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異世界で錬金術の現代風メシ  作者: yex
ラグナロク編

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第百術 歓迎

メデューと触れ合っていると――イールビが姿を現した。


「よー待たせたな。オレちゃんの娘といい感じに距離が近づいてるな」

「あ、イールビ」


すると、その隣には――蛇の頭部をした、異形の姿の女性が立っていた。


「こんにちは、皆さん。夫が色々とお世話になっております」

「夫……?もしかして、イールビの奥さん、ですか?」

「ええ、『コーダン』と申します。よろしくお願いしますわ」


そう言い、イールビの妻――『コーダン』がお辞儀をする。


「ご、ご丁寧にどうも……俺はこのパーティのリーダー『酒森 幸』です」

「私は『フラム・ガーネット』です!」

「そして、俺の『契約獣(ビースト)』の『銀瓏』、『麒麟』さん、『大蛇』です」

『ふんっ』

『どうも』

『よろしく~!』


皆もそれぞれ挨拶を交わした。


「ふふ、こちらこそ―――ところで、噂で聞いていましたが……本当に二つ名と聖獣を『契約獣(ビースト)』にしたんですね……」

「ええ……と言っても、飯目的でついてきただけですけどね……」

「さっちゃんの料理は異世界人には虜にしちゃうからね♪」

「そうなのですか……?」

「そうそう!どれも食べたことの無い美味しい味だよ!」

『うむ!大抵のものは食べたと思っていたが……主の作る料理はどれも驚く物ばかりだ!!』

『あーしも、あるじの料理が大好きだよ~!』

『同感です』


と、みんなは俺のことを絶賛する……

そ、そんなに言われるとやっぱり照れるな……


「おっと~!主人公のデレが発動した所で~……折角なんだしさ、豪華にパーティなんてどうよ~?」

「は、はぁ?パーティ?」

「そそ!料理はオレちゃんも手伝うから、ここはパーッと楽しもうよ!折角、ラグナロクに来たんだしさ!」


そう言うと、銀瓏たちが頷く。


『うむ!それはいいな!主の肉料理が沢山食えるからな!』

『あーし、いっぱい食べたーい!』

「……」

「メデュー、どうだい?さっちゃんの料理マジおすすめだから。食べないと損だぜ?本当」

「っ……わ、私も食べてみたい……です」

「ええ……?はぁ、しょうがないな~……」


俺は仕方なく、イールビの自宅で料理を作ることにした。


「さて……今日はどうしようかな……お、これなんていいか?」


俺が取り出したのは、以前ダンジョンで手に入れた『ロック鳥(バード)』の丸ごと一羽の肉だった。

パーティだし、折角だからオーブンで『丸焼き』してみるか!


「オレちゃん、『魚』でなんか作るわ」

「ああ、分かったよ」


早速、調理するか!

まず、『ロック鳥』を塩胡椒、ガーリンク、ハーブを刷り込む。

一旦寝かせて、その後、首の穴に、冷凍ピラフを敷き詰める。

足を固定し、オリーブオイルを塗る。

次に250℃のオーブンで焼く。

取り出して、透明な汁が出たら……


――完成!『ロック鳥のローストチキン』!!


「出来たけど……イールビの方は?」

「オレちゃんのほうも出来たぜ……ほら、オレちゃん特性の『ミート・タコス』だ」

「『魚』要素どこ行った!?」


何で魚から豚肉に変わってんだよ!?

いつ、肉入れた!?


……真面目に考えると、キリが無いので、取り敢えず『ローストチキン』をみんなの前に出す。


『『おお!!』』

「今きり分けますからね~」


そう言い、『ローストチキン』を皆に切り分け、食べ始める。


『『いただきまーす!』』


――ガブッ!


『『っ!!うまーい!!』』


うめぇ~!なんだこれ!?皮がパリッと、肉がジューシー!

噛むたびに、ロック鳥の旨味が口いっぱいに広がって――うめぇ~!


『うむ!肉もいいが、その肉に入った米も旨い!ロック鳥の旨味が入っている!』

『『ロック鳥』の肉汁がこの色とりどりの米が合わさることでここまで旨味が増すんですね……』

『お米も、お肉も美味しいよ~!』

「このすーっと鼻に抜ける香りもいいわ~!」


いつものメンバーは美味しいと言いながら食べつつけている。

さて、他の人たちは――


「まぁ、美味しい……!『ロック鳥』も部位によって様々な食感が味わえます!」

「んん~!旨い!やっぱり、パーティと言えば、丸焼きだよね~!それに、今回で『百話』だから丁度いいからね★」ヒソヒソ……

「は、ハフハフ……」

「あーメデュー。小骨があるから、気を付けてくえよ?」

「うん、ハフハフ……!」


どうやら夢中になるほど味わって食べているようだ。

……さて、イールビの『タコス』も食べるか。

魚から豚肉に変わってるのが気になるが……


――ハグッ!


「んっ!旨い!」


味は本場のタコスだな!

マトマの酸味あるソースに、豚肉の脂の甘み、野菜の味が合わさって、旨い!

さっきのことを気にしなければ、全然いけるな、これ。


『うむ。肉は少ないが、悪くない味だ』

『肉も美味しいけど、これも美味しいよ~あるじ~!』

『マトマのソースが野菜の旨味をあげていますね……これは美味しいです』

「結構いけるね!」

「そりゃ、オレちゃん結構グルメだからね。特に、この『タコス』はオレちゃんのマジおすすめ!」


そんな会話をしつつ、料理を完食した俺たち。

片づけをしながら、イールビは話しかける。


「よぉ、さっちゃん。明日、王女の所へ向かうよな?」

「ん?そうだな」

「オレちゃん、まだ仕事が片付いてないから、先に行っといていいよ」

「え、そうなんですか?」

「ああ、どうやら色々と仕事が予想以上に溜まっていてな。しばらくは外へ出れない」


イールビは後ろの部屋を指差す。

……まぁ、勝手に出かけたから、そうなるよな。


「分かった。じゃあ、俺らは明日向かうから、また後で合流しようか」

「おう!じゃあまた明日な」


そう言って、俺は明日に備えて眠ることにした。


◆NOside


『バハムート 王室』


「……」


ソー・サリーは豪華な椅子に座りながら、水晶のようなものから映し出された人物を見つめていた。


その人物は――『幸』だった。


「こいつが、あの『二つ名』と『聖獣』を契約した『サチ』という者か……」

「はい、情報ですと、短期間で『Sランク冒険者』へと昇っていると……」

「ふん……流石、二つの魔物を従えるだけの実力はあるということか……」


ソー・サリーは、口元を歪める。


「この『ソー・サリー』に仕えれば、この世界を牛耳ることが可能……!ぜひとも、私が有効に活用しようではないか……」


そう言いながら、椅子から立ち上がる。


「私が出よう。待っていろ――二体の最強獣を持つ冒険者よ……!」


ソー・サリーは水晶のようなものに映し出された『幸』を見つめるのだった……


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