第十三術 神のお告げと鉱山の寄り道
数時間で飛び続け、夕暮れまで日が暮れていたので、降りて、野宿することにした。
夕食を食べている途中ふと、俺はとあることをガーネットさんに聞いた。
「そういえばガーネットさん。神様の存在は聞きましたけど、異世界でよく聞く『加護』ってあるんですか?」
「『加護』?あるわよ」
「本当ですか!?」
「ええ、と言っても創造神の加護は『十年に一人』と言われて、破壊神の加護は『百年に一人いるかいないか』らしいわ」
「そ、そんなに……というか、破壊神の加護とっても貴重なんですね」
百人に1人って……そりゃ関する書類が少ないわけだ……
「まぁしょうがないわ……加護は魔力を扱う者にとってかなり欲しいものよ。それに破壊神は『秩序』を重んじる神よ?むやみやたらに加護は与えず、清き心の持ち主にしか与えられない加護って言われているわ」
「普通逆じゃないですか?」
創造神の方がどちらかというと秩序だと思うが……
「創造神は『自由』を愛する女神よ?二人は対となる存在でもあり、互いを愛しているって見たことがあるわ」
「え?結婚してんの?」
「大体がツーペアでいるからそういう話が聞いたことあるわ」
「へー……神様も色々あるんですね……俺も『加護』が欲しいな……」
「銀瓏がいるのに欲張りね~」
「いやー……俺自身が貧弱だから、こういう時こそ『加護』の存在が要るんだよ……」
『『トライサーペント』に止めを刺した奴が何を言う』
「あれは銀瓏の攻撃で何とかなったからだろ!?」
と、雑談をしたあと、明日に備えて眠ることにした……
『……ふふ』
――――
―――
――
―
――幸よ
「……んんっ」
――幸よ、目覚めるのだ
「……んー」
――幸よ、目覚め……聞いてる?
「……」
――もしもーし?ちょっと?
「……ぐぅ」
――いい加減起きるのだお主ぃ!!
「はいっ!?」
怒鳴り声が聞こえた瞬間、目を開けると、そこには真っ白の空間が支配していた……いやどこぉ!?
――やっと目覚めたか……
「え、ちょ、どこここ!?」
――ここは、お主の意識を特別な空間で引っ張ってきたのだ。安心せい、本体は無事なのだ。
「えっと……あなたは一体?」
――我輩は『ガーシュ』、この世界の創造神と称えられる神なのだ。
「創造神!?」
それってガーネットさんやバロンさんが言っていた女神……まさかここでであうなんて……
「ところで……何用があって自分に?」
――うむ……実はな、お主に我輩の『加護』を少し授けようと考えてな?
「マジで!?」
――うむ……ただしただ『加護』を与えるとは思わないのだ。『加護』を与える代わりに、それ相応の『対価』を払うのだ。
「対価……ですか?」
――そうなのだ。それは……必ず週一に我輩に甘味――じゃなかった、お供え物と感謝の祈りを献上するのだ!それが条件なのだ!
……気のせいか?今甘味って聞こえたような……
「は、ははぁ……それはありがたいですが、具体的にどうすれば?」
――うむ、祭壇は適当でいいのだ。その辺の石ころでもいいのだ。祈りのポーズとか言葉は適当でも大丈夫!大事なのは『気持ち』、我輩に対する感謝の気持ちを送ればいいのだ!!
成程、感謝ね……というか、祭壇とか言葉とか適当なんだな……
「分かりましたガーシュ様、必ず週一にお供え物と感謝の祈りを納めますので、俺に加護の力をください~」
――うむうむ……それでいい。ちなみに最初に献上するのは甘味なのだ!『あんぱん』やら『メロンパン』やらでもいいぞ!!
「……え?」
――というわけで、週一の祈り、忘れないようになのだ!もし忘れたら、神託でお主の耳から直で文句行ってやるのだ!絶対なのだ!!
「いや……ちょっ……」
――起きたら、絶対ぜっーたい甘味をお供えするのだ!!それじゃまたなのだ!!
そう言い、ガーシュ様が強引に切ると、真っ白な世界が崩壊し、どこかに飛ばされる感覚がした。
「―――いやただお前菓子食いたいだけだろォォォォ!!」ガバッ
目が覚めた時には、布団から起き上がっていた……
「ん~なに?どうしたの?」
『……っ、どうした?何か夢にでたのか?』
「……」
取り敢えず、夢で言っていた『加護』を貰うため、ガーシュ様に甘味を作ることにした。
「菓子パンもいいが……どうせなら、新しい菓子を作ってみようか」
「何作るの?」
「実は錬金で試しに作ってみたこの―――『ホットケーキミックス』で簡単どら焼きを作ってみようと思う!」
『『どら焼き』?旨いのか?』
「まあ、『和菓子』だからな。餡子を使ってるから甘いぞ」
「餡子!なにそれ、私も食べてみたい!」
「はいはい、ガーシュ様用にとっとくから朝ごはんのサンドイッチ食べて待ってなさい………」
と、二人にサンドイッチを渡して、腹を満たしておく間に、俺はどら焼きを作る。
ホットケーキミックスは色んな菓子が簡単にできるからな~多く作っても困らないな!
