第四十九術 肉祭りぃだぁ!!
村に着いて早々、クロガキがバイコーンと共に来たことに驚愕していた。
「な、なんと……もうバイコーン様を手懐けるとは……流石、聖獣様を『契約獣』にしただけはあるな……」
「どちらかというと、飯目的で着いてきたんだけどね……」
「ヴヴ……頭痛い……」
「あ、起きた」
すると、酔いつぶれていたガーネットさんが目覚めた。
この様子だと、二日酔いだな……昼から酒の飲みすぎが原因だな……後で、シジミ汁作っておくか……
「ところで、精鋭部隊が帰って来たんですよね?」
「おお、そうだった!ほれ、よう見とれ。これが妾の精鋭部隊が狩ってきた魔物だ!」
「こ、これは……」
クロガキが指した方向には、結構の山の魔物の死体が積んであった。
積んでいた魔物を確認すると……
・スーパーアルミラージ Bランク
・オーク Cランク
・ブルー・ブル Bランク
・コカトリス Cランク
・デビルアリゲーター Cランク
・コモノドラゴン Cランク
・ガラガラスネーク Cランク
というラインナップだった……つかドラゴンがいる……
「なぁ銀瓏。魔物の肉にドラゴンが入っているけど、共食いにならないのか?」
『俺とコモノドラゴンじゃ種族が違う。俺と同じ『銀龍』でない限り、共食いとは言わん』
「へー……じゃあ、麒麟さん達もそんな感じ?」
『概ねそんな感じです』
「オーケー分かった」
どうやらそこまで心配する必要なないみたいだな……
さてと……これを解体するんだけど……肝心のガーネットさんは二日酔いでダウンしているからな……ダメ押しで聞いてみるか……
「あの~すみません。Bランクまで『解体魔法』を持っている人って……」
「ん?ああ、いるぞ」
「いるんですか!」
「そうだ、すこし待っとれ―――おーい!『エボニー』出番だ!」
「んー?」
そう言い、クロガキが呼びだすと、不良にで出来そうなパンク系髪型のダークエルフが来る。
癖強っ!?なんかチラッとピアスっぽい何かあったし……
「あーしに何かよう?」
「うむ、早速だがこの魔物の山を解体してくれ。大至急」
「んー?……分かりました~このくらいなら、十分もかかんないかもですね~」
「そうか、頼んだぞ!」
エボニーさんという人が、魔物の山の前に立つと、手を翳し、何かを唱える。
「~~~~……」
――パァァァッ!
すると、みるみると魔物の山が素材に変わっていく……
そうして、数分もかからずに、全ての魔物が素材に変わる。
「出来ました~」
「ふむ、ご苦労だった……これで心置きなく料理に専念できるな!」
と、クロガキがキラキラした目でこちらを見てくる……どんだけ食いたいんですか……
まぁそれほど楽しみにしてるってことだし、さっさと仕上げますか!
今日は牛肉があるし……今日は思い切ってローストビーフにするか!
まず塊の肉にたっぷりの塩こしょうを手で練りこむ。香りづけにローズマリーとかも練り込ませるのも良し!
次に熱したフライパンに肉の表面を焼いて旨味を閉じ込める。
野菜を色々切って、クッキングシートを敷いた鉄板の上にいれる。。
そしてその上に焼いた肉を置いて、予熱しておいたオーブンで長時間焼く。だいたい40分ぐらい……
「なんだこの匂いは……嗅ぐだけで涎が出てきそうだ!」
『なんだぁ?嗅いだことのねぇ匂いだ……こりゃ期待できるぜ!』
そして、今のうちに次の料理の準備をする!
まずはコカトリスに塩胡椒振って皮目から焼く。
ひっくり返して、蓋をして弱火で蒸し焼きにする。
火が通ったら、余分な脂を取り、照り焼きのタレを絡めて焼いた後、切り分けたらやれば……完成!『コカトリスの照り焼き』!!
よし、次に行くぞ!
