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放浪系騎士の様なナニカの冒険記的なサムシング  作者: 名状し難い魔王
鋭角には気を付けよう。刺さるしな!
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勇者たちの受難と苦難と苦悩の日


前回の不穏な物言いはさておき、俺たちは特になんの苦労もなく、いや若干やつれたような奴らはいるが地図の端からだいたい中央、迷宮都市から王都まで約二日間走ったり魔物に乗ったりして急いで帰って来たわけだ。

というか門の前にアーサーちゃんとモードレッド王がすごい魔力を放って待っているのは気のせいだろうか、いや、気のせいでは無い。


『あははー、ごめん、止めたんだけど、私には無理だったよ。』


『まあ、国の貴重な人材兼想い人が暗殺未遂されたんです。女性として考えるとアーサーさんはよく風間さんを殺さなかったと思いますよ?』


いやいやいやそれで俺を殺しそうな感じになられても今度は俺が死んじゃうからね?


念話で伝えられた宇宙的な修羅場に心と胃がめりめりと削れるがきっと大丈夫だ。うん、山田の目が座ってるけどきっと「雇い主さん、楽観はダメだよー?」ウンソウダネ。ゲンジツミナイトネw

きっと俺はかなり死んだ目をしているだろうが、それはそれ、勇者君たちを小夜に任せ、風間のところへマーリンとアリスをセットにして先に行っていてもらい、俺は一人、死地へ飛び込むのであった。


「あはははは…ヒミツゥ…新しい女の子を引っ掛けてくるとかぁ…監禁物だよぉ?」

「わたしは、ちちうえのりえきになるのならそれもやむなしとかんがえている。というか、さいだいせんりょくはてもとにおいておきたいもの。」

「モードレッド、我が契約者の仰せのままに。」


その日、王国のシンボルである王都の正面玄関、正門が城壁ごと爆散しすぐに元に戻ったものの、しばらくはその事に関して騎士王直々の情報封鎖があったとかなかったとか。




さて、彼が説教(物理)を受けつつ説得(物理)をしている中、神凪をはじめとした勇者勢の指導者的な存在とヒミツについていき先日ついに帰れる可能性をつかんだ佐藤小夜は王都の一等地に小夜が大枚叩いて買った豪邸で向かい合っていた。


久しぶりに顔を見た仲間は随分と印象が変わり、少々跳ねっ返りが強かった問題児組もいつの間にやらその天狗鼻を叩き折られていた。


「なんだかお久しぶりですね、正義君、中二病は治りましたか?」


「ごぶぅあ!?」


とりあえず一番嫌いな人に最近オンオフできるようになった認識阻害をオフにしてニッコリと毒を吐く。何故か数人顔を赤く息を荒げている変た・・・いえ、一応クラスメイトでしたね。少々特殊な性癖を持っている男子や女子がいじめて欲しそうにこちらを見ていますが、私の目的はこのゴミ・・・もとい色々とあった事件の元凶がどの程度更生したのかを知りたかっただけです。

まぁ、なんだかんだ良くなっているようで安心しました。


「・・・とりあえずいいか、佐藤。」


「あら、そうでしたね、とりあえず帰還方法の話でしたね。」


ふむ、相変わらず神凪君は冷静ですね、内面はすごい事になっていても外には一切出ないのですから、羨ましいです。


小夜は紅茶を一口飲んで間を取りつつ、少々もったいぶりながら結論、つまり可能かどうかの最終的な判断とその根拠を説明する。


「とりあえず、基本的にこの世界から元の世界へ帰還することは可能である。と言えます。現段階でもまだ確実に私たちの知る世界へ帰れるかどうかは私たちの帰りたいと言う意思が重要となりますが、大賢者であるマーリンさんが言うには、ある程度世界が転移者と言う異物を吐き出そうとする力が働くそうなので一先ず次元跳躍は可能です。」


最近すっかり研究に没頭していたためか一緒に研究を手伝ってくれていたホーエンハイムのせいか喋り方がややオカシイが、彼らの目の前にいるには確かに小夜である。


「・・・すごいな、安心したよ。」


「特定座標への次元跳躍なんてなんてSFだよ、って感じだよね〜。」


「しかし、です。ある致命的な欠陥があります。


そうなのだ。前提としてヒミツの魔力を使って次元跳躍は可能なのだと仮定して、何度か小規模な魔法陣の運用をすることでより確実性を増そうとしたのだが、そこで致命的な問題が発生したのだ。


「およそ10回に一回程度転移陣の上のものが指定場所に転移せず消えます。」


「あえ?」


「それは・・・」


「確認したところどうやら地面の中や石の中など不可思議なところに誤転移されるようです。つまり、十分の一の確率で帰ろうとした人は*いしのなかにいる*状態になってしまうわけですね。」


帰れる可能性をとそれにつきまとう死の可能性、完璧に凍りついた空気の中紅茶を飲むのは小夜と神凪と魔法少女のみ、他の大勢はこの賭けに乗るかそれとももっといい案がないか探すかで悩んでいるようだ。


「・・・ふむ、一先ず解散して、各々考えて見るか。」


「そうですね、それがいいでしょう。」


神凪と小夜による閉会の合図で散り散りになっていく勇者達、皆少々疲れたような顔ををしているもののこの中世風ファンタジー世界で初めてまともな国の首都にいると言うことでそれぞれ一旦帰還とかそういうのを頭の隅に置いて楽しむ事にシフトしたようだ。




しかして、小夜の屋敷にはまだ神凪と小夜と魔法少女そして狸川が居た。


「そう言えば山田さんは?」


何を隠そう彼らには帰るという意思があまりない、大凡あちらでも異能者だった小夜と魔法少女、狸川はこちらの方が住みやすく。馴染める環境にあったというのもあるが、何よりも自分たちの使う技術の多くがこちらの世界のもに全く同じではないとは言え酷似しているという巨大な違和感めいたものに答えを出せて居ないからである。


また、神凪は今回の帰還方法では一緒に連れていけない彼の嫁達の事を考えてここは自分も新たな帰還方法を探すつもりでいる。いや、実際、彼が現在帰還を考えて居ないのはあまりにも変容した外観と多少なりとも歪んだ人間性というのがあちらに戻って治るかどうかという最大級の爆弾があるからなのかもしれない。


「ああ、あいつは…あれ?何処にいるんだ。」


そして、彼らの見て居ないところで愛と欲望と憎悪をそのたいろいろが混じったヤバめの愛憎劇が始まって居た。

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