特別術 箸休め その5
[大蛇に出会うまでの道筋]
あーしはへび。名前はまだない。
生まれた時からずっとひとりだった。
たべものも、泳ぎ方も、生まれたころから何となく分かっていた。
湖からでて、たべものを探していると……
――ジリリリリッ……!!
あーしのあたまに視線が突き刺さる感覚がする。
これがあーしの『力』。敵がいることを知らせてくれるから、今までずっと見つからずに済んだの。
あと、水の中でも自由に動ける。
ふぅ……今日も見つからずに済んだ……ん?
「んん!旨い!」
なんだか、ごはんを食べてる……あれって……魚かな?
いいな~……敵じゃないみたいだし……ちょっと近づいてみよう。
あーしはそう思い、その人へコソコソと近寄るのだった……
―――
――
―
『……んん?』
「……っ。起きたか、大蛇?」
『んん……あるじ~……』
「どうした?」
『えへへ……あるじ、大好き~!』
――シュルシュル……
「おっ……どうした?俺の首に巻き付いて……」
『えへへ……あーし、あるじと一緒にいるからね~……』
あるじ~いつもありがとう!
[『爆破銃』のNGシーン]
俺はガーネットさんといる時、ふと、思い付いたことを聞く。
「合体魔法?」
「そうなんですよ。できますかね?」
「うーん……できなくはないけど、その分消費する魔力も凄いし、コントロールだって難しいよ?」
「そうですか……」
やはり、そう簡単にはいかないようだ……
薄々分かっていたけど。
「……あぁ、ただ」
「?」
「先に魔法を発生させて、そこから別の魔法を重ねがけ出来れば、上手く行くかも?」
「ふむふむ……つまり、導火線と起爆、みたいな感じですか?」
「嚙み砕いて言えばそうね」
「なるほど……じゃあ、早速試したいことがあります!」
そう言い、俺は準備をする。
「どうするの?」
「そうですね……まず、『ウィズ』を拳銃に『錬成』させて―――『雷』の魔力を放つ」
――バリリッ!
「そして、そこに『炎』の魔法を的に向って放てば……敵に爆破をお見舞いできる!」
「おお……なんか凄そう!」
「そう……これが『爆破銃』!」
そう言い、引き金を引く。
すると、爆発が起こった。
――ドコォォンッ!!
……ただし、自分の目の前で。
「さ、幸ぃぃぃっ!?」
「止まるんじゃねぇぞ……」チーン……
「いや止まる止まる!!人生そのものが!?」
爆発を受けて倒れ伏す俺に、ガーネットさんは慌てふためく。
その後、麒麟に怪我を回復してもらったが……
その姿を見た麒麟は、呆れたような表情を浮かべていたのだった。
[神々たちのつまみ]
「~♪」
彼女は職達神の『ユーセイ』。まだまだ新神だが、とても家庭的な神様だ。
そんな彼女は気持ちよ~く何かを調理していた。
「何をしているのだ?」
「あっ、ソトールさん。こんにちはっス!」
この神々の中で、数少ない真面目な神である破壊神『ソトール』は、熱心に料理を作っているユーセイに話しかける。
「実は、異世界人君に貰ったスパイスで、軽いつまみを作っているっス。味見してみます?」
「いいのか?」
「はいっス!こういうのはいろんな人から意見を聞きたいっスからね」
そう言ってソトールに差し出したのは、肉をスパイス調味料で味付けしたものだった。
それをソトールは一口食べる。
「……っ!うむ、結構うまいな」
「でしょ~!肉に『スパイスソルト』っていう調味料をかけただけで、結構いい味になるんですよね~!」
「これなら、軽いつまみに最適だな」
「はいっス!これなら、手羽先にも合いそうっスね」
「うむ……肉の脂身に、スパイスの効いた塩胡椒……これだけでも旨そうと感じるな」
「そうっスね!本当、異世界人君には感謝っすね!」
「その気持ちを三馬鹿に、分け与えてほしいものだがな……」
「ははは……」
ユーセイは思わず苦笑いをしてしまう。
まぁ、神様は自己中心的な存在が多いからね★
真面目なのは二人だけさ。
「……?」
「どうしたっスか?」
「……いや、何でもない」
「?」
おっと、ソトール……こっちに気がついたか?
まぁ、今のオレちゃんは語り手だから、気がついても意味ないんだけどね~
「そうっス!せっかく何で、昼間ですけど晩酌しませんっスか?」
「何?ここでか?」
「はいっス!せっかく何で、異世界人君の酒が少し興味があったので、飲んでみたいっス!」
「……まぁ、いいだろう。サチから貰った物を溜めているからな、そこそこある」
「本当っスか!ありがたいっス!」
と、、ユーセイは嬉しそうに感謝を伝える。
焼き鳥に酒っていいよね~
オレちゃん、ガッツリビール派なんだよね~
「さっきからなんなんだ!この語り文は!?」
おっと~ソトール、ここで勘付いちゃったか~さて……ここはおさらばするか。
―――じゃあねみんな~次の話次第で!!
「……なんだったんだあいつは……」
「???……ソトールさん、どうしたっスか?」
「……なんでもない、それより早速それをつまみながら語ろうか」
「はいっス!」
「ふぃ……ここまで来れば……あ!どうも、これを見ているみんな!オレちゃんが遊びに来てやったぜ★……え?誰だか分かんない?」
「もーしゃねぇな。折角だからオレちゃんのことを教えてやるぜ。オレちゃんはこれを見ているみんなに話しかけることができる能力を持っているんだぜぇ?」
「ああ?異世界の人がそんなこと言っていいのかって?」
「うるせぇ!!今の時代はな!無機物にだって異世界転生する時代なんだよ!!異世界の人がこれ見ているみんなに干渉したっていいじゃろがい!!」
「はぁはぁ……てことで!次回、『第九十六術』、オレちゃんが登場するから、バッチリ見てろよ!」
「なに?俺の姿と名前はって?―――それは次回にね!別に作者がキャラデザ考えてなかったとか無いから!!そんじゃあね!!」
―――
――
―
……




