第三十七術 昇格B……えっ?Aランク?
このあと、帰ろうかとトランザへ向かおうとするが、銀瓏が疲れたからここで飯がいいと言ってきた。
ケルベロスとか狩ってきて、エナジードリンクの副作用のせいで疲れているので仕方なく、ここで飯を作ることとなった……冒険者たちにも折角だから振舞おうと思い、今日は多めに作る。
何か出向いただけだと遠慮していたけど、俺だって何もしてないから実質同じだから……
「この人数だからな……20人ぐらいか……そうだ。折角だし『全知魔書』で何か聞いてみるか……」
俺は『全知魔書』に大人数で食べれる料理を聞いてみた。
出来れば簡単なやつにしてほしいが……
『検索完了。大人数で食べるのにオススメな料理を提示します』
・ビーフガーリックライス
・カレー、シチュー
・鍋
etc……
ふむふむ……そうだ、確か『グレートカルキノス』も『トレイン・ブル』とかの肉もあるし、鍋にするのに丁度いい!!
後は鍋の素を『等価交換』で錬金して………よし、準備完了!早速調理するか。
まずは『カルキノス』を『カニ鍋』の素を入れた鍋に殻ごといれ煮込む。
そこに、水菜と豆腐、キノコ類を入れてと……
次は『トレイン・ブル』の肉だな!
鍋の味はここはやはり、『すき焼きのタレ』!!いつもすき焼きはこれ一択なんだよな~
後は、焼き豆腐、ギネロ、シイタケ、しらたき、白菜に似た食材『ハックサ』を入れて煮込む。
次は『ブルーオーク』の肉だな。豚肉だからハックサを使ったシンプル『ミルフィーユ鍋』だ!
交互にハックサとオーク肉を敷き詰めたら、鍋の素を入れ、煮込む。
よし!具材が煮込ませられたら完成!『グレートカルキノス鍋』に『トレイン・ブルのすき焼き』、『オーク肉のミルフィーユ鍋』の三種だ!
煮込むだけだから簡単に出来たぞ。早速、器についで、冒険者達に渡す。
「どうぞ!出来上がりました!」
『お……おぉぉぉっ!!』
出来上がった鍋のいい匂いに冒険者たちは器を取り、鍋の具材を食べだす。
「い、いただきます。ハム……っ!?」
『っ!?』
―――う、うめぇ~!!
冒険者たちの歓声が沼地に響き渡った。
うんうん、鍋はやっぱり旨いよな~……
「なんだこの料理!?スープか!?味が濃厚で具材に味が染み込んでやがる!」
「この鍋、具材が二種類しかないのに、これだけで満足できる!」
「このこげ茶色の鍋もいい!肉が味に染み込んでていける!」
「あっその鍋、たまごにくぐらせてどうぞ。更においしくなりますよ」
「どれどれ……っ!おお旨い!味がまろやかになった!」
「うめぇ~!こんな食べ物、初めて食べるぜ!!」
冒険者たちも、初めて鍋を食べてご満悦だな!さて、銀瓏たちは……
――ハグハグハグッ!!
『んん!どれもこれも鍋の具材が旨すぎる!!鍋の汁が染み込んでて、いくらでも食えるぞ!』
「本当……この色が濃い鍋ににたまごを浸して食べると、さらに美味しいわよ~!」
どうやら満足しているようだな……
俺も食べてみるか……んん!旨い!やっぱ鍋物は最高だな……
さてと、具材が減ってきているし……シメをだしますか!
シメは各鍋に違う種類で行こう。
『グレートカルキノス鍋』は『ラーメン』。
『トレイン・ブルのすき焼き』は『うどん』。
『オーク肉のミルフィーユ鍋』は『雑炊』。
鍋物のシメは旨いから、きっと皆喜ぶだろうな……
そう思いながら、俺はちゃっちゃとシメの具材を準備をし、完成させる。
「よし、みんな!最後のシメを作ったから、存分に食ってくれよ!」
『オォォォォッ!!』
まずは『カルキノスラーメン』!ラーメンの麺が蟹の出汁があう!
「うめぇ~!!」
「このちゅるちゅるする麺が喉にスッと入る!!」
「蟹の出汁も最後まで飲んでしまうぜ……」
次は『トレイン・ブルのすき焼きうどん』!やっぱすき焼きといえばうどんだな!!
「さっき食べたあの麺と違う食感がするぞ!」
「こっちの方が、のど越しがいい!」
「たまごにつけてもうめぇ~!!」
最後に『オーク肉のミルフィーユ雑炊』!鍋に残ったオーク肉の油とハックサの旨味が米に吸収した一品。旨さが段違いだぞ!
