第二十五話 『エリザベート』と『クリムゾン』
折角だからギャリックさんのおすすめの店へ向かう俺たち。途中で様々な店が沢山あって眺めていた。
「流石、貿易都市って言われるだけあるな……色々な店がある」
「本当だね……あ、そうだ!確かここ『風呂屋』さんもあるし……折角の大金だし買おうかな」
「え?風呂があるんですか?」
「ええ。家庭用と旅用の二種があるのよ?最近は洗っていないし、これを機に風呂を買いたいわ」
「いいですね!俺もそろそろ風呂が入りたいって思ってたんですよ!」
『風呂?なんだそれは……』
「要は温かい水で身体を綺麗にするんだ。さっぱりしていいんだよな~」
「分かる~」
『……そういうもんか?』
と、銀瓏は興味がないような感じで言う。
まぁドラゴンだし、水浴びくらいしかやったことがないんだろうな。
そうこうしている間に、着いたのは……『エリザベート』と言う高級道具店だった。うわ~凄い豪華な店、緊張するな……
いざ開けてみると、執事服を着た銀色の狼が出迎えてくれた。
「ん?おや、いらっしゃいませ。我が当店、『エリザベート』へようこそ」
「あ、こんにちは。ギャリックさんの紹介で来ましたあと、『契約獣』もいるんですが、大丈夫ですか?」
そういい、ギャリックさんが書いた書類を渡す。
「そうでしたか。ギャリック様から……畏まりました。それではご確認しますので少々お待ちを、それと『契約獣』もいれて大丈夫です―――ふむ、承知しました。我が当店は高ランクの魔物の素材から丁寧な作業で製品を作っておられます。どれもこれもお客様にお目にかかる代物ばかりで……その他にもお客様の素材を買い取り、その場でオーダーメイドの商品を作ることもできます」
「そうなんですか。それで具体的にどんな感じに?」
「そうですね……例えば、あそこにあるカバンは、Bランク『レッドアリゲーター』の皮で作ったものとなります。真紅の皮が魅力的で目が点になります。ほかにも、あそこのマントはAランクの『ブラックウルフ』の毛皮で作られたもので、隠密効果のある代物なんです。」
「うわー凄い……効果持ちの装備も作れるんですか!」
「ええ、素材に寄りますが、Aランクの物ならそういう物もできあがります」
素人でも分かる……めっちゃカッコいいやつだ!!ここなら買い取りでも大丈夫そうだ!
「あの、素材を買い取って貰って装備を作ってもらってもいですか!」
「はい。ギャリック様のお得意様というわけで、腕によりをかけて作らせていただきます」
「わかりました、ではいまから出しますね」
そう言い、ガーネットさんの『マジックボックス』から素材を取り出す。
「取り敢えず……これぐらいで……」
・ツインコブラの皮
・スカーレットサーペントの皮
・グリフォンの翼
・マンティコアの毛
・プチバットの翼
・マンイーターのツタ
「……素晴らしい代物です!どれもAランクの素材ばかり……これでどういった物をお作りしますか?」
「そうだな……そろそろ靴も変えたいし、俺はフード付きマントと靴にしようかな!ガーネットさんは?」
「わたしもいいの?……なら、ローブでいいかな?」
「左様でございますか……それでは、製品価格を取り除いて―――700万Gで買い取らせていただきます」
「700万!?」
製品価格取り除かなかったらどうなってたんだ……
「じ、じゃあそれでお願いします」
「畏まりました……お客様がご満足できる品物を用意しておきます」
楽しみだな~マント。ファンタジーでマントだとテンション上がっちゃうな~
そして次に向かった先は、『クリムゾン』という加工店だ。ここには武器や防具、その他に道具までも作ってくれるらしい。
「こんにちは~」
「おう、らっしゃい!!」
そこには髭が濃いドワーフが立っていた。この人が店長だろう。
「あの、ギャリックさんの紹介できました」
「おお!ギャリックさんからか!そりゃ気合入れて行かないとな……で、何を買い取る?それか作る?」
「えっと……ここって料理器具とかって作れるんですか?」
「おうよ!リクエストがあればコンロだって作ってやるぜ?」
おおマジか!もしかしたらオーブンも作れるのかも……
「あの!オーブンって作れますか!」
「オーブン?ああ、できるぜ。それ作るなら、3日ぐらいかかるがな」
「本当ですか!ありがとうございます!」
「おう、ちと代金がかかるが、まぁ任せろ!」
オーブンがあれば、クッキーやグラタン、はたまたローストビーフとか作れちゃうぞ!
