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異世界で錬金術の現代風メシ  作者: yex
パシフィスト・second編

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104/119

第九十六術 変な奴と出会った……

翌日……俺たちは、暇つぶしにギルドの依頼をこなそうと思い、掲示板を眺めていた。


『うむ、これはどうだ?』

「ん?……『オーク・キングの群れの討伐』?」

『ああ、肉の確保にもなるし、いいと思うのだが……』

「ふーん……良いんじゃないか?オーク肉って結構うまいし、何にするかな……」

「オーク肉か~丼ものも旨いけど、揚げ物もいいよね~」

『ああ、カツですね。あれは美味しいものでした……』


と、もうすでに食ムーブに浸っている。


「おっと……肉に浸っていね場合じゃないな……今日はこれにするか」


そうして俺たちは、ギルドのクエスト『オーク・キングの群れの討伐』へ向かうことになった。


◆


目的の場所まで向かっていると――銀瓏たちは何かを感じ取ったようだった。


『むっ?』

「どうした銀瓏。急に止まって……」

『あれを見ろ……人がいる』

「ええ?ここオーク・キングの集落だろ?こんなところに人が……」


すると、俺が前方へ視線を向けた先には――


「~♪」


い、いたぁー!?

しかも、リゾートに出てきそうな椅子にくつろいでいる!?

つか、ここ森だぞ!?どうなってんだ!?


すると、くつろいでいる人物が口を開く。


「正直に答えてね―――あんたたち、ここで闇の取引にきたのかい?」

「や、闇の取引?」


その人物は、顔を紺色のローブで巻き付けており、その隙間から赤い光を放つ目が見えている。

服装はスーツに近く、執事のような格好だ。

だが、その雰囲気からして、どこかの護衛というわけでもなさそうだ………

その椅子の隣には、二つの剣が置かれている。

……日本刀?


そんな怪しさ満点の人物が、少しドスの利いた声で話しかけてきたかと思えば――


「闇の取引じゃないなら、此処で一緒に『ルボルスティー』でも飲まない?オレちゃん、なんか知らんけど、ここで厄介払いされているの!――ところで闇の取引ってなに?●薬でも取引すんの?」

「な、なんだこいつ……急に……性格が変わったように話しかけてきたぞ……」

『あるじ~この人何言っているの?』

「ああ、大蛇……俺もさっぱり……」

『フン、そんなことより、俺たちはこの先にクエストで『オーク・キングの集落』にようがある。そこを退け』


すると、謎の人物は目をキラキラさせながら、こっちに近づいてきた。


「『クエスト』だって!?オレちゃんも一緒に行かせてくれよ~!」

「うわっ!何だこいつ!?」 

「オレちゃん、パーティーにも、ガールフレンドにも断られちゃってるんだよぉ!」


そりゃあ、その姿で話しかけられたら、誰だって断るような……


「んだとてめぇ!オレちゃんのファッションはな!ミステリアスなクールっぽさを出してんだよ!成り立てホヤホヤの甘ちゃんには分からないだろう!」

「何で、思ったこと分かるの!?」

「自分で言ってるだろ?──語り手として」

「語り手ってなに!?」


何かこいつ、さっきからメタイ話ばっかしてないか?

本当に何なんだ、こいつ……


『……』


麒麟がさっきから無言でこの人を見つめている……ど、どうしたんだ?


『……あなた、本当に『人間』なのですか?』

「え?」

「あっ、分かっちゃう?流石聖獣だね。伊達にどっかのハイ●アの騎士の馬はやっているようだね」

『誰ですかそれ』

「というかそれゼ●ダ!?」


お前、N社に怒られっぞ!?

……というか、何でお前それ知ってんの!?


「ネタバレすると……オレちゃん、普通じゃないんだよね……」

「ええ?……な、なにこれ!?」

「ガーネットさん?」


ガーネットさんが目の前の人物を鑑定すると、何かに驚いた。

一体、何に驚いているんだ?


そう思って見てみたら───


【名前】 イールビ

【年齢】 ??

