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異世界で錬金術の現代風メシ  作者: yex
パシフィスト編

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第二十四術 やっと着いた!!貿易都市『トランザ』!!

翌朝―――

気持ちのいい目覚めとともに、俺はさっそく朝食の準備を始めた。

今日のメニューは、コカトリスの照り焼きを挟んだ『照り焼きサンド』と、昨夜の残りの唐揚げを使った『唐揚げサンド』。それに温かいコンソメスープを添える。


「ハムッ……ん~!美味しいです!このコカトリスに絡んだタレが合います!」

「照り焼きと言って、特に鳥系に使うと美味しいんですよ」

「ハムッ……肉もそうだが、パンもいい……柔らかく、味も美味しい……確かにギンロウ殿が『契約獣』になるのも頷く……」

『ふんっ!そうだろう!』

「なんでお前が偉そうに言うんだよ……」

「このスープ、美味しいですね……今まで飲んだことのない味です」

「それはコンソメって言って鳥や野菜を煮込み続けたもので作ったやつです」

「やっぱりコンソメって旨いよね~朝に丁度いい味付けだし」


そんな風に賑やかな朝食を楽しんだあと、俺たちは出発の準備を整えた。


「サチ様は、どこまで行くのですか?」


マスカが尋ねてくる。


「俺たちは『トランザ』に寄る予定です」

「丁度いいです!私たちも『トランザ』に寄ってから『王都』へ帰る予定なんです。よろしければご一緒しませんか?」

「そうなんですね!こちらこそよろしくお願いします」

「ええ!」


こうして俺たちは、トランザまでの道のりをマスカたちと共に進むことになった。

移動中、マスカは念願だったらしく、銀瓏の背中に乗せてもらって大はしゃぎしていた。銀瓏も満更ではないらしく、自分がこれまで戦った魔物の話を得意げに語っている。

……途中で聞こえてきた魔物の名前がやたら物騒だった気がするが、深く考えないことにした。


―――長かった旅路の果てに、ついに巨大な城壁都市が姿を現す……


貿易都市 『トランザ』


様々な国から商人が集まる、この地方最大級の交易都市だ。

入門手続きを済ませ、俺たちは街の中へと足を踏み入れた。


「では、俺たちはギルドへ行きますのでここで解散ですね」

「はい、私たちは山賊たちを引き渡してきますので、またいつか会いましょう!」

「ばいばーい!マスカちゃん!また一緒に話し合いましょう!」

『ふんっ、まっ退屈しのぎにはなったぞ』

「ふふ……ではお元気で♪」


そう言って俺たちは手を振り、ギルドへ向かう。


「……よろしかったのですか?王女様。恐らくはあのパーティ、バロン殿が言っていた人たちですが……それに偽(・)名(・)まで使って……」

「ふふ、いいのです。それに折角の出来たお(・)友(・)達(・)なので、色んな貴族からちょっかいをしないようにするのは当然です」

「にしても、美味しかったですね……あー……あの味を知ったらもう戻れないだろうな……」

「それなんですが……」

「?」

「実は、私も勝手ながらサチ殿に唐揚げのレシピを聞きに行ったが、こういう色々な調味料を買い取らせましたので、いつでもあの味や他の味が食べられます」

「本当ですか!それで、何Gだったんですか?」

「5000Gです」

「成程……確かにあの味ですから、一つでそこまでは妥当なGですね」

「違います王女様」

「?」

「こ(・)れ(・)全(・)部(・)で(・)5000Gです」

「えっ」

「えっ」

「「「……」」」

「サチ様、本当にすごい方なんですね……神剣もそうですが……」

「これでCランクは詐欺かと……」

「ひぇ……無知って恐ろしい……」


◆


ギルドへ到着した俺たちは事情を説明し、ギルドマスターの部屋へ案内される。


「よく来たね!私はここのギルドマスター『ギャリック』だ!よろしく頼むよ!!」『元Sランク冒険者 剛腕のギャリック・トランザ』


現れたのは、真っ赤な肌に巨大な角を持つ女性だった……

その体格は人化した銀瓏にも匹敵するほど大きい。


「もしかして……『鬼(オーガ)』ですか?」

「ん?ああ、そうだい。私は『亜人』の『鬼(オーガ)族』だ。もしかしてあんた、初めて見る感じか?」

「あ、はい。そうです」

「ははは!この国じゃ別に珍しくないよ!ここは奴隷とかそういった暗い話はないからね!」


豪快に笑うギャリックさん……見るからに肝の据わった人物だ。


「あのそれで……依頼があると聞いたんですが……」

「ああ!保留続きの依頼があったから頼みたい!―――と言いたいところなんだけど……」

「「?」」


なぜか申し訳なさそうな顔をする……何かあったのか?

ギャリックさんがなにがあったか聞いてみると……


「ええ!?もう討伐済み!?」

「そうだい。実は一昨日前ぐらいだったか?沼地で暴れていた魔物が急にぱたんと音沙汰なしで消えちまってだな……」

「何か見た人は?」

「さぁ~調査に来た人から確認したがその時はもうもの家のからって感じだったんだよな……」


ん~一気に消えたってのが妙だな……


「ところで、討伐予定の魔物って 何だったんですか?」

「ん?あ~、どれもAランクでな、中々厄介な魔物だよ。確か……『沼ウツボ』、『Q・ビー』、『ブラック・クロコダイル』の三つだ!!いやーどれもこれも強敵な魔物だから、いなくなって良かったよ!」


ん~何だろうな……その魔物の名前、最近聞いたような……


「ねぇもしかしてあの銀瓏が取ってきた魔物って……」

「いやまさか……まさかまさか……」


俺は信じないぞ。あれらが討伐対象の魔物だって!銀瓏が沼地に行ったて言ったら信じるしかないけど!


