第三十術 トランザダンジョン攻略②
『トランザダンジョン 十四階』
「そろそろ半分の階に着く頃合いか……ん?」
『……』―――バサッ!
すると空から、黒い体に悪魔のような角と翼が生えたのっべらぼうのような魔物が現れる。
「な、なんだあの魔物……目とか鼻とかがない!?」
「あれは『ナイトゴーント』!上級魔法が使える魔物でAランクよ……」
『俺は問題ないが……いい機会だ。ガーネット、あの結界を使え』
「あの?……っ!分かったわ、あれね!」
そう言うと、ガーネットさんは空間を結界で覆った。
「『氷結結界』!」
―――オォォォ……
空の色が水色に変わる。
そうだ、ここはガーネットさんの結界の魔力だから……錬金で変換できれば、それに対応した魔法が扱えるのでは?
『行くぞ!グォォォアァァァッ!!』
―――バキキキキッ!!
「『氷結魔法』!!」
―――ピキキキッ!!
「『錬金術:氷』!」
―――ズドォォォンッ!!
『っ!』
―――ドコォォォンッ!!
結界で強化した三人の同時氷魔法で、そのばにいた『ナイトゴーント』を全員氷山のように凍って閉じ込める。
「……やべ、これ明らかにオーバーキルだ」
「私もそう思う……」
『ほう……軽めに言ったが予想以上の火力がでたな……これはいいものだな』
「軽めでこれなん!?」
これ本気出した時どうなるんだ?こいつなら、一瞬にして大地が凍り付かせそう……
「よし、それなら『ナイトゴーント』の素材回収しないとね……この魔物の素材は魔法研究にすっごい役立つから!」
『俺は肉が旨くないからどうでもいいが……』
「食ったことあるのかよ……」
『どうも、筋張ってて食いにくい……それにゴムのような変な食感だから好まん』
銀瓏の説明でその肉はおいしくないってのは分かった……まぁ見た目が不気味だし、絶対食用にならない雰囲気を醸し出しているし……
「よし、回収終わり!」
『なら、さっさと行くぞ』
「はいはい……」
せっせと銀瓏の背に乗り、次の階へ進む。
『トランザダンジョン 十五階』
『グォォッ!!』
ついて早々、青色のオークの大群が襲い掛かってくる。
「レッドオークみたいなやつがおる!?」
『ほう『ブルーオーク』か……レッドオーク同様、中々旨い肉だ。回収するぞ!!』
「『雷電魔法』!!」
――バリリリッ!!
『『『グゥオオオッ!?』』』
ガーネットさんの電撃攻撃で、ブルーオークを痺れさせる。
「やっぱりAランクだから仕留めそこなったけど……動きは制限したから、あとはやれるわ!」
『ふっいいぞ!主、俺に続け!!』
「お、おう!」
『ルゥゥァァアアッ!!』
――ズバァンッ!!
「おらぁ!!」
――スパァンッ!!
ガーネットさんの援護で動きがさっきより鈍くなっている内に、『錬成』で変形させた剣で銀瓏と共にぶった切る。
「ハッ!……ふぅ~これで最後だな」
『うむ……ところで主よ。今の動き、前のずいぶん見違えたな』
「え、そう?」
「そうそう。前のコボルトの時はあんなにビクビク怯えてたのに」
確かに、前は魔物怖いっ!て臆病になっていたけど……段々と抵抗が無くなってきたな……これも異世界に適応してきたってことかな?
……でも流石にいっぺんにあの数を対処となるとビビるが……
「多分、ガーネットさんや銀瓏がいるから、俺も安心して挑める度胸がついたって事かな?ははは……」
「あー確かに……いつも大体が銀瓏で終わっちゃうからね」
『ふん、当然だ。俺くらいになると、苦戦を強いられるのは精々、『聖獣』か俺と同じ『二つ名』ぐらいだ』
「へー……『聖獣』って?」
「あぁ!」
いや『あぁ』じゃなくて……
「冗談だよ。――『聖獣』って言うのはね、『フォレストス』という国にいる魔物とは別の生き物がいるの。そして、あの国には三つの街があってその街のそれぞれに一体ずつ『聖獣』が住んでいるの」
「へー……ところでどんな人たちが住んでいるんですか?」
「そうね……あそこはほぼ『エルフ族』しか住んでいないから……」
「エルフ!?」
あの耳長で自然を愛するファンタジーで有名なあのエルフか!?