【性別】 ♂

【職業】 ●●●●●●●●

【種族】 ●●●●●

【レベル】 

【ステータス】

・体力 ●●●00

・魔力 ●●00

・筋力 ●●00

・俊敏性 ●●00

・耐久性 ●●00

【スキル】

・隠密・剣術『極』・透視・危機察知・自己能力強化・●●●●●●(●●●●●●●●●●)

【個体能力】

・●●●●

【加護】 

・●●神の加護



な、何だこれ!?殆ど文字化けしてるじゃねぇか!?


「オレちゃん、この能力のせいで、周りから浮きに浮きまくってるのよ」

「でしょうね」

「まっ!今更だし、気楽にやっているのよね~」


えぇ……何て適当な人なんだ……


「そんなことより……さ!早くクエストに出向いた方がいいんじゃなーい?オレちゃん、結構強いから!」

「え、えぇ……どうする皆?」


流石にこれはパーティーメンバーに相談だ。

得体の知れない奴に入れていいか、分からん……


「うーん……まぁ、悪い人じゃなさそうだし……いいんじゃない」

『別にどうでもいいが、狩りの余波で当たっても知らんぞ?』

『……まあ、神の加護もありますし、大丈夫でしょう。一応』

『敵に反応しないからいいよ~』


と、皆は普通に賛同していた。

うーん……まぁ皆が大丈夫って言ってるし、何かあったら麒麟達が何とかしてくれるか……


「分かりました。では、銀瓏達に乗ってください。あともうすぐで着くらしいので」

「おお!オレちゃん、ドラゴンに乗るのはじめて!気分が上がるぜ……手に2本の槍を武装したいぐらいに……」

「何の話?」


こうして、謎の人物──『イールビ』と共に『オーク・キングの群れ』の討伐に向かうのだった。


◆


目的地に着くと、そこにはオークの大群がいた。


「結構な数だな……」

『丁度いい、俺が蹴散らしてくれるわ』

『この程度では私たちの敵ではないです』

『よーし、やるぞ~』

「イールビ、行きまーす!」


そう言うと、イールビは背中に帯刀していた二本の日本刀を抜き、銀瓏たちと共に駆けだす。


「うわっ、速っ!?」


何だあの速さ!?銀瓏たちにも劣らない速度だ!?


「っ!」


―――ズバッ!!


イールビの剣戟が、オークの胴体を簡単に斬り伏せる。

す、すげぇ……何だかよく分からない奴だけど……戦い方がスピーディで正確だ……


「トロいな。俺はフェニックスよりずっと早いぜ?」

『ほう……中々の強さだ。いつか戦いたいものだ』

「いいぜ?いつかな。なんなら『紅血玉』くれよ。『天鱗』でもいいぜ?あと少しで新しい武器ができるんだよ」

『なんだそれは』


というかそれモン●ンじゃ……つか、なんでこの人、ゲーム知ってんだ?


そんな感じで見守っていると――

他のオークより巨大で武装したオーク……『オーク・キング』が現れる。


「あれが『オーク・キング』!」

「あれでもランクは『A』よ」

「ランクはAでも、どうせ数秒で終わるんだけどね★―――尺の都合上、仕方ないのよね!!」


そんなメタいことをぶっこみつつ、剣を構える。


そして数秒後―――


本当にあっさりと『オーク・キング』を倒した……


「いっちょ上がり!」


そう言うと、剣を地面に刺し、俺に顔を近づける。


「どうよ?オレちゃん、結構やれたでしょ?」

「は、はい……分かりましたから、近いです……」


本当……戦いのオンオフが激しいな。


「この後、ギルドに報告するんだろう?オレちゃんも暇だから行ってもいい?」

「え……別にいいですが……『冒険者カード』って持ってるんですか?」

「おうよ!ここに」


そう言って取り出したのは――


『運転免許』だった。


「いやそれ運転免許!?」

「あっいっけね。間違えた。これ今年で取った奴……こっちだこっち」


そう言って戻したあと、取り出したのが……『Aランク冒険者カード』だった。


「え、Aランクだったんですか?」

「おうよ。オレちゃんこれでも忙しくてね……更新のために年に一回ぐらいギルドの依頼をしているんだよ」


忙しいって……あんたさっき、くつろいでなかったか?


「まぁ細かいことは後々~!さっさと依頼完了を済まそうぜ~!」

「ええ……」


こうして、イールビと名乗った人物の謎を抱えたまま、このまま『トランザ』へ帰るのであった……

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