第三十八術 新たな道具
Sランクケルベロスの解体をどうしようと悩むが……取り敢えず、『エリザベート』と『クリムゾン』に行こう。そろそろ頼んでいた代物を完成できるだろうし……
というわけで、最初にエリザベートへ行って、挨拶がてら完成してるか見に行った。
「すみませーん」
「ようこそ、お待ちしておりました……装備品の件ですね?」
「はい、そうですどうですか?」
「ええ、こちらに完成しております……では、こちらが我々の作り上げた一品です」
そう言い、店長が出してきたのは『羽の装飾を施された灰色のフード付きマント』に『鱗が際立っている靴』、『真紅のようなローブ』が出された。
どれもこれもカッコいい!!さすが高級店!
俺が感動していると、店長が、この品たちの説明を丁寧にしてくれた。
「久しぶりの上玉物ですので張り切ってお作りしました。このマントは『マンティコア』の毛で編んで作り、『グリフォン』の羽で作ったアクセサリーをチョイスしました。副産物に『風属性の威力・耐性』が付いております」
「おー!」
「お次は、『ツインコブラ』の鱗で作った靴でございます。漆黒の鱗が美しく輝いております」
「本当だ。綺麗……」
「最後に『スカーレットサーペント』の皮で作られたローブでございます。太陽のように真っ赤な赤はたれもが見とれる品となっております……副産物として、『炎属性の威力・耐性』が備わっております」
「うわ~素敵~!」
どれもこれもいい感じだな!本当いい仕事してるな……
「ありがとうございます!大切に使わせてもらいますね!」
「ええ、こちらこそ。貴重な体験をさせていただき感謝しています」
あ、そうだった。忘れるところだった……
「そうだ、すみません。追加の素材で何か作ってもらいたいのがあるんですが……」
「いいですよ。どんな素材ですか?」
「はい、これなんですが……」
そう言って俺は銀瓏を風呂で洗った時に落ちた鱗を見せる。
「……っ!?お、お客様……こ、この鱗は……」
「え?ああ、銀瓏の鱗です。お風呂に洗った時、結構落ちてたんで、何か作れないかな~と」
「…………」
な、なんか店長、こめかみを抑えたぞ?
「お客様……その様子だとお忘れだと思いますが、彼はシルバードラゴン、それもその上の二つ名です。ただでさえシルバードラゴンは貴重なものなのに、二つ名の素材ときたら……一体、どれだけのGが動くことやら……」
「そ、そんなにですか?」
「ええ、じっくり見なければ分かりませんが、これを見るにざっと1000万Gになると予想します」
「はぁー!?」
ええっ!?小袋ぐらいしかない数なのに!?
「それだけ貴重の素材だということです……」
「oh……」
「ですが、ギャリックさんのお得意様です。きっちりと、腕によりをかけてお客様の望むものをお作りしましょう!」
「ほ、ほんとですか!ところでそのぐらいだったらどんなものが作れますか?」
「そうですね……このくらいだと少しの素材に混ぜるだけで様々な効果のある装備ができあがりますので、何でもできます」
「そうなんですか!?でももう装備が完成しているし……あ、じゃあアクセサリーはどうですか!全て使っても構いませんから」
「畏まりました……お客様のご満足いただけるよう、精一杯丁寧にお作りしましょう」
そういい、俺は買い取り金『700万G』を受け取ったあと、『クリムゾン』へ向かい、『オーブン』ができているか見に行く。
「すみませーん」
「おお!よく来たな。頼んでいた品ができあがったぞ!」
「本当ですか!」
「おうよ!あーあと、杖もできあがったから受け取ってくれ」
「わーありがとうございます」
そう言い、新しい杖を受け取るガーネットさん。なんかどっかの黒い魔法使いの杖に出てきそうな見た目だな……
「Aランクの素材をこれでもかと言うほどに入れて作ったからな……威力が段違いだぜ?―――そして頼んでいた『オーブン』だ!」
「おお……これが!」
そこには、全体3mぐらいの巨大なオーブンがあった。
上に何かつけられている?
「あの……オーブンの上にあるのは?」
「ああ、あれは炎の魔石が四か所取り付けられているから、その上で調理ができるぞ」
「そうなんですか!便利ですね!」
「おうよ!……ああ、それと、これ――素材の買い取り金だ」
「ああ、ありがとうござ―――重っ!?意外と重い!?」
「おう!オーブン代と杖代を引いて『800万G』よ!いい仕事だったぜ!」
「ええっ!?マジかよ……」
「うわ……いつの間にかどんどんお金が増えていくよ……」
半分でも2000万ぐらい手持ちにあるぞ……やばすぎ……
『おい、オーブンが出来たのなら、早速何か作れ。そろそろ昼飯が食いたい』
「はいはい……というか、お前が食いたいだけだろ。あっそうだ、折角ですし、皆さんもどうですか?オーブンの稼働するかどうかの点検もかねて」
「おっ?いいのか?それじゃあお言葉に甘えさせてもらうぜ……何なら、俺の店の庭使うか?」
「いいんですか!ありがとうございます!」
そういうことで、『クリムゾン』の庭でオーブンの試運転をすることになった。
今日は『ケートス』を使った料理にするか!『全知魔書』オーブンでいい感じの料理はないかな?
『検索完了。『魚のオーブン焼き』のレシピを以下の分に記載されています』
色々に種類があるな……
今回はニンニク……もとい『ガーリンク』を使った魚にするか。
まずは、『ケートス』の魚肉に塩を振ってすこし水気をとる。
その間に野菜を切っておく。
天板にオリーブ油を多めに引いて水気を切ったケートスをのせ、腹に大きめに切ったガーリンクと
セイジを入れる。
そこに半分に切ったマッシュルームとガーリンク・セイジを魚のまわりに置く。
上からもオリーブ油をかけて、210度のオーブンで10分ほど焼き、ビーフコンソメをかけて、さらに10分焼く。
最後に、バルサミコ酢をかけて、もう10分、火がとおるまで焼いて、最後にディルを入れたら……
――完成!!『ケートスのオーブン焼き』!
「どうぞ皆さん、トングで取って食べてみてください!」
『おおぉぉぉぉ!!』
すると、皆がガーリンクの香りに誘われ、次々に具を取って食べ始める。
俺も頂こうかな。
――ハムッ
っ!旨ッ!!ガーリンクの香ばしいにおいが、ケートスの肉にしみついてうめ~!!
『うむ!!旨い!この肉はサッパリしているが、ガーリンクと草と酒がケートスの旨味をさらに引き出してくれている!』
「こりゃ旨い……こんなのが食えるのだったら作ったかいがあったぜ!」
「うめぇ……うめぇよ!!」
「ん~!美味しい!」
如何やら、従業員たちも喜んでいるみたいだな……
数分で完食し、みんなから絶賛の声で讃える。
「いやー!こんな旨い飯は初めてだったぞ!また、何か作って欲しいならいつでもここに来な!他の店以上の品を作ってやる!」
『よろしくお願いします!!』
「え、ええ……いつかまた」
こんなに喜んでもらえると、こっちとしては作り甲斐があるな~……
さてと、次はどうしようか……ケルベロスを解体にだしたいんだけどなー……




