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57 ドワーフのハンター

「アンタ達かい。魔理樹(まりじゅ)に行くんだろう? アタシ達に付いてきな!」


65番ドックに豪傑と言うか姉御的な女性の声が響いた。


「はぁ……オレが紹介してやるから大人しくしてろよ」


「まぁまぁ、アタイはグンドの叔父貴の一番弟子のライジャって言うのさ」


一人の女性がグンドさんより前を歩いている。その一歩遅れてグンドさん、そして二歩後ろに男性が二人歩いて来る。しかし、魔理樹ってなんだ?


「それで、コイツらがアタイの弟分でロドとレルーリ。お引き立て、よろしくお頼み申しますってね」


しかも、その女性……ライジャさんは、人の話は聞かないお人らしい。

まぁ、あとで聞けばいいか。それによく見ればライジャさんは美人だ。ドワーフ族としては背が高く166センチあって黒い長髪を結んでいる。小麦色の肌のお姉さんだ。


「押忍、ロドと申しまス!」


「押忍、レウーリと申しまス!」


後ろに控えていた男性2人は、ロドさんとレウーリさん。150センチ後半で、二人は揃ってモヒカン頭の強面だ。


その様子を見て、グンドさんはお手上げな状態だ。片手で額を押さえている。当然、突然挨拶されたオレと虎鉄もそんな3人を眺めて苦笑するしかなかった。


しょうがないのでナビを確認するとライジャさんはランク18、ロドさんとレウーリさんはランク17だった。



『名称:ライジャ

 種族:ドワーフ族

 職能:ハンター ランク18

 脅威度:緑 好感度:黄


 名称:ロド

 種族:ドワーフ族

 職能:ハンター ランク17

 脅威度:緑 好感度:黄


 名称:レウーリ

 種族:ドワーフ族

 職能:ハンター ランク17

 脅威度:緑 好感度:黄  』


 

グンドさんより低いがランク17以上はバルボア・シティにはいなかったので気にはなるな。脅威度はランク18のライジャさんが緑でランク19のグンドさんが青ということは、この辺りで青と緑の境界があるみたいだ。


3人とも腰に銃を提げていて、ライジャさんとレウーリさんが長い得物を背負っている。レウーリさんはアサルトとスナイプを兼ね備えたライフルを持っていて、ライジャさんガンアックスという武器を使うみたいだ。あとで見せてもらおう。ロドさんは二丁拳銃使いだ。


なぜかポーズを取って白い歯を見せている3人を無視してグンドさんが紹介を続ける。


「今、コイツ等が勝手に紹介したが、そう言うことだからよろしく頼む。で、こっちにいる奴等がタツローとコテツだ」


「よろしくお願いします」


「よろしくニャ!」


虎鉄はこの3人と同じように決め顔だ。


それを見てライジャさんは「やるじゃないか」と感心する。なんだこの人たち?


