表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
20/32

二十話

「おーっと、他の選手たちが魔物や他の参加者と交戦中の中、最深部へ通じる扉に着いた者がちらほら現れています」


 ジョビー・キャロルはウキウキに会場を盛り上げる。

 投影魔法で映し出された映像には作られた魔物と戦う魔法使いや命を削り合う魔術師たちがいた。そんな中で暗闇の図書館に飛ばされたウィータは巨大な扉の前にただ一人立っていたのだ。


「こちらの扉! 実に強固な作りになっておりまして、幾重にも封印が施されています」


 司会は呆然と立ち尽くすウィータを見ながら、巨大な扉に着いて話出す。

 重々しくも存在感を放つ巨大な扉は天井まで届きそうな程高く立っていた。

 真っ黒な板には何重にも錠前や複雑な鍵が掛けられている。

 さらには描かれた魔法陣がルービックキューブの様にバラバラに敷き詰められていた。


「古今東西、数多の封印術を施したこちらの扉。外し方を謝れば最悪……地獄への扉が開いてしまいます」


 彼の言葉に観客の多くは騒めく。


「何よそれ……そんな扉、誰が開けるのよ……」


 キャシーを抱えながらメープルは顔を引き攣らせる。

 試験が始まってからずっとこの調子だ。

 このままでは彼女の顔が悲惨になってしまう。


(それも面白そうにゃね……ただ)


 キャシーは窮屈そうに彼女の手を叩く。


「にゃーーー(抱くのはいいにゃ。もういいにゃ! だから、もう少し優しく抱きなさいにゃ)」


 ウィータが心配なのは分かるが、その気持ちをキャシーに押し付けないで欲しかった。


 息苦しいのだ。


(それに……)


 キャシーには思うほど心配には感じなかった。それどころか、あの扉が薄っぺらくすら感じてしまう。


 

 まじまじと扉を見上げていたウィータは、クスッと笑みを浮かべる。

 メガネを上げ直した彼は、杖を前に構えて一つ目の鍵をこじ開けた。

 カチカチカチとゼンマイが周りバラバラだった魔法陣が揃う。


 あちこちの装置が動き、止まり、そして、また動く。

 絡まった糸を解く様にウィータは何層も封印された扉を開いていった。


 

「おぉ……こ、これはすごい!」


 ジョビー・キャロルは実況を忘れ、思わず息を呑んでしまう。

 あの扉を設計した者はもう二度と開かれないと思って作っていたのだ。


 それがどうだ。


 十程の少年が最も容易くパズルを解く様に施錠されていた扉を開錠していく。


「ものの数分で扉の封印をほぼ解除してしまった! なんて事だ! そんな事があっていいのか? 気づけば、封印は残り一つになってしまった」


 観客席は喝采に包まれる。

 メープルは思わず立ち上がり、喜んでしまった。


「やった! やった! ウィータが封印を解いてるよ」


「ふにゃ! ふにゃ(揺らすにゃ! 気持ち悪るいにゃ……)」


 キャシーも喜びたい気持ちだ。しかし、メープルに抱えられた上に揺らされては思う様に喜べない。

 もどかしい気持ちになってしまう。

 ウィータはこの日に向けて、努力するよりもずっと前から魔法が好きだったのだ。


 できる事がない彼にとって、どんな魔術も魔法も等しく憧れだった。

 キャシーにも分からないが彼は様々な本を読んで魔法を見てきたのだ。


 その積み重ねは誰にも負けない。


 大っぴらに喜べないキャシーは胸の中で熱く燃える気持ちに頬が緩みそうになる。だが、喜ぶにはまだ早かった。


 手早く封印を解いていたウィータの手が止まる。

 彼の表情から動揺が汲み取れた。


「おーっと、少年! ここで手が止まってしまった。残す封印は後一つ。一体どうしたと言うのか?」


「なんで、なんで? ウィータはどうしたの?」


 ウィータの様子にメープルは一気に不安に襲われる。

 アケルおじさんは映像を見ながら呟いた。


「あれはおそらく、一定の魔力を当てて解く封印だ」


 何層もの封印の下から姿を見せたのは一枚の円盤だ。

 巨大な扉をクロスさせる様に鎖で止めている。

 その円盤にある程度の出力で魔法を当てなければ開かない仕組みだ。


「え? つまり、それって……」


「そう、ウィータにとって最も難関な課題だ……」


 子供の魔法使いでも解ける様な簡単な封印だが、魔力量の少ないウィータにとってこれ程の難題はないだろう。


 例え、魔力を出し惜しみせずに使ったとして、開く事ができたとしても、その先の戦いに彼は全力を尽くす事ができないのだ。


 歯がゆい問題にウィータは呆然と立ち尽くしてしまう。

 キャシーも彼の気持ちが伝わって来る様だ。


 何とかしたい。


 どうにもできない。


 何ができると言うのか、答えられない難題に怒りすら感じる。


 さらに彼の背後から悍ましい道を行く者がコツコツとゆっくり近づいているのを誰も予想だに出来なかった。

あやしいものじゃないよ、あやかしだよ。

どうも、あやかしの濫です。

ウィータの可憐なる解体いかがだったでしょうか? これなら金庫破りもお手の物かもしれませんね。

ウィータが一番好きな事は魔法に触れることで封印とかは分析検証と好きな事が多くて恐らくこの試験で一番楽しい所になっていたのかもしれません。

興味を持った方、面白いと思って頂けたらば、ぜひ、ブックマーク高評価よろしくお願いします。

他作品も書いていますのでよろしければ、そちらも読んでいただけると嬉しいです。


よろしければ、X(Twitter)のフォローもお願いします。

https://x.com/28ghost_ran?s=11&t=0zYVJ9IP2x3p0qzo4fVtcQ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