「なんだこれ!?米か!?」
「こんな白い米、初めて見たぞ……」
「米に鍋の出汁があわさってうめぇ~!」
あっという間に、三種の鍋が平らげてしまった……だし汁もきれいさっぱり無くなっているな……
鍋を片付けをしている時、ふと、冒険者の一人が聞いてきた。
「そういえば、あの鍋に入っていた肉は何だったんだ?」
「え?あーそうですね……『グレートカルキノス』と『トレイン・ブル』……あと、『ブルーオーク』の肉を使いましたね!」
『…………』
「え?」
すると、皆、シーンっと黙ってしまう……あれ?どうした?
「ま、まじかよ……俺たち、そんな高ランクの肉をバクバク食っていたのかよ……」
「や、やべぇ……そんな高価なものだと知らずにお代わり要求していた……」
「Aランクとなると、一生に食えるか否かのやつだろ……」
あ、そうだった……Aランクは貴族でも週一で食えるかどうか分からない品物って言ってたな……やべぇ完全に忘れてた……銀瓏がサクッと狩ってきていたからすっかりそのことを頭から忘れてた……
「えっと……気にしないでください!材料はどうせ銀瓏が狩って持ってきて行きますので……それに『ケルベロス』討伐の記念ということで……」
「お、おう……あんたがそう言うなら……」
ふぃ~助かった……取り敢えずご飯も食べたし、ギャリックさんのところへ戻るか……
―――
「ただいま戻りました~」
「おお!やっときたか!!」
ギルドへ戻ると、ギャリックさんがのっしのっしと近づいてきた。
「いやーなかなか戻ってこなかったから、重症を負ったのかひやひやしていたよ!……どうやら全員無事だとみえるぜ!」
「いやー……ははは……」
『ははは……』
と、皆渇いた笑いを返す……い、いえねぇ~遅れた理由が早く狩ったから、全員でご飯食べてたなんていえねぇ~……
「それで、ケルベロスは?」
「あ、はい……ここに」
「よいしょっと」
ドンッ!!と、ガーネットさんは討伐したケルベロスを出す。
「うおっ!こ、これがあのSランク『ケルベロス』……実物をみるのは初めてだが、なんという存在感……冷や汗が出そうだ……」
「えっと……そんなにやばい奴なんですよね?」
「ああ……なんせ、ケルベロスにはかぎ爪には猛毒が仕込まれている……抉られたらひとたまりもない……それにケルベロスは魔力耐性もあるから、魔法だと一苦労だ……」
そんなやばい奴を十分未満で倒した二人って……エナジードリンクやばいな……
「にしても奇跡だな……普通、このメンバーで行くとなると、半分は死者が出るはずなんだが……」
「そ、そんなに!?」
「ああ、だからこそ怪我人ゼロで帰ってきたのは奇跡に近いんだよ……本当、凄いパーティーだぜ!私が見込んだだけはあるな!!」
「痛てて……」
と、ギャリックさんが後ろからバシバシと背中を叩かれる。
地味に痛いなこれ……
「さてと、これを持っていきな。ランクアップだ」
「おお!一昨日言っていたBランクですね!」
「いや――Aランクだ」
「え?」
あれ!?一昨日はBランクって……
「そうだったんだが……S+も緊急Sランクを討伐したし、その実力ならAランクにあげても問題はないからと判断して、急遽Aランクの発行をしてきた、ということだ!」
「えぇ~~!?」Σ( ̄ロ ̄lll)
だとしても早すぎでしょー!?まだ数か月も経っていないのに!!もうAランクまで来てる!?神童とかそういうレベルの所業じゃねぇよ!?
「す、すごい……幸。この期間中でもうAランクまで上がるなんて……Sランクに上がるのは時間の問題ね……」
「もうこれ以上上がりたくないんですが!?」
これ以上あがると、国家ぐるみとか、貴族のあれこれが押し寄せてくるんだよね!?嫌なんだけど!?
「まっ、なるようになれだ!」
「そんな、他人事だと思って……」
「実際そうだろ」
「ひぃん……」
あ、そうだ聞きたいことがあったわ……
「あの~このケルベロスの解体は……」
「ん?ああ~―――うん無★理」グッ!
「無理!?」
いい笑顔で親指突き出して言う台詞じゃねぇだろそれ!?
「流石にSランクとなるとな……それに、ケルベロスの素材はどれもこれも貴重品……完璧に解体するのはここじゃ手に負えないくらいだ」
「ま、マジかよ……」
それじゃこいつは永遠にボックス番する羽目になるのか……可哀想に……
そう思いつつ、ガーネットさんの『アイテムボックス』へしまった。
取り敢えず今日は疲れたし、帰って休むか……
俺はケルベロスの解体を拒否られた悩みを抱えながらベットに横たわることにしたのだった……