まさかここでその名がでるなんて……
「エルフ族は『エルフ』、『ハイエルフ』、『ダークエルフ』の三種がいるの、だからそれぞれの街で独自の生活をしているわ」
「うわー……エルフか……一回行ってみたいな……」
「あーあってみたい気持ちは分かるわ……だけど、エルフ族は警戒心が強いし、プライドも高い人が多いから、他の国での交流はしないし、いるとしても少数よ」
「ま、マジか……まぁ、そりゃそうか……」
「それに、『魔女教会』の人があの街に来たら、色々と大変なことになるし」ゴニョゴニョ……
「?」
いま、ガーネットさん何か呟いたような気がしたが……
『それに、『聖獣』は神の加護を持つとされている……そんな力の権力がある魔物がいるから、他の国も下手手にに出んだろうな』
「えっ!『聖獣』って加護持ちなの!?」
「そうよ。幸が持っている加護よりも更に強い加護よ?」
「チートやん……しかも、素で銀瓏が苦戦する奴だろ?ずる過ぎない?」
『お前だって加護があるし、人のことは言えんだろ』
「いやまぁ確かにそうだけどさぁ……」
「はいはい、やめやめ……取り敢えず奥へ進もうか」
『の前に、あれだけ動いて時間が経つ……そろそろ飯の時間ではないのか?』
もうそんな時間か……確かに、お腹が減ってきたな。
「そうだな、ここらでご飯にしようか」
『わーい!』
取り敢えず作り置きした『回鍋肉』を出すとするか……後ついでに、味噌汁とご飯も用意して、と。
『いただきまーす!』
――ハムッ……
『んんっ!?なんと濃厚な味だ!このタレが肉の味をさらに強くする!!』
「ちょっとピリッと辛くて、野菜も美味しーい!!」
「本当、サイコ~!やっぱオーク肉はいいな~!」
やっぱ市販の『回鍋肉』のタレは旨いな~!自分で味付けするのもいいけど、やっぱ市販が一番便利で、旨いな~!
「この味噌汁が濃いタレを洗い流してくれるから、まだまだ食えるわね!」
『うむ!米と一緒に食えばさらに旨い!!』
うんうん……やっぱり『回鍋肉』はご飯に合うよな~!甘辛のタレがかかった肉にご飯が合わさっていいよな~!
数分後、食べ終わった俺たちは食器を片付け、次の階へ進む。
『トランザダンジョン 十六階』
『ゴゴゴゴッ!!』×5体
次の階に着いたら、宝石のついたゴーレムが現れた。
「何あの宝石のゴーレム!?」
「『ジュエルゴーレム』!Aランクでそれに対応した宝石で魔法を扱えるわ!!」
『ふん、だが俺の敵ではない!!』バッ!
――ドコォォォンッ!
『ゴッ!?』
銀瓏の爪の攻撃がジュエルゴーレムの身体を崩壊させる……『回鍋肉』パワーすげぇ……
『うむ!飯を食べた後だから力がいつも以上に上がっているな!!』
「よし俺も行くぞ!『錬成』!」
――ミョーン……ジャキッ!
俺は武器をハンマーに変えて、ジュエルゴーレムに突撃する。
「うおぉぉっ!喰らえ!!」
――ガツゥゥゥンッ!!
『ゴォォアァ……』バキバキッ……
流石アダマンタイト!あの硬そうな宝石を一網打尽にできる!
「『岩石魔法』!!」
――ドドドドドッ!!
『『ゴゴゴッ!?』』
ガーネットさんの土魔法で岩石を飛ばし、二体のジュエルゴーレムを鎮める。
残りあと一体!!
『ゴ、ゴゴゴッ……』
「これで最後!!―――『アダマンタイト』……」
「『岩石』……」
『『龍王』……』
俺はハンマーを振り上げ、銀瓏は手に魔力を込め、ガーネットさんは土魔法の塊を溜める。
「『ハンマー』!!」
「『弾丸魔法』!!」
『『印』!!』
―――ドコォォォンッ!!
俺たちの同時攻撃で最後のジュエルゴーレムは粉々に粉砕した。
終わった後見渡すと、辺り一面、色んな宝石の数々がドロップしていた……
「うわー……凄い数の宝石……これ一体いくらなんだ……」
「最低でも合計『1000万G』は確実だね……」
『主の武器になるし、別にいいのでは?』
「いやそういう考えもあるけど……」
取り敢えず、回収して次に進みますか……




