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放浪系騎士の様なナニカの冒険記的なサムシング  作者: 名状し難い魔王
御注文はティンダロスですか?
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アーマゾーン!


2日が経った。正確には内部時間的に2日が経っただけである。どうにも外と時間の流れが違うらしい、2日がったにもかかわらず突入してくる気配がないためマーリンに念話するとこっちでは既に2日が経ったがあちらでは二時間しか経っていないそうだ。通話の魔力消費が多いのは時空間を飛び越えているかららしい。


「で、だ。」


「あははははは!!私が正義よ!」


撲殺音とともに舞い散る鮮血は花弁のようで、それを受けて鮮烈に凄惨に笑うのは聖女である。身に纏っていた外套はすっかり真っ赤になり精神防御の効果はほとんどなくなっている。頼まれるがままに装備を作ってしまったためか、それとも彼女のセンスが壊滅的なのかその他の装備品がよくいえば水着、悪くいえば蛮族スタイルである。


「あー、ははは、はー、コレ食べれるかしら?」


「無理だと思うし何故神話生物を食おうと言う結論になったのか教えてくれ。」


「えー」と口を尖らせ俺が聖水を掛けようとすると全力で逃げていく野生化した聖女様を見て俺は見えもしない空を見上げて天井を見る。ちょっと荒療治がすぎたよ。




やったこと、と言っても俺が与えたのはきっかけでそれを起点にこんな風になったのは彼女に才能が、アマゾネス的な才能があったからなのだろうか?

あの後散々泣きわめき、俺のパーカーがなんだかいろんな液体でぐちゃぐちゃになった後、精神防御のついた外套のおかげか強気なまま俺に勢いでどうにか出来ないかと相談してくる彼女に俺は頭を悩ませた。


彼女の精神の弱さ、それは心的外傷、トラウマである。

旗がある時や加護が十全なときは聖女としての精神性が前に出ていた上に加護による精神力の強化が大きかったのだろうがそれが全て剥がれた状態になった今、彼女の内面は神への復讐に燃える少女と村を焼き払われあらゆるものを失ったことに対するショックから立ち直れない少女の表裏一体なものとなっており、お世辞にも聖女とはいえないボロボロ具合であった。


「ふうむ…」


ここで不用意に復讐鬼としての側面を軸にしようとすると本当に復讐だけに囚われた哀れな小娘となってしまうのでショックを受けた村娘的な側面をどうにかしようと言うことになった。


「で、どう思う?」


「何が良よ・・・こっちは頭を撫でられるだけ撫でられてよくわからない疑問を投げられたたけじゃわからないんだけど?」


俺は彼女の頭においていた手を退けつつ彼女の前に座る。


「ああ、どうにもボッロボロなお前さんの精神の均衡を取るためにトラウマをえぐり返して克服するか、それを燃やして復讐鬼として人間性を棄てるか、どっちがいいかなと。」


「ひどい選択肢ね!まるでまともな道がないじゃない!?」


「そう悪い選択肢じゃないし、そもそも二択ですらない、復讐鬼となれば燃えるだけ燃えてあとは野となれ灰となれ、トラウマを克服できればお前さんは根本から強くなれる。楽な方に流されるか苦いクスリを飲むか、どっちが合理的かと言う話だ。」


「・・・はぁ。ねぇ騎士崩れ、あなたはトラウマとか「無いよ?そもそも人間としてダメな俺が人間的な損傷を負うなんてあまりにありえない。」・・・はぁー、私も普通じゃ無い村娘として生まれれば良かったのかしら?」


彼女は結局トラウマの克服を選び、俺特製の幻惑魔法を受けてもらうことになった。

影や月に関わりすぎた俺の魔力はただあるだけでも狂気を伴い、影から放たれる魔力弾は相手の精神を崩す。それを制御しマトモに希釈して彼女にぶつけたのだ。


「あっガアアアアア!!」


「うわっチィ!?」


戦いは壮絶を極めた。天賦の才と言うやつか狂気を生み出さない周辺の魔力を運用し繰り出される威力が低いはずの神聖系の浄化魔法や、様々な形態と熱量を見せる黒く濁った炎、それら全てを十全に完璧に扱う暴走状態の彼女の相手をするのはなかなか疲れた。

うっかり迷宮に穴を開け、上から落ちてきたロリ巨乳をかばう間も無くジャンヌ(暴走)に燃やし尽くされたときはちょっとやっちまったかと思ったがジャンヌを気絶させた後、あれが兄様であるとミゼールに言われて少し驚いた。


ま、それはいい、すごい涙目で「お、お前は俺を襲わないんだな!・・・あ、やべっ、目から汗が・・・」とか言いながら強制的に上に吸われて行ったが今回のこれに関係ない、いや、と言うか彼女が気絶から復帰した時点でああなっていたから俺の関与はこれ以上なかったんだが…


黒炎よ(フレイムオブアベンジ)!燃やし尽くせ!」


・・・失敗作とはいえ魔力での攻撃、と言うか現世からの干渉にめっぽう強い彼らの死体を一小節での詠唱でチリも残さず焼き払うなど俺でもできない、それに精神も安定しているし、防具での精神防御もほぼしていない、


「・・・なんて言うか知らず知らず子供が育って寂しいような、嬉しいような…」


「誰が子供か!誰が!」


そう言って敵を粉砕する彼女はそもそもが美しいために絵にはなるが・・・聖女としてはいささか間違っていると言うか、凄女と言うか・・・まさかトラウマを乗り越えるだけでこうも強くなるとはなぁ。


「やはり勇気あるものは素晴らしいな。」


「そんなことはいいから早く手伝ってくれないかしら!?」


俺は普段装備で見えない顔をいつも通りに歪ませて、今日は趣向を変えて目から魔力圧縮砲を放って遊びましたとさ…



「俺、好きな人できたかも。」


「お気を確かに!ミッシェル様!相手は男ですよ!?」


「あ、」



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