第十四術 到着、ロックマウンテン
鉱山から歩いて約一時間……ようやく街の壁が見えてきた。あれが『ロックマウンテン』か……
「あれが『ロックマウンテン』か……凄いゴツゴツしてるな」
「『ロックマウンテン』は鉱山から取れる宝石が有名なのよ。特に、この鉱山あの三大レア鉱石『アダマンタイト』が取れる場所よ」
「マジで!?こんな序盤の国にレア鉱石あるのかよ……」
そんなこと言っている合間に門番の方へ向かうと、止められる。
「待て!そこの冒険者よ!……銀色の龍の『契約獣』……もしや、『自由の食旅』の者か?」
「えっと……そうですが……?」
「……」
「……」コクッ
門番たちがアイコンタクトをとると、確認をとる。
「そうでしたか……それでは『ファースト』のギルドマスターから招待状を確認させていただきます」
「あっはい。えーと……どうぞ」
「ありがとうございます……うむ、確認しました。では、『ロックマウンテン』のギルドに案内しますので私について来てください」
「分かりました」
そう言い、門番の案内と共に、ギルドへ案内される。
あ、銀瓏は人獣形態になっているからね。
ギルドに入ると、小柄で髭を蓄えた老人がいた。恐らく、この人がギルドマスターだろう。
「うむ、よく来たな『自由の食旅』よ。わしはこの『ロックマウンテン』のギルドマスター『ガンロック』だ。」『元Sランク 熟練のガンロック・マウンテン』
「こんにちは、ガンロックさん。あの~もしかして『ドワーフ』ですか?」
「ん?そうじゃが?こう見えて昔は腕利きの職人をしながら冒険者をしていたもんだ」
へーやっぱりドワーフなんだ。
腕利きの職人っていうことは何か良いものが作れそうだな……
「まぁ最近は、ギルドの仕事で忙しいから趣味で少し作る程度にしか出来ていないがな……と、そんなことより、バロンから実力のことは聞いておる。そんなおまえ達に頼みたいことがあってだな」
「頼みたいこと?」
「ああ、実は先日あの鉱山に魔物が住み着いていてな……あの魔物達のせいで鉱山へ行けなくなってしまったのだ……この街は見ての通り、鉱山から取れる鉱石で生計をたてている。その鉱石が取れないとなると、この街は廃れる一方だ」
それは一大事な話だな……生活の資源が枯渇してしまうなんて……
「討伐しようにも、高ランクの魔物でな……うちじゃせいぜいCランクぐらいの精鋭しかおらんのだ」
「そうなんですね……ん?高ランク?」
あれ、なんだろう……ついさっきBランクの魔物を倒したような……
「やつは巨大で人以上の高さのこん棒を持ってな……頑丈な体で生半可な武器じゃかなわん………」
巨大……こん棒……ま、まさか……
俺はガーネットさんを見ると、冷や汗でコクりと頷く。
……一回確認しよう。
「あのーガンロックさん、ちょっと良いですか?」
「やはり、難しいか?」
「いえそうではなく……実は確認したいことが……鉱山に偶々通りかかったのですが……」
「?―――っ!?そ、そいつだ!ワシが頼もうとした魔物は!!」
ガーネットさんが『トロール』をひょこっと引っ張り出すと、ガンロックさんが驚愕の表情をして、指を指した。
ああ……やっぱりか……
「まさか依頼を頼む前に仕留めるとは……まったく、大したパーティだわい!」
「は、はは……どうも」
まぁこれ、銀瓏が瞬殺した魔物なんだけどね……
「うむ、予想外に一つ目の依頼が早く完了して良かったわい」
「え?一つ目?」
「ああ、さっき言っただろ?魔物たちのせいで鉱山に入れないと……実は、鉱山に入れなかったのはトロールだけじゃないのだ」
「ええ!?そうなんですか!?」
