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レベルアップが命取り?建内 日葵と不思議な服  作者: 和琴
報いを与える者 : The Lost Destiny
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薄闇の幸せ -漆黒の不気味

「受付さんはいますか?」

ギルドの衛兵がノックして

皆さんは業務に戻っていった。


戦場に居るときは生きることを考えていればよかった。

極限の状態だからこそ、思考を一本化できた。

今は…久しぶりの感覚がむつかしい。


目の前の悲しそうな、悩んでいるような

リーファさんの存在に困惑していた。


「私ね、もうあなたが水の寺院に行くあたりから

特に仕事が手につかなくなっちゃってね…

ギルドマスター代理として失格かもしれないけど…

まだ出会って1か月だけど、とても他人とは思えない。

親子みたいに思ってるのよ。」


毎日の事…覚えてる。

今からでも初日からきっと全部書ける。

「…私もです。」

色々なことがあったけど、微笑みが重なるだけで

十分語らえた。


「私から見ても本当にひたむきで

文字通りと言っていいぐらい一生懸命で…

悪い心も本当に少なくて…

諦神が憑いた理由もいやというほど…」

なんか…モヤモヤする。

なんだか…落ち着かず足をバタバタさせて気を逸らした。


「日葵ちゃん?…あら…」

何だか涙まで出てきて、何で…


「…おかえり。」


「ただいま…」

…そっか、何も考えなくていいんだ。


背伸びして、息を吐いて…

そのまま机に突っ伏して横の壁を見る。

この生暖かい机がいい感じだ。

そろそろ暖寒期って感じで。


小窓から日差しが、町の騒音が

私の耳に一気に流れ込んできた。


…静かだ…


……


業務が終わった後、皆が真っ先に向かったのは

一階の中央…食堂だった。


そこで話を聞きたくて集まった彼らは

机に突っ伏して居眠りしている日葵を見た。

…薄い掛け布を掛けてもらって、穏やかな寝顔で寝ていた。


そして理解する。

ようやく彼女の中での戦争が終わったのだと。

彼らは初めて、安堵しきった「建内日葵」を見たのだ。


そして彼女の命の危機がまだ終わっていないことに

驚愕を受け、言葉を失っていた。

そうだ、今日は部屋で食事を取ろう。

無言で彼らはその場を離れた。


日葵は寝ていた、全員に守られながら。

魔女も神も人間も気にしない、

黄昏の夕眠ドリームタイム


……


深夜のちょっと前…私は目を覚ました。

一瞬どこここって思ったけどギルドだ。

ポロトンさん…が寝る台でもつくってくれたのか…って……


周りを見渡すと、そこは洞穴ではなかった。


マーレンさん…

あんなにあっさり別れるなんて…

短い間だったけど…っ毎日…。


苦しい、何でこんなに苦しいの。

勇敢に戦った人も…パラディン1

本名も知らない…


吠える白竜、音速の剣、並び立つ指導者

全てはもう、過去のささやき。


(別れも眠りも毎日やってくるよ。

一番大切なのは…)


いつも傍に居てくれて…ありがとう。


(そういう気持ちを持てる余裕…かな。)


…乾いたパンが目の前にある。

それに…蜂蜜。


「なんて…贅沢なんだろう。」



明さん…あなたの失った毎日

取り戻してあげたい。

その為には…何をすれば…。



「そこに居るのは…」

怖気が立った……

突然現実に引き戻されるような感覚、

小窓の外から!


私は動きを止めた。


「日葵…といったかい?」


男の声…!知らない人…!


「特別な気配を感じるよ…僕と同じ気配を。」


なに、分からない!


いや…

喋ると確信を与える…得策じゃない。


暫くの静寂。

私は感知すらしないでじっとしていた。

息を殺して…


「戦争の痛みを感じ、人間のもどかしさに絶望する気配を。

強い精霊の気配を。

強い信念の気配を。」


この人…気配だけで?本当に?


「僕の革命に、加担する気は無いかい。

腐った貴族たちを打倒し、精霊たちと

その使い手を解放する革命に。」


…!


「…返事はないか…でも大丈夫。

僕は毎日来るから。

考えておいてくれ。」


ひゅるるるるる…と風の音がして…


(気配が…消えたよ。)


ミッドナイト・エブリデイ

それが私の新たな物語のきっかけとなった。

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