第十九術 寄り道にダンジョン
朝を迎え、軽めの朝食をとった俺たちは、寄り道にダンジョンへ向かうことにした。
『うむ!さぁダンジョンへ向かうぞ!』
「はいはい……銀瓏は元気だな……ところで、このダンジョンって何回まであるんですか?」
「噂だと、二十階ぐらいあるんじゃないかって言われているわね」
『ふん、どうせ道中は雑魚ばっかだろうな……なら、爆速で攻略するぞ!』
と、銀瓏は翼を羽ばたかせ、ダンジョンの洞窟へ入る。
って……あいつ、勝手に入って……
「俺たちも行きましょうか」
「だね」
俺たちは銀瓏の後を追うようにダンジョンへ入っていった。
【はぐれダンジョン 一階】
洞窟の奥へと進む俺たちにガーネットさんはふと、俺の手に持っているものに気づく。
「ねぇ、幸。その手に持っているのってなに?」
「ん?ああ、これは鉱山でアダマンタイトを手に入れましたよね?それを棒状に作った俺専用の武器なんですよ!」
『錬成』を使えば、剣や槍にこん棒など幅広い武器が作れるし、状況に合わせて戦える!しかも威力も申し分ない!
『アダマンタイトは、あのドラゴン種の身体を切れると言われた鉱石だ。その武器なら、ここのダンジョンの敵は楽勝だろうな』
「マジで!?……ということは銀瓏も?」
『ふん、いくらアダマンタイトといえど、そこらのなまくらじゃ俺の鱗は削れん』
「さすが二つ名……ステータスもチート級だもんな……」
『それよりも―――くるぞ』
「え?」
すると、奥から蛇のような魔物が多数現われる。
うおぁぁ!?いっぱいいるぅ!?
『『ポイズンサーペント』か……Cランクの魔物のようだな』
「『ポイズン』!?ということはこいつ毒あんの!?」
『ああ、ただ精々身動きが取れないぐらいの毒だが、Bランクでも効き目があるが―――なぁ!!』
―――ズパァァァンッ!!
と、一瞬でポイズンサーペントを切り刻む、す、すごすぎ……
『キシャーー!!』
「うぉぉぉ!?こっち来た!?―――この……くんなぁ!!『錬成』!!」
―――ズバンッ!
俺は咄嗟にアダマンタイトを剣に錬成させ、剣の刀身を伸ばして、中距離でポイズンサーペントを二・三体切り倒す!
すげぇ切れ味……
「うわすごっ!?剣が伸びた!?」
『ほーう、やるではないか。やはり実践で力が出るタイプだな』
「これならいくら来ても―――」
『キシャァァァッ!!』×20匹
すんません!!やっぱウソです!!あの大群で突っ込むの無理です!!
『むぅあ!!』
―――ドコォォォッ!!
銀瓏が火球で20匹いたポイズンサーペントを焼き殺す……ひぇ~……
「あれだけいたポイズンサーペントを一瞬で……」
「流石。というしかないわね……」
『……この階層の敵はこれで最後だな。次に進むぞ』
ポイズンサーペントを倒した俺たちは (ほぼ銀瓏が倒したけど……)次の階層へ進む。
……頼むから、次はCランク以下の魔物でお願いします。
【はぐれダンジョン 二~五階】
二~五階はトラップだらけだ。弓矢や落とし穴など人工的なものや下から槍が襲って来たりなんか……殺意高くね?
「し……死ぬかと思った……ガーネットさんの結界がなければ死んでた……」
『この程度のトラップは俺には効かん』
「うーん……」
「ガーネットさん?」
そんなに唸ってどうしたんだ?なんかこのダンジョンに違和感が?
