まだ終わってない
明さんと日凪ちゃんはトリスタンさんが去ってから
ずっと泣いていた。
お互い慰め会うようなしぐさを交えながら
真っ白になってるように見えた。
トリスタンさんは、棺の周りの水晶に照らされた
亡霊のように…儚く見守り、魔法を維持していたんだ。
その様子を見て、私は座り込んだ。
2か月の旅が終わったんだ…
その結果を前に、虚無感、虚脱感、思い出に包まれて。
動けたのは…明さんが寝てからだった。
ごめんなさい、トリスタンさん。
私も本当は、二人と友達…いや家族のようになりたい。
でも日凪ちゃんと明さんの友達…それは私じゃなくて”もう一人”の役割だよ。
その言葉は、もう一人にも必ず伝えるから。
私は、何とか起き上がって
以前寝かせてもらっていたベッドの元に急いだ。
ふらふらとしてきて、苦しくなってきたから…
私はそれを通り過ぎ、急いで窓を開けた。
そして窓から…吐いた。
「日葵ちゃ…日葵ちゃん!?」
「ごめんなさい、疲れがたまってて…
気持ちが高ぶって、気持ち悪くなっちゃって…」
ライラさんに擦られながら必死に自分を落ち着かせた。
ダメ…まだ終わってないのに…!
思うように動かない体に鞭を打つ。
「水で口を漱げ…!」
レンさんの水で口を漱いて、
その後もう一度水を飲む。
バルドさんが両脇をもって、ベッドに載せてくれた。
「おい…これって…」
私は泣きながら、俯いて話した。
「うん、本来の私…
ひどいよね…こんなの…」
フラリスさんもさっきので暫く喋れない…
私にはまだ今からやることがあるのに…!!
「ねえ…うえっ…」
気持ち悪くなって、思わず胸を抑える。
変なにおいが沸き上がって…今日は…ダメな日だ…。
虚脱感が再び襲ってきた。
私…もう…
▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼
義はどうした。
服と共に置いてきたか。
体を落ち着かせ
気を持ち
時を待て。
ムテュスにも
学んだはずだ。
▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼
うんん…そんなことない。
息を吸い、必死に体を落ち着かせた。
目を閉じ胸に手を当てて…深呼吸…
▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼
そうだ、気を持ち
効率を心がけよ。
今までは100の力
今は7の力
1の力に気を付ければ
幾つかは今まで通り。
▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼
効率、冷静に…
「いいから、横になってて…
町で何か買ってくるわ。」
「日葵は俺が見てる。
バルドは明さん達の様子を」
「おか…お母さんを呼んで
色々教えてもらってください。
この辺りに詳しいです。」
ライラさんがこちらを見た。
「明さんの食生活や
家の事も知ってるかも。
私の事は…気にしないで。」
笑顔を作り、ローラさんに家の場所を話し
横になった。
そうだ、今まで通り。
私は私だ。
まだ幾つもやることは残ってる。
諦神さんとの別れ
火の宝珠に、消耗した分の祈りを貯めなおす事
もう一人の私のこと
ギルド復帰へのリハビリ
今は…少し休もう…




