―――
『いただきます!』
そう言い、出来立ての牛丼を一口食べる。
――ハムッ
『旨ぁぁぁい!!』
この汁が肉とネギオンに染みてうめぇ~!そこに添えた紅ショウガのお陰でさっぱりして食えるし、ガツガツ行ける!
『うむ!肉がタレの味と絡んで旨い!』
『ネギオンもしっかりと汁を吸っているので、これだけでも行けますね!』
「炊き立てのご飯にタレが染み込んで旨いわ~」
おっとそうだった……牛丼といえばこれが欠かせないよな!
「生卵を混ぜて、この牛丼に流し込めば―――んん!卵のまろやかさがちょうどよく濃い味を良くしてる!」
『俺も卵が欲しいぞ!』
『私も』
「同じく!」
「はいはい」
牛丼と卵の相性は格別だぞ~これで2杯以上は確実に行ける!
そうして食べ進んでいくと、もうあれだけあった具もご飯も空になった。
食ったな~普段お代わりしないけど、今日はもう一杯行ったな~
さてと、後片付けして、村へ行くために寝るとしますか……
俺は、ガーネットさんの結界を守られながら、その安心で深い眠りにつくのだった……