「いやね……聞いていた話と今の難易度が全然かみ合っていないなって……」
「え?そうなの?」
「ええ、トラップはあんな数があるって報告には聞いてないし、道中はD~Fが確認したんだけど、Cランクぐらいしか魔物がいないし……やはり、あれが関係しているのかな?」
「あれ?」
なんだろう……ガーネットさんがアレっていうと嫌な予感しかしない……
「ダンジョンはね、月日が経てば経つほど、魔物の魔力が高まる性質を持つの。踏破や制覇すればそれなりに力は弱まるけど……ここは踏破すらしていないから、魔物の力も相当強くなっているわね……」
「マジですか?」
やっぱりダンジョンって怖い……
『このまま行けばAランク以上の魔物と会いそうだな』
「え゛っ!?か、帰りてぇ……」
『何を言う。Aランクへ行けばより美味しい肉とかが食えるだろうが!』
こいつ……飯のことしか考えてねぇ……
『お前にはアダマンタイトの武器があるだろうに……』
「仕方ないよ。本来なら魔賢者か魔法士、A・Sランク冒険者に任せるレベルだから、魔導士の私となりたてのCランクの幸じゃ不安しかないよ」
『俺がいるだろう。俺にとっては大したことない……次に行くぞ』
そう言い、銀瓏は先に進む。たっく、本当に自信過剰なんだから……
【はぐれダンジョン 六~十階】
「はぁはぁ……もう無理……帰りたい……」チーン……
『情けない奴め……』
「いや流石に多すぎでしょあの数は……」
六階からチェックエリアの十階までは、魔物の大群が襲われた……
どれぐらいいたかというと――
【六階】
キルスパイダー Bランク ×10匹
【七階】
プチバット Dランク ×50匹
【八階】
オーク Cランク ×30匹
【九階】
ツインコブラ Bランク ×1匹
という感じだった……Dランクでも50匹は多すぎる……夢に出てきそうだ……
こんな時は、飯を食べて気分転換だ!!旨い飯を食えば嫌なことは吹っ飛ぶ!!
「今日は……前にオーク肉を味噌に付け込んで準備したヤツで行くか!」
焼くだけだから簡単だし、ついでに味噌汁とご飯も作るか……
味噌が焦げないように気を付けて、キャベルーツを敷いて弱火で蒸し焼きにする。
いい感じにできたら、肉を切って一緒に蒸したキャベツルーツを添えたら……
完成!『オーク肉のみそ焼き定食』!!
「うわぁー!いい匂い!!」
『うおっほぉ!来たか!』
では早速、いただきまーす!―――
――ジャクッ!
んー!!うめぇ~!みそに付け込んだオーク肉に味噌汁と一緒に食べるのうめ~!
味噌の焼いた香ばしさにホカホカの白米と合う~……やっぱ米はいいな!
『んむ!この味噌とやらに付け込んだ肉が香ばしくてご飯が進むぞ!』
「味噌ってこんな使い方があるなんてね~!それに肉と一緒に焼いたキャベルーツも旨いわ!幸せ~……」
『――お代わり!!』
「はいはい」
初めて自分で付け込んだものだけど喜んで貰って何よりだ……いつもなら、市販で付け込んだやつでやってたからな……
と、感心しながらバクバクと食べ進め、少し休憩した後、次の階層に進もうとするが……階段が見当たらない。
「あれ?階段が見当たらないな……」
「……あっ!ねぇみて、あそこに『転送石』が置いてあるよ」
「『転送石』?」
「『転送石』はダンジョンにしかない石で、そこで魔力を込めると次の階層へ行くの」
「へーそうなんですね」
「ただ、何処に着くのか完全にランダムで気を引き締めないとダメだからね」
「マジか……気を付けよう……」
ということは前以上な強敵がいるってこと?……うへー帰りたくなってきた……
まぁ考えても仕方ないし、行くしかないか……
「魔力を送ると魔法陣が展開するから外に出ないでね」
「わ、分かりました……」
ガーネットさんが魔力を流すと、『転送石』の周りに大きめの魔法陣が展開され、光り出す。
うおっマブシッ――
―――ピシュンッ
―――――
「……ん?―――え?」
着いた先は、見渡す限りの森、森、森……ジャングルのような階層だった。
「うそ……こんな場所に着いた……」
『ほう、森林エリアか……久しぶりに来たな』
「なっなっ……なんじゃこりゃぁぁぁぁっ!?」
―――ピィーチチチッ……
俺の絶叫で小鳥が羽ばたいた音が聞こえた……なんでダンジョンに森林があんだよぉぉぉぉっ!?
魔法には
炎・水・氷・雷・草・無・風・土の属性や聖の力と呪の力もあるぞ