しかし、グンドさんがなんか腰が引けてるというか申し訳なさそうな感じだ。


「今日、依頼を受けるのは別のパーティだったんだが、そいつらが昨晩怪我をしてなぁ……。代わりにライジャのパーティに代役をやってもらうことになった」


どうぞその後は言ってくれってグンドさんがライジャさんを促す。


「そう、その名も……ライジャ・アンド・フェローズにね!」


「「ウッス。その通りッス」」


また決め顔だ……。これからは俺も無視しよっと。


「オイラ達もなにか名乗った方がいいのかニャ?」


虎鉄は中二病か? 5才だから違うとはないと思うけど……。俺はそんな虎鉄に曖昧な笑みを返しておいた。


「アイツ等もダメだねぇ。4人とも宇宙船で事故って病院送りとはね」


「アイツ等の小惑星帯に突っ込んだ時は時は笑ったッス」


「酒に呑まれたッスね」


ライジャ・アンド・フェローズの皆さんが、なぜかその時その場にいたようなことを言う。


「やっぱりお前等……!」


ギロリと睨む本部長。怖い。しかし……


「まぁ、お前達に負けるのも悪い。4人ともランク18なのになぁ。よし! 病院から戻ったらランク17に降格だな」


「さっすが叔父貴、話がわかるから好きよ。アタイ達の方が強いから役に立つでしょ!」


「「ウッス。その通りッス」」


「ハァ……だからお前等は嫌なんだよ。俺は帰るから説明は任せるぞ」


もう行っちゃうのかとも思ったが、グンドさんの照れ隠しもあるみたいだ。なぜならドワーフ族の皆は笑っていたからだ。おそらくドワーフ族の人付き合いとはこんな感じなのだろう。


「オイラはこの人達好きだニャ」


ニッコリと笑う虎鉄。そうだな、俺も嫌いになれなさそうだ。


「最後に言っとくぞ。これはここにいる5人全員のテストも兼ねている。がんばってほしい」


あ、そうなんだ。てっきり俺達2人だけかと思ってた。パーティ2つが通ればまた次のクエストも2組なのかな? まぁいいか。テストに通ってからでいいかな。それに、こちらのパーティはムギホシを入れて完成だしな。


グンドさんを見送って、ライジャさんは宣言する。


「アタシ達に付いてきな! 現地までにクエストの説明するよ!」



********************************************



ドワーフ第拾六星のブルナという衛星に向かっている。


ブルナまでは近すぎるから超空間エンジンを使わず6時間で着くそうだ。


なんでも準光速に近い速度だってことらしい。エルフィンⅡRでも搭載していたそうだ(バトゥ談)。


先導はライジャさんの真っ赤な宇宙船で、操縦は前を飛ぶ宇宙船に倣って自動操縦だ。向こうはエルフィンⅡRよりも大型だから宇宙艇ではなく宇宙船である。10人乗りみたいだ。でも今回乗ってるのは3人だけだと言う。ライジャ・アンド・フェローズは何人いるんだろう。ナビを確認すれば多分わかるだろうけど今必要な訳でもないので、また今度でいいかな。


でもって、ようやく「魔理樹」について聞けたよ!


「魔理」は入っていうので、ジーニー族絡みだと予想は付いただろう。そうなのだ、あまりはっきりしたことはジーニー族じゃないとわからないってことだが、ルーン戦争時代にジーニー族が植樹した「魔理樹」って樹の樹液が「魔樹液(まじゅえき)」といって、それを目指してモンスターがやってくるらしい。大好物だって。


でも、その樹は滅茶苦茶巨大で500メートルから700メートルはあって、その星系には数本しか生えないそうで、衛星とか小惑星に人知れず生えているそうだ。ナビも同じようなことを言ってた。さっき言っていた「ジーニー族じゃないとわからない」ってこともナビに聞いたけど「まだ禁則事項です」だってさ。


そして、クエストの目的は、衛星ブルナの魔理樹に寄ってきたモンスターを狩ればOKだ。モンスターは1体だけではなく、できるだけ多く倒せば報酬も上がってウハウハだ。小さいモンスターから巨大モンスターまで沢山寄ってくるってことだ。


ちなみに、この辺りにいる巨大モンスターはクラゲやヒトデの形をしたモンスターが2種類で、大きさは10メートルから20メートルが多い。


巨大モンスターを狩ったら、そんな悪い樹は倒してしまえばいいじゃない?という話だけど、魔理樹はとにかく硬度がダイヤ並みに高くて、魔樹液も2,3年に一回数時間出て、それも魔樹液が出なくなったら魔理樹も枯れるから、とりあえず魔樹液の対策をすればいいやってことになってるそうだ。


スペース・ハンターの仕事の一つはこの魔理樹の魔樹液が多いってことでバルボア・シティのロブロイもやっているに違いない。今度会ったら「俺達もやったぜ」と言ってみよう。

次回は本当に日曜25時に更新します。

読んでいただきありがとうございます。

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