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放浪系騎士の様なナニカの冒険記的なサムシング  作者: 名状し難い魔王
御注文はティンダロスですか?
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やぁ、つい何日かぶりだね?


身体、精神共に正常、脳震盪、顎骨粉砕骨折共に後遺症なし、再生魔法の自動行使引き継ぎ、完了。

再度身体の解析を敢行、体表面役2箇所に生体反応を検出、それ以外の異常なし、周囲の解析を進行中、完了、全状態全魔法異常なしと判断、睡眠状態を解除。


ゆっくりと目を開け、自分が柔らかなベッドにいるのを触覚で確認、シーツの乱れも直されている。

腹の上に乗った二匹になった仔犬を解析、少し小柄な方をつまみ上げ魔法破壊する。


「zzz…んにゃ?」


即座に変身魔法が解除され正体を現した犬耳ショタを毛布で簀巻きにしにこやかに朝の挨拶を・・・・


「するかボケが!」


鋭い左側ミゼールの顔面を直撃!自身の認識を加速、人外に殴られ頬の肉が波打つのをしばし鑑賞しそのまま振り抜く。


「フベラ!?・・・・あハァ・・・・」


「・・・この変態が。」


うっとりとした顔で口の端からヨダレを流す簀巻き状態の真性の駄犬を、いや、ティンダロスの王の中でも頂点に位置しその不滅性から通常致命傷など受ける筈もない邪神、尖った時間の管理者たる上位存在を見下した。



「で?どうした?」


「あはは!いやーうっかり反乱分子にやられちゃってさ〜、いや、うまいね、このサンドイッチやっぱ曲がった時間サイコー。」


「・・・」


俺はムシャムシャとハムスターの様に頬を膨らませサンドイッチを貪り食うミゼールと凄まじい形相で睨みながら赤面すると言う高度な技術を見せるキティと呼ばれた侍女と向かい合い、俺の部屋で少し遅めの朝飯を食っているのであった。


「ふーん、そういや昨日の仔犬天国は一体?」


「ほら?吸血鬼とかコウモリになるじゃん?その真似さ、それに僕らがあの時転移できたのはアレで力をかなり分割して、さらに君が超強力な結界を張ったから、感謝してるよ〜本当に。」


「クッ…」


つまり、あれは全て彼女らの体の一部であり分身・・・あれ?俺昨日何匹か撫でまくった様な気が?


「アハ、気持ちよかったよ?」


「コロス…」


うん、忘れておこう、そうしよう。


さて、なぜ彼ら上位存在であり邪神であるミゼールらが此処にいるのか、それはひとえにその神性を簒奪されたからである。

まあ神性を失った程度で時や世界を管理するレベルの神が力を失うなどありはしないので相手は本当に上辺だけ、神が神であるための条件の幾つかを奪ったか破壊したか、どちらかは不明だが神として君臨できなくし、追放したのだろう。

現に彼らからついこの間は感じて居た禍々しい威圧感というのは消え失せ、姿も揺らぐことなく見た目としてはただのケモミミ獣人に見えるレベルでこの世界に定着している。流石に上位者としての格はそのままなので今彼らが自分でかけている制限や偽装魔法の数々をとけば暴力的なまでのその威圧感はこの城を中心にそこら中に広がるだろう。


だが、不可解な点がもう一つ、


「なぁ、どうやってあんな致命傷を受けたんだ?」


「・・・それは「それはね、僕が少々迂闊な契約をして居たからなんだよ、ヒミツ。」・・・」


何かを言いかけたキティさんだが、それ以上に何時もよりも僅かに声を大きく、そして何かを隠す様に、庇うようにセリフをかぶせたミゼールの目配せとセリフで目を伏せがちに黙ってしまった。

まあ、何か面倒臭い事情やらなんやらあるんだろう。


「・・・ふぅ。まあいい、それで本命だが『なんのようなんだ』?態々俺が寝ている間に契約魔法まで使ってよ?」


俺はコーヒーを飲み、軽く魔力を高める。


「あははは、怒らないでよ、その契約は僕らが君の召喚獣擬きをするっていうものだし、君に直接の害は「上位存在との契約なんて厄ネタ害以外の何者でもねえだろ?あ?」・・・察しのいい君には本題を話してあげよう!うん!そうしよう!」


途中までは調子のよかったミゼールだがダンジョンマスターのような人間よりも上の位階の生物を死に至らしめる上位存在との契約や魔力的繋がりなど人外ではあるが人間をやめて居ない俺にとっては邪魔でしかない、メリットの説明以前に危険である。

それを今更気付いたのかそれとも態とか、どちらでも恐らくしにはしないのでいいと言えばいいがミゼールは強引に話を変えた。


「ぶっちゃけて言えば、その反乱分子はこの世界、もっと言えば曲がった時間の流れる全ての世界を滅ぼそうとしてるんだ。」


「で?」


シリアスにそういうが俺は取り出した茶請けのシュークリームをぱくつきながら適当に返事する。


「でって…ええ?この世界やら君の居た世界が滅んでしまうんだよ!?」


「・・・そのレベルの危機が来たら神様が対応すると思わないか?」


俺の言い分にそう言えば見たいな顔をするミゼール、本当にこいつは神様なのか?ちょっと抜けてない?


「残念ながらその可能性は低いです。」


しかし、それを否定するシュークリームに夢中なキティさん、取り出したタオルで頬についたクリームを拭き取ると睨みながらお礼を言われた。


「今回、ミゼール様の兄であるミシェル様は神として、邪神として迷宮というこの世界の基本構造の一つを触媒に尖った時間と曲がった時間を接続します。この時、この世界の神々はこれらを感知することはできても直接の干渉はできません。」


「・・・邪教徒の熱心な捧げもので超デチューンされた這い寄る混沌同様、この世界の基本骨子を押さえつつの現界、か、メンドクセ、どうしてこう何時も最終兵器が役に立たねえんだ。馬鹿か?」


「・・・恐らくだけどこれはこの世界の設計者の意思だろうね、『人による人外の打倒』恐らくそんな所じゃないか?」


酷い話だ。

つまり這い寄る混沌は魔法や錬金術の等価交換、つまり彼の出して来た分霊は同価値の生贄を捧げられたが故に出てこれた。

そしてそれは世界の理に則った侵略であり、神々は世界の理を超越して来た不届き者を滅することしか出来ない、つまり今回もこの世界の機構たる迷宮の一部として出てくる彼の兄だかなんだかに干渉できないということだ。


「ああ゛〜面倒クセェー!」


「ま、いいじゃないか?僕らの依頼を受けてくれれば済む話だし?」


「まあ、私たちに都合のいい、虫のいい話だとは思いますが、人の子らしく名誉やら英雄と言う名の称号でも追い求めていただけるととても嬉しいです。」


「ヒミツー!起きてるー?」


ニヤリとしながら月の彼女らを思い出す調子で依頼を押し付けてくる尖った時間の管理者達に辟易しているとマーリンが扉を叩き俺を呼ぶ。


「ひとまず受けとこうかな?報酬は覚悟しとけよ?」


「ワン?」

「・・・」プイ


「小夜ちゃん達が呼んでるよー?そのあとカザマくんとかと面談するんでしょ?早くしてよ!」


はぁ〜、早く自由に旅がしてぇ。

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