第百八術 お肌に優しさを
さてと、早速作っていくわけだが……
今回はそうだな……折角だし、美容にいい料理にするか。
……丁度、美容に気を使っている人たちもいるわけだし。
そう思いつつ、『全知魔書』で検索する。
「えっと……卵、魚、トマト……だいたいこんなものか。で、肝心の料理は―――おっこれなんてどうだ?『鶏肉とかぼちゃのトマト煮』」
肉も入っているし、銀瓏は満足はするだろう。
早速やるか!
カボチャを一口大に切ったものを、フライパンの底にしっかり濡らしたキッチンペーパーを敷いたところへ置く。
蓋をして、中火で加熱し、湯気が出たら極弱火にする。
10分ぐらい蒸して、柔らかくなったら取り出しておく。
玉ねぎは薄切りにし、しめじはほぐす。コカトリスは一口大に切り、塩、小麦粉を振っておく……
フライパンにコカトリスを並べて中火にかけ、焼き色がついたら返し、玉ねぎ、しめじを加えて炒める。
玉ねぎとしめじがしんなりとしたら、トマトの水煮、にんにく、砂糖、コンソメ、水、かぼちゃを加えて混ぜ合わせ、蓋をして中火で煮たら……
――完成!『コカトリスとかぼちゃのトマト煮』!
早速出来た料理を出す。
「おーい、出来たぞ~!」
『『おお!!』』
皆が料理のいい匂いにつられて、こちらへ寄ってくる。
「さて、それじゃあ……」
『『いただきまーす!』』
俺たちは、出来上がった『コカトリスとかぼちゃのトマト煮』を食べ始める。
「……んん!旨い!」
トマトの酸味が溶けだして、カボチャの甘み、鶏肉の旨味が合わさってうめぇ~!
『ふむ……悪くない味だ』
『トマト、カボチャの野菜の美味しさに、鶏肉のジューシーさが合わさり、美味な味です!』
『あるじ~お野菜美味しいよ~!』
「んん~旨い!」
いつものメンバーは美味しいと言ってくれる。
他の二人は……
「んん!これいいわ!美味しい!」
「本当、結構いけるわ~!」
どうやら、二人とも喜んでくれているみたいだ。
「それに、トマトにカボチャ……どれも美容には最適な野菜がいっぱいだわ……!」
「あ、わかります?今日は豊富な野菜で作ったんですよ」
「へー……貴方、そこまで考えて作ったの?」
「ははは……今回はですけどね」
「ふーん……」
そう言って、ダーパイスさんは俺を見る。
「羨ましいわね~……こんな旨いものを作れる人がいるパーティなんて……良い人捕まえてよかったね」
「え?えへへ……」
ガーネットさんは恥ずかしそうに照れる。
その後、料理を平らげた後、ガーネットさん、葵さん、ダーパイスさんの三人が浴場へ向かうのを見送った。
◆sideガーネット
ダーパイスさんの案内で、私たちは浴場へ入り、早速シャンプーで髪を洗い始める。
「何この石鹸!液体みたいなのに、こんなにも泡立つわ!」
「流石日本製。いい商品だわ」
「このコンディショナーを使えば、さらに髪がサラサラですよ!」
「へー……どれどれ……っ!凄い、質感がまるで違う!!」
シャンプーやコンディショナーを試した次は、ボディーソープを使ってみる。
「んん~ほのかにいい香りがする~!」
「オレンジの香りだって!」
「こっちはフローラル!本当、ニホンの魔道具って凄いのばかりね!!」
ボディーソープも試し、湯船に浸かった後、風呂から上がる。
タオルで髪や身体を拭いたところで、今度は化粧水を試してみる。
「これ、顔とかに使えば潤いを保てるんだって!」
「本当!?私、最近肌がカサカサしてきたからちょうどいいわ!」
「私はこれ! このクリームがあれば、肌のトラブルにも使えるの!」
「なによそれ! 便利すぎじゃないの!」
こうして私たちは、化粧水やスキンケア用品を試しながら会話を弾ませ、楽しい時間を満喫した。
◆
風呂から上がったガーネットさん達。
そんな俺は―――ダーパイスによって拘束されていた。
……え、なんで?
「いや~凄いわ、貴方の石鹸!おかげで、こんなに肌がぴちぴちのプルプルになったのよ!」
「は、はぁ……それはどうも……というか、なんで俺拘束されてんの!?」
「こんな品物を作れるあなたを、他の人たちに渡すなんてもったいないわ……今のうちにマーキングをしようと……」
「ちょっ!?こらー!やめなさい!」
その様子を見たガーネットさんは抗議する。
「いくら、幸が凄い人でも、それだけは譲れないわよ!!」
「ふふ、悪いわね!こんな素晴らしい人材を放っておくのはいただけないわ!」
「ちょっと!?誰か何とかしてくんない!?」
俺が叫ぶ中、銀瓏が退屈そうにあくびをする。
『ふん……何をやっているんだか……』
おい、何呑気にあくびしてんだ、テメェ!!
数時間後、何とか抑えることに成功したのだった……
ああ、疲れた畜生……