ガラガラヘビとキャベルーツは一口サイズに切り、ネギオンは薄切りにする。
熱したフライパンにキャベルーツとネギオンを炒め、一旦さらに戻す。
次にガラガラヘビの肉と『タッカルビの素』を合わせて弱火で蒸し焼きにする。
肉に火が通ったら、皿に戻した野菜をいれ、手早く炒めたら……完成!『ガラガラヘビのタッカルビ』!
中心にとろけたチーズをいれれば、味が濃厚で旨くなるんだよな……
あとは、汁物でも作っておくか!
ゴボウを斜め薄切りにし、キャーロト、大根っぽい野菜を薄めのいちょう切りにする。
ネギロは斜め切りにして、こんにゃくは下茹でして臭みをとった後小さめに一口大に切る。
オーク肉は薄切りにしておく。
鍋にごま油を熱し、オーク肉を炒める。香りが出てきたら切った野菜たちを加えて炒める。
水を加えてひと煮立ちしたらアクを取り、火が通るまで2〜3分煮る。 ギネロを加え、『豚汁用液味噌』を溶き入れたら……完成!『オーク汁』!
そろそろ焼けてきたかな……うん!いい感じの火加減だ!
あとは切り分けたら……完成!『ローストブルー・ブル』!
他の肉は簡単にステーキで焼ければ―――よし、準備完了!!
「皆さん!!ご飯できましたよ!!」
『おぉぉぉぉぉっ!!』
並べられた料理に、ダークエルフや聖獣たちも大喝采をあげる。
「ガーネットさん、大丈夫?」
「うん、なんとか……サチが作ってくれた酔い止めとシジミ汁で食えるところまで回復したよ」
「そうですか……じゃあ、早速―――」
『いただきます!』
皆、それぞれの料理を手に取り、一口食べ始める。
――ハグッ!
「ん!」
『むっ!』
「こ……」
『これは……』
『旨ぁぁぁいっ!!』
このローストビーフ、噛めば噛むほど肉の味が深くなってうめぇ~!つけたステーキソースも相性抜群だ!!
「旨いっ!!なんだこの料理は!この甘いタレにコカトリスの肉が合わさって、旨いのだ!!他にも、この蛇肉!ピリッとした辛さがまた食欲を引き立たせる!この白いとろっとしたものを合わせるとより味が濃厚になる~こんな旨い料理は初めて!」
「本当ですね~!このタレ、同じ肉なのに味が違って楽しめます~!」
『俺は当然、『ニンニク風味』だ!』
『私は『おろし風味』です』
「このスープ、香りが良くて、肉のうまみがたまりません!」
「あ゛あ゛~!優しい味だね~」
「ステーキうめぇ!!」
「不思議なタレのお陰で、同じ肉でも飽きねぇ~!」
『うめっうめっ!!』
と、皆美味しそうに料理を食べ進める。
ドラゴンの肉もうめぇ!ステーキソースと相性抜群だ!
タッカルビもチーズのお陰で辛みが少なく、味が濃厚で旨いし、豚汁……というかオーク汁も優しい味わいでごくごく飲める……はぁ~幸せ。
あっという間に、あれだけあった料理がなくなってしまった……ふぅ、流石にあの量を作るのは骨が折れるな……
「うむ、旨かったぞ!こんな料理を食べられるとはここにいる皆は幸せ者だ!!」
『おう!どれも食べたことない料理でついつい食いすぎてしまったぜ!』
「あはは、どうも。そう言ってくれると、俺も作り甲斐があります」
他のダークエルフ達も『ありがとう』や『美味しかった』と感謝の声が俺に飛び交う。
他のみんなからそう言われると、作って良かったって思うな~
『ふっ、当然だろう。この世を探したって、主のような料理はないだろう……』
『工夫して、美味たる食事を提供するのはとても感謝します』
「毎日作ってほしいぐらい感謝してるよ!」
と、ガーネットさん達も褒める。
よせやい……褒めたって何も出ないぜ?
美味しい料理を噛みしめた俺たちは片付けして、解散した後、満腹感に身に染みながら眠りについた……




