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異世界で錬金術の現代風メシ  作者: yex
パシフィスト編

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19/65

第十七術 孤独の楽しみと偶には晩酌

翌朝。


朝食を済ませると、銀瓏は『腹を空かせて帰ってくる』と言い残して狩りへ出掛け、ガーネットは部屋に籠もって魔法研究を始めた。

そして俺はというと――


「はいよ!これが『トロール』の肉よ!持ってけ!」

「ありがとうございます!」


解体屋で受け取ったのは、大量のトロール肉と解体料の差し引き分の報酬だ。

店主は腕を組みながらニヤリと笑う。


「しっかし、トロールの解体なんて何年ぶりだ?久しぶりに腕がなったぜ!」

「そ、それはどうも……」

「そういえばさっき聞いたぜ?あのドラゴン、たしかギンロウだったか?狩りに出かけたらしいじゃねぇか。そこに高ランクがいたら解体してみたいぜ」


と、まだまだやる気な感じで話してきた。

……あり得そうなのが困る。

銀瓏はどこからかB・Aランクの魔物を取ってきそうだからありそうなんだよな……


あの後、肉とGを受け取った後、プラプラとこの町を探索する……そうだ!

ロックマウンテンは鉱石の街。なら、食器とか家具とか、良い物があるんじゃないか?

そう思って歩いていると、丁度探していた店があったので入ってみる。


「すみませーん」

「いらっしゃいませ――って、あなたは!」


 受付の女性が目を丸くする。


「もしかして『自由の食旅(スローイーター)』の方ですか!?」

「え、はいそうですが……」

「ありがとうございます! おかげで街が活気づいたんですよ! うちの旦那も『久しぶりに良い鉱石が加工できる!』って張り切ってます!」

「へ、へーそうなんですか……」


もう、街の噂になってる……まだ一日も経ってないのに……


「あ、あの食器はありますかね?」

「ええ、ありますよ。では案内しますのでじっくり見てってください!」


そう言い、受付の人に案内される……うわー凄い数の食器だ……色々あるな。

木製、鉄製、銀製……そして――。


「……おっ、すげぇ『アダマンタイト製』のフォークやスプーン、ナイフもあるな……で値段は―――」


アダマンタイト製食器具三セット 30万G


うわ高っ!?流石は世界最高峰の鉱石……アダマンタイトだからかな。

でも多分、二人しか使わないし、買おうかな。

でー他には……おっカセットコンロだ!いや、これよく見ると『魔コンロ』って書いてある……魔力で動くのか?

で、値段が―――


魔コンロ 10万G


うむ……高い……でも、これ便利だな。今までは簡易的な竈で作っていたから、火力調整が楽になるのはいいな……どうせ、トロール分のGと後にアダマンタイトの買い取り金も出てくるし……買っちまうか!!


「すみません、この商品をください!」

「はい、かしこまりました……合計で『80万G』になります―――が……」

「が?」

「今回は()()()半額で『40万G』でお売りします」

「ええ!?半額ですか!?」

「はい!なぜなら、この街の危機を救ったのですよ?サービスだと思って受け取ってください」

「そ、そうですか……」


気前がいいな……それだけ、あの鉱山は生活の泉だったんだな……


「ですが、次回の買い物は通常価格で行いますけどね」

「はい、それは分かりました。では、どうぞ『40万G』です」

「……はい、確かに受け取りました。では商品をどうぞ」

「ありがとうございます。ではまた」

「はい、またのお越しを~!」


思わぬ大盤振る舞いに驚きつつも、俺は40万Gを支払い、商品を受け取った。

いやぁ……良い買い物した。

その後も街を回り、折り畳み式のテーブルや調理器具などを購入。

――気が付けば昼になっていた。


目的のテーブルも買えたし、食器もいい感じに買えたな……しかも、このテーブル高さも変えられる代物なんだよな~!――っともうお昼ごろだし、1人だけだからいい物食べるぞ~


そう思い、宿屋の庭でバックからテーブルを取り出し、設置する。

等価交換(カタログ)』で今日の昼飯を食べるものを決める。


「夜は作るから、今日はせっかくだし、一人飯を楽しむか……」


テーブルに腰掛け、『等価交換(カタログ)』を開く。

画面をスクロールしていると――


「どれにしようか……おっ!『ハンバーガー』か……しかもこれ、ポテトもついてる!これにしようか!」


久しぶりのハンバーガー……くー美味しそうだな~!


