第十術 VSトライサーペント
『シャー……!』
――キュイィィンッ!!
トライサーペントが三つ同時に魔法陣を展開し始め、炎、氷、電気の三種の魔法を溜める。
「三つも!?」
「トライサーペントは三体とも個別に脳があるから、単体でも魔法が放てて三方向から別の魔法を放てるわ!」
「チート過ぎない!?Aランクなのほんとに!?」
『シャー!!』
―――バリリリッ!ボォォォッ!ビュォォォォッ!!
三方向から同時に強力な魔法が放たれた。うおわぁぁぁ来たぁ!?
『ふんっ!』バサッ!
「幸、私の後ろに!!」
「へい!?」サッ
銀瓏は上空へ飛び出し、俺はガーネットさんの指示に従い下がると、ガーネットさんは結界を発動する。
「『絶対防御結界』!!」
――ガキィィンッ!!
薄い青色の板の結界を発動して、トライサーペントの攻撃を防ぐ。
うおぁ!?スゲェ!?三方向からの攻撃をいっぺんに防いだ!?
「す、すごいです、ガーネットさん!?」
「でも……流石に連続して攻撃はキツイ……」
『ふぅあ!!』
―――ズバッ!!
『ジャァァァ!?』
銀瓏の爪がトライサーペントの胴体を抉る……つ、強!?
『ほう……前に戦ったが、獣人形態でここまで斬れるとは思ってもいなかったな……では、こういうのはどうだ?』
そう言い、銀瓏は手に魔力を溜め、トライサーペントに向って突進する。
『『龍王印』!』
―――ドコォォォンッ!!
『カッ……!?』
銀瓏の拳がトライサーペントの胴体にぶち当て、吹っ飛ばす。
吹っ飛ばしてぶつかった壁にはクレーターができていた……いや凄すぎ!?
「あの巨体を一撃で吹っ飛ばした!?」
「もう全部銀瓏一人でいいんじゃないか?―――って言っている場合じゃないだろ!俺たちも少しは削らなと!」
そう言って、俺たちは銀瓏の後に続いて攻撃を開始する。
「『錬金術:剣』!!」
――ビュビュビュビュッ!
「『氷結槍魔法』!!」
――キチチ……ビュン!
俺は土の塊で剣を多数生成して放ち、ガーネットさんは氷で出来た塊を放つ。
ガキンッガキンッと音を立てるだけ……あんまり効いてない?いや、ガーネットさんの方は少し赤くかすり傷ができてる……うわ、俺の攻撃低すぎ?
「クソッ、全然俺の攻撃が効いてねぇ……」
「やっぱりAランクだから、私たちより銀瓏に任せた方がいいんじゃない?」
「うーん……それもいいけど、銀瓏ばっかりに任せるのもな……」
『フン……ハァ!!』
『シャー!?』
銀瓏が口から火球を放ち、ドンドンとトライサーペントにダメージを与える。
『っ……!シャー!』
負けじとトライサーペントは銀瓏に向って三属性の魔法を放つ。
『ふっ……遅い!そんなちんたら撃っても俺には届かん!』
如何やら銀瓏に夢中だから今のうちに何か考えるか……でもどうする?土や岩を別のものに錬金してもあんまり効果がないし……いや待てよ?もしかしたら、属性の魔法も別のものに錬金できるのでは?
よし、そうと決まればガーネットさんに手伝ってもらおう!
「ガーネットさん!オレの前でなんでもいいですから魔法を溜めてもらっていいですか!」
「ええ!?……何か考えがあるんだね?分かったよ!」
と、ガーネットさんは了承し、魔法陣を展開し、風魔法を溜める。
「溜めたけど……この後どうするの?」
「俺の見立てだと……いけるはずだ。『できて当然』……!―――『錬金』!!」
―――バヂヂヂッ!!
と、音を立てながら、風魔法の形が変わり、俺の手に収まる。
「ええ!?私の魔法を幸が操ってる!?」
「よしできた!ぶっつけ本番だったけどこれなら……!『錬金術:風』!」
―――ギャルルルッ!!
俺はトライサーペントへ向けて、錬金した風魔法を放つと、多数に枝分かれして、槍のように鋭い先端でトライサーペントに当てて、傷を少し付けることができた!
『ほう……錬金でこのようなことが……主よ。どれ、俺の火球で一回錬金してみろ!』
―――バオッ!!
と、銀瓏が俺に向けて、中くらいの火球を放つ。
……いや、こっちに向けんな!?
「いや!?ちょっ!?」
『心配するな。そこの魔導士には『結界装備』があるのだ。失敗しても大したことは無い』
「じゃねぇだろ!?―――ええい、もうどうにでもなれ!!『錬金』!!」
俺は銀瓏の火球を錬金すると、炎が爆散し、再び俺の手に司る。
「おぉ……で、できた……っ!行くぞ!『錬金術:龍魂』!」
『っ……!?』
――ドカァァァンッ!!
錬金した炎を発射し、龍の形に変って食い殺すかのようにトライサーペントを覆い尽くし爆発が起こる。
そして煙が晴れると――
『シャ……シャア……』
ドスンッと音を立てながら、トライサーペントが倒れた……や、やっと倒したぁ~……
と、俺は倒したことに安心したのか、その場でへこたれる。
「つ、疲れたぁ……し、死ぬかと思った……」
『それにしても相手の『魔力』を『錬金』することで己の力にするとは……考えたな』
「ええ、『できて当然』と言ったけど……そこまで行くなんて思って」
―――ボフンッ!!
『?』
何か音が聞こえて、その方向を見ると……トライサーペントの首や心臓、肉などの素材がドロップした!……あれ?こいつって外から来たんだよね?なんでドロップすんの?
「どうやら、トライサーペントはこのダンジョンに適応したから、ドロップしたのね」
「そんなことある!?」
『さて、倒したことだし、さっさと戻るぞ』
「そ、そうですね……」
そうして、トライサーペントを倒した俺たちはフラフラした足取りで銀瓏の背中に乗り、『ファースト』まで飛び立つだった。
そうだ、戻る途中、今ステータス確認してみよう。
「ガーネットさん、今自分のレベルどうなってます?」
「待ってて。えーと……」
そう言いながら、俺のステータスを確認すると……
【名前】 酒森 幸
【年齢】 20
【性別】 ♂
【職業】 Fランク冒険者
【レベル】 15
【ステータス】
・体力 200
・魔力 300
・筋力 190
・俊敏性 150
・耐久性 150
【スキル】
【契約獣】『光輝なる白銀龍』
【個体能力】
・錬金術
【錬金】物体を『転移』『合成』『魔力』の転換ができる
【錬金術:剣】錬金術で剣を作り、発射する。
【錬金術:風】錬金術で風魔法を操る。
【錬金術:龍魂】ドラゴン系統の技を錬金術で操る。
お、レベルが15も上がってる!
「『トライサーペント』を倒したからかな……6から結構上がってる!」
「本当ね……やったじゃん幸!」
『ふん、当然だな。俺のスキルから錬金したのだ。トライサーペントごときに倒せるのは当たり前だ』
「ごときって……あんた……」
『それより、見えてきたぞ。『ファースト』にな』
「え?……おお!もう着いた!?」
『さっさと用事を済ませて、夕食の準備だ!』
「え?銀瓏―――あ゛あ゛あ゛あ゛!?」
街が見えた瞬間、銀瓏がスピードアップして、振り落とされないように着くまで必死にしがみつく。
は、速いってぇぇぇぇ!?




