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62 修正何回目ニャ

気が付いたら俺は七色の光に包まれていた。



俺達は、あれからドワーフ第拾六星に寄ろうと思ったが、ムギホシが心配しているかもって思って帰る途中だったはずだが……。


俺は記憶を辿ってみる。たしか帰る前に衛星ブルナまで戻って、宇宙空間に漂っているドロップアイテムを集めに行ったのは思えている。


実は、超巨大魔理樹トレントを追っているときは拾う暇がなかったけど、トレント分体を倒した際にいくつか魔石と石板が出現したのを覚えていたのだ。


ライジャさん達には「またブルナに戻るのかい!?」って言われたけど、エルフィンⅡRだけなら加速の魔法で行けるから早いんだよね。それほど苦でもないかなーって思って……。


そして、ドロップアイテムも集めたし帰ろうかというところで今に至るってわけだ。



「虎鉄ーいるか? 星の子もいるんだろう?」


「ここにいるニャ」


気が付くと虎鉄は隣に立っていた。


『お久しぶり。お疲れのところ悪いね』


ソプラノの声が響いた。やっぱり星の子だ。


『いきなり本題だけど君達のレベルアップは早すぎるよね』


そんなことを言われても……。運営側がクレームを言っているみたいだ。逆だろ!


「さっき確認したらLV63だったはずたけど……」


「あの超巨大魔理樹トレントを倒したらレベルが4つも上がったんニャ!」


『そう、それだよ! そのメガギガンティック・トレントがやられるなんて……』


「ん……?」


「にゃ……?」


……


……


……


「あの……ひょっとしてメガギガンティック・トレントって名前を言ったニャ。やらせかニャ?」


「ナビがなにやら不調だったのは……ひょっとして星の子権限で言えなかっただけなのでは?」


俺と虎鉄の冷ややかなツッコミ。


『……ごめんよ~』



********************************************



星の子曰く『この前は上方修正をやりすぎちゃった』とのことで、あれから悩んでいたそうだ。星神様はけっこう暇そうですよ、ムギホシさん。


そして悩んだ末に思い至ったのは「強い敵と戦って負けそうになったら星の子登場で、強い敵は星の子がやっつけて俺達の方は、ちょっとバランスを調整すると言いつつ下方修正を行う」だったそうだ。


虎鉄の勝率は55%だったのは、勝てそうだがその前に身体が耐えられずに動けなくなるというストーリーを星の子は思い描いていたようだ。


『虎鉄君があそこで勝てるとは思いもしなかったよ……』


オーバーロードの想像を超えるなんて俺は相棒を凄い。あとで撫でまくってやるぞ。


『なので、君達が勝ったから下方修正はやめようと思う』


「そんなことを言いに来たというわけ?」


「謝罪はいいからアイテムかコスモ・チュ~ルが欲しいニャ」


『でも、基本システムを変えたいな、と思ってさ――』


俺と虎鉄はこれには口を広げてあんぐりだ。


『コホン……これは批判は受け付けないので悪しからず。君達を故郷に戻すという目的は変えないから、その点は安心してね』


「オイラの言うことは無視したのニャ……。まぁ、取り敢えず聞こうじゃないかニャ」


『ありがとう。では発表しよう。レベル制はやめて熟練度制にしようと思う』


「続けたまえ」


『各ステータスのパラメーターはレベルではなく熟練度で上がるってことだよ。


 アクティブスキル、パッシブスキルは今使えるものは引き続き使える。


 新規で覚えるスキルは、覚えているスキルの熟練度によって使えるようになるんだ。


 スキルにあったⅠとかⅡのなくすよ。スキルは強さは君達で確認してね』


んー別に俺はあまり変更はないと思うけど虎鉄はどうだろう。


「オイラもレベル制は実状に合わないって思ってたミャ」


じゃぁ、いいんじゃないかな。


ちなみにLV63で新しく覚えたスキルはこうだ。


【俺】

[アクティブスキル]

 雷防の魔法;雷を纏う防御魔法。敵に雷属性ダメージ。

 光輝剣の魔法:攻撃力UP

 金剛盾の魔法:防御力UP

 天岩龍の魔法 全SP(使用最低SP8500/使用SP量より与ダメージ量増加)


【虎鉄】

[アクティブスキル]

 旋風(つむじかぜ)の術:風を呼んで過去に訪れた場所に転移する忍術。神出鬼没の魔法に似ているが、こちらは虎鉄のみの転移となる。

 手裏剣【雷】:手裏剣状の思念武器。雷属性。


ちなみに『天岩龍の魔法』『旋風の術』は石板から現れたスキルだ。


ここまではスキルは問題なく覚えていて、これ以降が熟練度制だってことだな。


『達郎君はわかっていると思うけど新しい必殺技は黒炎龍、瀑水龍、天岩龍の魔法の熟練度を上げないと覚えないよ。虎鉄君は新しい手裏剣とか、まったく新しい忍術は鍵となるスキルを上げれば覚えるよ。あと、これは二人に繰り返し言っておくけど「イメージが大事」だよ』


「もともと普通の人間がこの『力』を貰えただけでも凄いことだと思うし、それが聞けたので大丈夫だよ。やってみるさ」


「OKニャ」


『基本的にこちらの言うことを聞いてくれてありがたいよ』


批判は受け付けないって言うんだもんなー。


「そういえば、最後に関係ないけど聞きたいことがあるニャ!」


『お? 最後だから聞くよ!』


星の子はご機嫌だ。


「ムギホシの強さっておかしいミャ。なんであんなにも強いんニャ。あんなに強い人は今のところいニャいニャ」


『ああ、巫女姫か~。それはルーンの巫女姫だから特別だよ。ルーンの民が全部あのレベルではないってだけ答えておくよ。それにまだまだ彼女は成長して強くなるよ』


虎鉄はわざとらしく苦い顔をして笑った。逆に胸が弾んでいるみたいだ。


『何と言っても僕の眷属だからね! そうだ、僕からも最後にイイことを教えよう。メガギガンティック・トレントからドロップしたアイテムは錬金術用の素材だよ。錬金術というのはね……いや、お楽しみだから伏せておくよ』


「メガギガンティック・トレントというと魔晶石ですか。それを近い内に俺達が使うとか使う人が現れるとか?」


「錬金術ってなんニャ?」


『フフフ……そこは秘密さ。じゃあ、がんばってね』


なんだろう。ナビによると魔理力の強さを表す魔理素が固まったものが魔晶石と呼ぶってことだが果たして……。

読んでいただきありがとうございます。

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