『牛肉100%ハンバーガー。フライドポテト付き』一個

【お支払い】

パン×1

肉類 (牛)×1

トマト×1

レタス×1

ジャガイモ×1

or

MP 500


そういえば、確かジャガイモに似た『ジャンガ』とトマトに似た『マトマ』があったけど……別でいけるのか?

そう思い、試しにジャンガとマトマと黒パンを入れてみると……


【お支払い】

パン×0

肉類 (牛)×1

トマト×0

レタス×1

ジャガイモ×0

or

MP 380


おっMP減ったぞ!へー個別にすれば消費するMPも少なるなるのか……これは基本的に材料を買わなければいけないな……

取り敢えず俺は、残りを【MC】から支払う。すると、テーブルから魔法陣が展開し、紙袋が現れる。


「おー!!まんまお店っぽいな!どれどれ……」


紙袋を開くと、揚げたてのポテトと香ばしい牛肉の匂いが鼻に来る……うわーうまそう!!


「ではでは……いただきまーす!」


――ガブッ!


「っ!?」


んっ!!―――うっまぁぁ!!何これ!旨!!久しぶりに食べるハンバーガーだけど、旨ッ!!肉の味と新鮮な野菜が口の中で噛みしめば噛みしめるほど旨っ~……ポテトも焼き立てだからサクサクして旨~!

それにしても……


「懐かしいなぁ……」


元の世界でも他のバーガー店で食べていたな……

でも、これはその何倍も美味しい。


「ふぅ~……美味しかった……こりゃいいな『等価交換』……あ、そうだ。時間もあるし、ガーシュ様にお供えするか……」


ガーシュ様、甘い物好きだから、絶対興奮するだろうな……


「あー、ガーシュ様。どうぞお納めください。今回は『イチゴのショートケーキ』と『チョコレートケーキ』を用意していますので、どうか俺に加護をお願いします」


――『うむ!感心なのだ!かなり甘いと聞いているから楽しみなのだ!』


と、今ガーシュ様の声が響いたと同時に、ケーキがふわりと浮き上がり、光に包まれて消えていった。

……相変わらず反応が早い。どれだけ甘い物好きなんだ、あの神様。


「……さて、そろそろ銀瓏が帰ってくるから、迎える準備でもしておくか……」


銀瓏のやつ、調子乗って狩りすぎないようにしろよ……



「あ、ああ……」

「おいこれ……」

「すげぇ光景だ……」



夕暮れ頃、やっと帰ってきた銀瓏を迎えたが―――

宿の前で、門番たちが揃って絶句していた。俺も同じ顔をしている。

なぜなら――


『』バァァァァンッ!!


銀瓏の後ろに、山のような魔物の死体が積み上がっていたからだ。


『すまん、楽しみ過ぎて狩りすぎた』

「お、お、おま、お前、何やってんだお前ぇ!!」


狩りすぎたじゃねぇんだよ!!量がおかしい!!前のキノコ狩りの比じゃないぞ!!


『だ、だがな……全部Bランク以上の魔物しか……』

「だとしても多いんでだよ!?つーかなんでBランク以上の魔物がゴロゴロいんだよ!?ここ低レベルの国だろ!?」

『それはまぁ……少し遠出をだな……』

「遠出」


遠出ってレベルじゃねぇ!

なんでこんな大量の魔物を狩って来たんだよ……多分絶対、依頼内容のもんまで狩ってない?

取り敢えずガーネットさんに報告するか……


「う、うわぁ……随分とまた狩ってきたね……」


うん、流石の量にガーネットさんは引いていた。

ガーネットさんが鑑定でみた情報をまとめると……

・『スピアーラビット』Bランク×5匹

・『ブラック・クロコダイル』Aランク×1匹

・『Q(クイーン)・ビー』Aランク×1匹

・『グリーンサーペント』Bランク×2匹

・『沼ウツボ』Aランク×1匹

・『クイック・ホーク』Bランク×1匹

・『ストロベリースネーク』Bランク×1匹

だった……つーかこれ全部解体しなきゃダメだろ?


「はーっ……解体は少なめにして、次の街に全部解体するか……」


全部解体とか無理だろ……そう思っていると――


「その心配は必要ないよ幸!」

「え?」


ガーネットさんが胸を張った。

なんだ?何か策があるのか?