「あのちょっとすいません銀瓏ちゃーん……」

『なんだ?』

「ロックマウンテンにいた時、遠出したっていていたけど、そこって沼地じゃないよな?」

『あ?……あーそうだな、Aランクの魔物は沼地で狩ってきたのだったな』

「はい犯人確定ーっ!!」


思わず頭を抱えた。

どうやら依頼対象を片っ端から食材にしていたらしい……


「あのちょっといいですかギャリックさん」

「ん?なんだい?」

「討伐予定の魔物ってもしかして……この魔物ですか?」

「はい」ヌッ

『『『―――』』』

「うおぉぉ!?」


ガーネットさんがアイテムボックスから三体の魔物を取り出すと、ギャリックさんが目が仰天する。


「おいおいマジかよ……まさか、倒したのがあんたらだったとは……」

「いや、実際に行ったのは銀瓏なんですけどね……」

「はっはっはっ!聞いた通り、面白いパーティだな!」


と、ギャリックさんが豪快に大笑いする。

あ、そうだついでに……


「あのギャリックさん。ついでと言っては何ですが、実ははぐれダンジョンを制覇しまして、ドロップ品を見てほしいのですが……」

「はぐれダンジョン!?まさかこの街の道なりにあるあのダンジョンか!?」

「はい……」

「おいおいおいおいおい!!」


机を叩いて立ち上がるギャリックさん。


「こりゃマジかよ……何年も依頼で出していた制覇・踏破がもう完了していたなんて……は、ははは……はっはっはっ!!もう笑うしかねぇよ!!」


この人笑いすぎだな……腹筋大丈夫?


「よしわかった!!なんなら見せてもらうぜ、そのドロップ品をよぉ!!」

「あ、はい分かりました」


そういうことで、ギャリックさんにこれまで取ってきたドロップ品を一通り確認した後、『う゛-ん゛……』とうなり声をあげる。


「おいおい……いくら何でもやばい代物ばっかじゃねぇか……Aランクはともかく、Sランクの素材まで……」


ムーンビーストの素材を指差す。


「この三つだけでギルドの金額が傾くぞ?」

「うえぇぇ!?そんなに」

「あったりめぇよ。Sランクの魔物と言えば、各国王同士が熱い競りが行われるくらいの代物だ。この三セットで1800万以上飛ぶぞ」

「一つにつき600万……ええ……やばっ……」

「はっはっはっ!主がこんなんじゃ大変だな!安心しな。この素材の買い取りは私が責任もって貴族たちに高値で引っぱたいてやんよ!あと、それと……サチ、お前は『Bランク』に昇格させる」

「えっ……えぇっ!?」


もうBランク!?早すぎ!?


「はっはっはっ!そりゃそうだろ!依頼出す前に解決と長年のはぐれダンジョン攻略したのにCランクはあり得ないだろ!」


ぐうの音も出ない。


「……あっそうだ」

「?」

「どうせなら、他の素材で何か職人たちに作ってもらえよ。Aランクの素材があるんだ、高級店に出せばお得意様でいい値で見作ってもらうぜ?」

「え?そんなのができるんですか?」

「ああ、本当なら基(・)本(・)的(・)にあんまりよくないがな。」


ギャリックさんは腕を組む。


「何故なら、冒険者を下手にみて、価値が分からないことを良い事に通常価格以下で買い取る馬鹿やもぐりがいるからな……でも、この街なら安心だ!何故なら、私(・)が(・)確(・)認(・)済(・)み(・)の(・)商(・)人(・)だ(・)け(・)だからな!ちゃんと適性価格で買い取ってくれるさ!」


そうなのか、他の街でそういうことがあるかもしれないし、覚えておこう……


「そんなに不安なら、私直々がおすすめする店を書いてやろうか?それなら安心だろ!」

「えっいいんですか!!」

「ああいいさ!なんせ、こんな大物持ってんだ、言わなきゃあいつらに損だろ!大丈夫!いい仕事をするさ!」


ギャリックさんは豪快に笑った。


「あ、ありがとうございます!」

「おう!……あっそうだ、ダンジョンを攻略したんなら……この街のダンジョンを攻略してみるか?」

『ダンジョン!!ここにもあるのか!』


銀瓏が子犬のようにはしゃぎ始める。本当にこいつはダンジョンが好きだな……


「ああ、誰もまだ制覇していないって言われてるからな……私も行ってみたが、精々踏破までしかできなかったよ……」

「えっ!?言ったことあるんですか!?」

「ああ、あそこは三十階層で、あそこはAランクの『ゼパル』っていう鎧の魔物だ。当時の私では勝ち取ることができなかったからな……鎧の一部を強奪して脱出したもんだ」


ギャリックさんは苦笑した。


「へー……強かったんですね」

「おうよ!まっあんたらなら楽勝だろうがな!はっはっはっ!」

「ははは……」


と、俺は苦笑いで茶を濁す。どうせまた銀瓏無双になる気しかしない。

そんなことを思いながら、俺たちはSランク素材の査定が終わるまでの間、ギャリックさんおすすめの店へ向かうことにしたのだった。



~種族紹介~

人間 世界の7割がいる種族

獣人 犬や猫、動物の姿をしている。人と獣の割合がバラバラ。

亜人 別名『魔族』。魔物の血があるが別の存在。エルフやドワーフの他に鬼(オーガ)、吸血鬼(ヴァンパイア)、小鬼(グレムリン)などいる


ちなみにルーシーが買い取った調味料は

色んな唐揚げ粉×20

照り焼きのタレ×10

コンソメの元(一箱8袋)×10

だぞ!

後に王都の料理人たちが、この価格を聞いて頭を抱えることになるのは秘密だ。

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