ホットケーキミックスに卵、牛乳 (もどき)、蜂蜜を加えて混ぜる。
混ぜたら、油を引いたフライパンに混ぜた生地を流して大体8cmの大きさの円にしておく。
――プツプツ……
周りがプツプツと気泡ができたらひっくり返して、焼き色を調節。
いい感じに焼けたら、皿にとりだし、何枚か焼いておく……
「よし、こんな感じだな!」
気づけば山盛りの生地が皿を覆い尽くした……ここから仕上げるか……
錬金して作った餡子を生地に塗り、もう一つの生地に被せれば……
―――完成!『簡単どら焼き』!!
完成したどら焼きを早速、皿に盛りつけ、平らな石に置いて、ガーシュ様に祈る。
「創造神ガーシュ様。今日は『和菓子』のどら焼きを作ってみました。中に餡子と餡ホイップの二種がありますので、どうか俺に加護をお与えください……」
―――キラッ!
すると、どら焼きが光だし、上空へ飛び去って行った……
「……飛んでいったって事は俺はもう加護を手に入れたって事かな?」
「ん~……っ!本当だ、一番下に【加護】っていう項目がある」
と、ガーネットさんがステータスを確認していたので、俺も見てみると……
【加護】
・創造神の加護【小】
・自動魔力回復【小】 ・魔力最大値20%UP ・ 魔力成長値UP【小】 ・状態異常無効 ・物質生産効率UP【小】 ・自動回復【小】
と、言う感じになっていた。へー小でも状態異常無効は結構便利だな……というか結構な量だな……
「いいな~……私も加護が欲しかったな……できれば破壊神の……」
「破壊神の?」
「ええ、聞いたところによると、魔法を使う時の威力が上がるからね」
へー、やっぱり違う神だから加護の内容も違うのか……と感心していると、銀瓏がごね出す。
『おい!いい加減その『どら焼』という菓子を寄越せ!もう、神に渡したのだろう!』
「はいはい……ほら、どうぞ」
『おお!これが『どら焼』だな!ハグッ………ん!皮がもちっとしてて、あんことやらの甘さが絶妙にたまらん!!……そしてこっちは乳か?あんこの甘さと乳の濃厚さが合わさってこれも旨いぞ!!』
「あっずるい!!私も!」
「はい。どうぞ」
「わーい!あむっ……ん~!!甘~い……」
初めて出来たどら焼はどうやら二人に好評だな。
こりゃ神様も喜んでくれるに違いないな……おっと俺も食べようっと。
……ん~初めてにしては良い出来だな~お茶が恋しいな……錬金で茶葉作ろ。
そうして、お茶を片手にどら焼を堪能したあと、出発する支度をし、歩き始める。
「あとどれくらいで『ロックマウンテン』ですか?」
『あそこの鉱山が見えるだろ?そこの奥が『ロックマウンテン』だ。大体一時間でつく』
「なら昼頃には着くな……楽しみだなー」
と、鉱山まで進んでいくと……何かドシンドシンって足音がするんだけど……
「……何か、大きな足跡が聞こえませんか?」
「魔物かしらね……気をつけて!」
『………ふん、この魔力──Bランクか、俺の敵ではない』
そんなこと言っていると、鉱山の中から出てきたのは、全身5mぐらいの薄黄色のオーク見たいな屈強そうな魔物がこん棒を持って現れる……でっっっか!?
「なにあの魔物!?」
『ふん、珍しいな……『トロール』か、あいつの肉はオーク以上だ──狩るか……!』
「やる!?ここで!?」
『何を驚いている?所詮はBランク、大したことはない』
「たいしたっておまえ……」
『グォォォォ!!』
うわぁ!?トロールが大きな武器もって襲いかかってきたぁ!?
『───ガァ!!』
──カッチィィンッ!!
と、思ったら銀瓏が一瞬であの巨体を凍らせた。その隙にすかさず、銀瓏は突っ込む。
『砕けろ』
──ドコォォッ!!
四足形態の頭突きで凍っていたトロールが氷だけ砕け、吹っ飛ばし、鉱山へ激突する。
『グ……オォ……』バタン……
たった数秒で俺達が出る幕もなくBランクの『トロール』を仕留めた……は、はやっ……
『よし、肉の確保が出来た……解体が済んだら、『トロール』の料理を楽しみにしているぞ?』
「あっはい」
と、銀瓏が今瞬殺したトロールを解体が済んだらそれを使って作れと言われる……なんだろう、銀瓏がいるお陰か、何かヌルゲーになってない?……うん、一旦忘れよう。
そう心に決め、『トロール』を回収し、『ロックマウンテン』へ向かうのだった……あともう少しで街に着くけど、新しいところはワクワクしちゃうな……!