『おい、何だそのオーブンとやらは?』
「これがあればローストビーフや丸焼きチキン、グラタンも作れる代物だよ。」
『なんだその食べ物は!美味しいのか!?』
「ああ、旨いぞ!いつか作るから楽しみにしとけよ」
『ふむ……どんな味かは知らんが、楽しみにしているぞ』
「はいはい……ガーネットさんは何かあります?」
「私は杖かな?レベルも上がったし、これを機に武器も新調しちゃおう!」
「じゃあ、今から素材を出しますので、それで武器を作ってもいいですか?」
「おういいぞ!どーんと任せな!」
と、行ってきたので、取り敢えずはこれぐらいにしておくか……
・ウルトラアルミラージの角と牙
・カトブレパスの角
・オルトロスの牙
・マンティコアの毒針と牙
・レッドオークの牙
・スカーレットサーペントの牙
・ツインコブラの牙
・オークの牙
・カルキノスの甲羅
「お、おう……えらいもんでてきたな……どれもこれも高ランクの魔物素材ばっかじゃねぇか……」
「えっと……ダメでした?」
「ダメってわけじゃねぇが、いやむしろ感謝だな。『スカーレットサーペント』や『レッドオーク』はもちろん『ウルトラアルミラージ』なんて久しぶりに見たぞ!こりゃ相当お客さんの容貌に応えないとな!!買い取りは、全部出来上がってからでいいか?」
「はい、大丈夫です」
「そうかい。じゃあ三日後ぐらいに様子見で来てくれ。そん時に買い取り金をだすぜ」
そうして、おすすめを紹介した店を出た後、次にどうするか考える。
「次は……」
『ここはダンジョンだろう』
「いや、ダンジョンは後でにしてくれない?今からだと時間がかかるし……」
『むっ……まあいい。どうせ三日も待つのだ、ダンジョンはその間に行ける』
「はいはい……次どうしますガーネットさん?」
「ここはやっぱり……『風呂屋』に行くわ!」
「ということは浴槽を買うんですね」
「そうね。うふふ……楽しみだわ!」
と、ガーネットさんがニコニコと笑顔を作る。
相当楽しみなんだな……
歩いて数分、そこには『風呂店 ソープ』と書かれていた店があった。いざ中へ入ると、そこには大きい浴槽が、並べられていた。
「うっひょー!すげぇ数!これ全部が浴槽なのか!!」
「はい!当店ではさまざまな浴槽、石鹸などを取り揃えております!ささ……ギンロウ様はこちらに」
『うむ』
と、店長らしき人が、銀瓏に豪華なソファーを差し出し、そこで寛ぐ。
何かすみません……
「そういえば、ここのお風呂ってどんな仕組みなんですか?」
「よくぞ聞いてくれました!浴槽はいわば魔力、魔石を動力に湯を暖めているんですよ!」
「『魔石』?」
『魔結晶』とは違うのかな?
「『魔石』とは……所謂『属性の魔力が詰まった石』のことで、魔法使いがそこら辺の石を魔力を詰め込ませて作られた石なのですよ。動力時間が長ければ長いほど、高価となっております」
「へー、そうなんですね」
『俺くらいなら、三年でも動力になる魔石なら作れるぞ』
「えっ、三年!?凄っ………」
「それくらいですと、大きさによりますが買い取りは30万ぐらいになりますね」
「そんなに!?」
やっぱり魔道具って高価な物なんだな……
「取り敢えず……ガーネットさんは何がいいか決めました?」
「そうね……銀瓏も洗わなくちゃいけないでしょ?………あっ、これなら良さそうじゃない!」
ガーネットさんが指したのは、横約3m、縦約5m、高さ約1mの白みのある浴槽があった。
何か貴族が入りそうな浴槽だな……
「おぉ!!お目が高い……それは我が鍛冶士が丹精込めて作り上げた逸品!側面の彫り物がとてもクールで人気なんですよ!今ならお値段『500万G』となります!!」
うわっ!?高っ!?そんなにすんの!?
「よし!買います!!」
「毎度ありがとうございます!!」
即決!?いくらアダマンタイトのGがあるとはいえ、即決すぎない!?
「いいのいいの。こういうのは出し惜しみしないのよ!ふふふ……」
『何か怖いぞ……ガーネット』
と、怪しげな笑みに流石の銀瓏は引いた。
うわ~怖ぇ~……やっぱりガーネットさん、美容に拘る人なんだな………ん?美容?………そうだ。
「あの、ガーネットさん。お風呂ついでに試したいことがあるんですが……」
「え?」
丁度、俺も体洗いたいのに使いたいから良いよな!
俺達は、浴槽を買ったあと、早速宿に泊まって、庭でやってみることにした。