「そうだ……『アダマンタイトスライム』と言ってな、アダマンタイトを食したせいで進化したスライムでな……見ての通り、体がアダマンタイトで出来ているから生半可な金属じゃ歯が立たない」
「マジで!……銀瓏、いける?」
『アダマンタイトか……多少手こずるが、俺の敵じゃないな』
ほっ……如何やら最悪の事態にはならずに済むな。
「うむ、二つ名の攻撃ならアダマンタイトは壊せるだろうな……それか、同じアダマンタイトの武器があれば倒せるのだがな……」
「アダマンタイトの武器ですか……」
「生憎、鉱山を立ち入り禁止にされているから数が少ないし、かなり高額だ……悪いが、武器の方は貸し出せれない」
「そ、そうですか……」
まぁ銀瓏がいるから最悪の場合、全部任せるけど……
「道中で取れる鉱石は好きに持って帰ってもいい。だから、この二つ目の依頼を受けてもらえないか?」
「分かりました、ガンロックさん。俺たちに任せてください」
「うむ、頼んだぞ!」
そうして、『ロックマウンテン』の二つ目の依頼、『アダマンタイトスライム』の討伐を受けるのだった。
……の前に。
「ガンロックさんの依頼は今日は遅いし、明日に出発だな」
『うむ。そろそろ夕食の時間だからな』
「あのあと、『トロール』の解体も頼んだし、明日は楽しみだね~」
『して……今日は何を食べさせてくれるんだ!』
と、銀瓏が子供の様にはしゃぐ。
そうだな……前に『スカイフィッシュ』って言う魚をゲットしたし、今日はそれにしようかな。
「前に銀瓏が捕った『スカイフィッシュ』で作ろうと思うんだけど……」
『ほう、スカイフィッシュか……あれは生で食ったが中々良かったぞ』
「え、生で行けるの?」
『まあ魚の魔物は俺だと大抵生で行けるが……』
生で行けるなら、刺身も行けるのでは……?
と、そんなことは後々、今はこの魔物を調理することを考えよう。
「……よし、今回は照り焼きにするか」
ぶりの照り焼きとか美味しいもんな……この魚の種別は知らんけど……
まずはスカイフィッシュの切り身を塩をふり、20分おいて、臭みなどをとる!
水で軽く洗い流し水気をとった後、熱したフライパンに油を入れ、スカイフィッシュを投入!!
焼き色がついたら、照り焼きのタレをかけてすこし煮詰めたら……
―――完成!『スカイフィッシュの照り焼き』!
ついでにご飯と『ブラビーズ』で何度も錬金した豆で作った味噌で味噌汁を作っておく。
「できたぞ!」
『おお!やっとか!』
「何このスープ!……ん~いい香り~……」
「味噌汁だよ。魚だとやっぱりこれだよな~……では―――」
『いただきまーす!』
早速、スカイフィッシュの照り焼きをパクッと一口頂く―――っ!!
「うっまーい!やっぱ魚は米とみそ汁だな……」
スカイフィッシュの淡白な白身に濃厚な照り焼きソースが合わさって、ご飯が進む!
「うむ、うまい!!スカイフィッシュの白身に甘くて香ばしい照り焼きが絡んでたまらん!」
「このスープ、『味噌汁』だっけ?このスープの奥深さにすーっと入る豆の匂いがスカイフィッシュと相性抜群!いくらでもいけるわね!!」
と、如何やら二人とも好評らしい……
その後バクバクと喰い進み、照り焼きが無くなった後、満足そうな顔をしながら、明日鉱山に出発するため、各自床へ着くのだった……
この世界の三大レア鉱石
・アダマンタイト
世界一固い鉱石。剣や槍などの物理攻撃のや鎧を作れる。
・ミスリル
魔力の鉱石。杖や魔法を流す防具などの装備が作れる。
・オリハルコン
魔力、硬さ両方の性質をもつ鉱石。軽くて硬い装備が作れる。