「ふふふ……( *´艸`)実は私、レベルが上がったおかげでなんと!『Bランク』以下の魔物を解体できるようになったの!」

『なんと!』

「おお!それは凄い……」

「Aランクはまだ先だけど、取り敢えず、Bランクの魔物全部『解体魔法(ブッチャリング)』で解体するわ」

「ありがとうございますガーネットさん!じゃあ早速お願いします!」


おぉ救世主だ!

ということで、Aランク魔物は一旦、『マジックボックス』へしまい、Bランク魔物は解体するのだった。

それを見ていた門番二人は……


「なんか……凄いなあのパーティ……」

「だな……俺、『ブラック・クロコダイル』なんて初めて見た……」


と、ぽかんと口を開けて解体を見つめていた……

まぁ気持ちは分かる。うん。

なんなら俺も若干引いてる。


そうして、解体し終わった後、銀瓏が腹が減ったといってきた。

確かに銀瓏はお昼食べてないからな……早めの夕食にするか。俺はそんなに食べないから……今日は晩酌しよう!


今日は解体したての肉で焼き鳥にするか……丁度、『等価交換』で酒類もあったし……たまには晩酌もいいだろう。


まずは肉を一口サイズに切って、串に刺す。


『ん?それは、前に食べた串焼きか……今日はそれか』

「ああ、しかも今日はそれに合う酒を飲もうと思っているんだ」

「酒!いいねいいね!幸の世界の酒は美味しかったし、期待大だよ!」


ガーネットさんの目が輝く。


『俺は酒はあんまり好かんが……』

「そう言うと思って、アルコール度数が少ない酒も頼むから、安心しろよ」

『むぅ……』


刺した肉を焼いて、半分は塩、もう半分はタレをかけて……いい感じに焼いたら完成!

ジャーン!『魔物の色々焼き (塩・タレ)』!


それと……『ハイボール缶』と、『カシスとオレンジのサワー』、『メロンサワー』……と。

よし、こんなもんか!


「ほら、出来たぞ!」

「わー来た来た!」

『おお!やっとか!』

「よし、じゃあ揃ったことだし……」

『いただきまーす!』


――カリッ!


「んー!旨い!兎肉うめぇ~!」

「この鳥、塩でもいけるわね!」

『うむ、旨い!グリーンサーペントの肉も絶品だ!』


と、二人とも好評のようだ。

やっぱり串焼きっていいな。簡単で美味しいし。

さて、そんな料理に合うのはやっぱり―――


「はいドンっ!『ハイボール』!……どうぞガーネットさん。これ飲んでください」


ハイボールを差し出す。


「来た来た……ではさっそく―――」


――カチャ、プシュー!


「っ!いい香り~爽やかなレモンの香りがするわ……どれどれ味は……っ!」


ガーネットさんが『ハイボール』を一口飲んだ瞬間、ゴクゴクと飲み始め、飲み終わった瞬間満足そうな顔を浮かべる。


「―――ぷはぁー!!」

「どうです?」

「なにこれ!?旨すぎでしょ!!コクもいいし、口の中がさっぱりするわ!」


ハイボールを飲み干したガーネットさんは目を輝かせながら叫ぶ。


『そんなにか……』

「はい、銀瓏。お前は『カシスとオレンジのサワー』な。度数3%だから酒が苦手な人でも飲めるぞ」

『ほう……どれどれ?』ペロ


コップに注いだサワーを銀瓏に渡し、そのコップを見つめている銀瓏はペロっと酒を試しに舐めると、表情が変わる。


『んおっ!?な、なんだこれは!んっんっ……シュワシュワした舌ざわりにフルーツの酸味と甘さが舌の中で感じるぞ!これなら俺でも飲めるな!』

「炭酸だからな。気に入って良かった……俺は『メロンサワー』を飲むとしようかな。ンッンッ……っはー甘くて美味しい~」


酒を飲みながら、串焼きを食べるなんて絶品だな~!

そして、数分の内に串焼きが完食し、ガーネットさんがいつも以上に出来上がっていた。


「うへへへへへ……」

『こいつ、『ハイボール』二本でダウンしたぞ』

「それだけ美味しかったんだろうな」


あの後片付けして、酔いつぶれたガーネットさんを宿のベットまで運んで、俺は自分のベットまで行って寝始める……あー今日は良い収穫もできたし、明日はそろそろ次の街へ向かう準備だ。


でも――


こうして、のんびり過ごす日も悪くない。

そんなことを思いながら、俺は静かに眠りにつくのだった。

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