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田舎の厄介者、王都で転生特典の【魔法生成AI】を使い聖女を救ったら人生が激変してしまう  作者: コータ


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初めての魔法

 とりあえず近くに木陰があったので、そこに隠れるように座った。


 ファーガソンは普段、まったく人が通らない場所がいくつもある。小さな村だし人口も減少傾向にあったからだ。


 落ち着く場所に来たところで、さっそくAIイリスを詳細に調べてみることにした。


 液晶のような画面の右下に、歯車を思わせるマークがある。


 これは前世のいろんな電子機器で見た設定マークと同じだ。


 試しに指で触れてみると、いろいろな項目が表示された画面が現れた。


 だが、幾つかの項目においてグレーになっており、タップしても反応がない箇所がある。


 いろいろと気になるが、まずは質問方法というタブに触れた。


 確かに、音声入力とタップ入力というボタンがあり、どちらもONマークになっている。


 とりあえず、声を出すと周りの目が気になるし、誤って反応する可能性もある。


 その為、最初は音声入力をOFFにしてみた。


 保存ボタンはなかったので、質問できる画面に戻って「聞こえる?」とか「イリスー」とか喋ってみたが、特に反応がない。


 どうやら設定は保存され、正常にタップ入力だけになったらしい。


 というか、タップ入力もスマホと同じだろうか。画面を探してみると、下に文字を入力できる窓があった。


 触れてみると、本当にスマホと同じように文字入力画面が出てくる。


「本当にスマホじゃないか」


 地球で例えば中世に近いような世界で、こんなハイテクが使えるなんて。


 徐々に興奮と感動を覚えた俺は、すぐにイリスに質問を投げかけることにした。


========

 イリス。

 まだ分からないことだらけだが、これからよろしく。

 ところで、俺はこの四角い物体自体がイリスだと思っているのだけれど、違うのであれば言ってほしい。

 それから、俺の前世であったスマホっていう電子端末に似ているんだけど、充電とかする必要があるのかな

========


 ここまで打ち込んで、画面右下にある手紙マークをタップしてみる。


 どのくらい返事を待つことになるのか。その点に注目していたけれど、驚いたことに回答は瞬時に送られてきた。


========

 リザン様、こちらこそよろしくお願いいたします。

 はい。ご認識のとおり、この端末をイリスをお呼びいただくでお間違いございません。


 私は魔道具の一種となり、女神様より前世の貴方様に馴染むように調整された転生特典となります。

 充電などは必要なく、リザン様が存在する限り無制限に使用を続けることが可能です※エネルギーが切れることはありません

 リザン様が死去された際、私も天の使いより回収されることが決まっております。


 その他、特典付与の経緯など知りたい場合には、禁則に触れない限りお伝え可能ですので、お気軽にご質問ください!

========


 この回答にますます驚いてしまう。


 つまりイリスという存在は、わざわざ俺に合うように作ってもらったということらしい。


 しかも、俺が生きている間は際限なく使える、と書いてあるように見える。


 これは凄いぞ。

 ただ、全てについて答えてくれるということではないようだ。


 禁則というものが気になるが、そこは一旦置いておいて、早く聞いてみたいことが他にあった。


========

凄いな。そういえば魔法に特化しているという話だけど、例えば俺が魔法を使いたいと言ったらできるのか

========


 この回答も瞬時に出力されてくる。前世でいろいろなAIを見てきたが、ここまでの速さはなかった。

 

========

 魔法の使用についてですね。

 はい! ご利用になりたい魔法の名前、または特徴を教えていただければ、リザン様の魔力の範囲内で可能です。


 また、リザン様は魔法適正がSSとなっており、しっかりと努力を続けることにより、多くの魔法を習得し、利用することが可能なことがわかっています。


 どのような魔法を使用したいか、もしご希望がございましたらお聞かせください!

========


 この回答は胸にくるものがあった。


 何しろ、前世から憧れていた魔法が使えると言われたのだ。ただ、気になる点は他にもある。


 魔法適正というものについてだ。


========

嬉しい回答だね。ところで魔法適正っていうのは初めて聞いたけど、細かい説明を聞いてもいいかな

========


 これは約五秒ほどしてから回答が表示された。全てにおいて瞬時に回答が来るわけではないらしい。


========

 お喜びいただけて何よりです!


 魔法適正についてお答えします。

 その名のとおり魔法を使えるかどうか、また魔力の伸びしろなどを表す適正となります。

 魔法適正はC、B、A、S、SSの順に優秀で、Cは魔法を覚えることができません。

 SSは最も優れた魔法使いになる可能性を秘めていると言って良いでしょう。


 魔法適正のアルファベットの違いについては、大まかに下記のようになっています


 魔法適正C:魔力を得ることができないため、魔法が一切使えない

 魔法適正B:この適性から魔力を得ることができる。伸び代はあまりなく、使用できる魔法も下位に属するものがほとんど

 魔法適正A:魔力の伸び代がBよりも高く、魔法については中位クラスまで使用できる

 魔法適正S:魔力の伸び代が非常に高く、魔法は上位クラスまで使用できる

 魔法適正SS:魔力の伸び代について、限界がないとされる。魔法についても使用者の属性により得意不得意が変わるが、専用魔法以外は全て使用できるようになる


 専用魔法とは:その人物にしか使用することができない、特別な魔法のこと。使える存在が限定された魔法

 

 他にもお聞きしたいことがありましたら、いつでもお申し付けください!

========


 こんなに詳しく説明されるとは予想外だった。


 どうやら俺には、魔法の才能は本当にあったらしい。パメラの先見の明というべきか。


 魔法適正の話を聞き、希望が胸の奥で膨らんできた。そしてできると言われたなら、試してみたくなるのが人情というもの。


========

 面白いね。ではどんな魔法でもいいので、一つ試してみたい。

 おすすめはあるかな。やり方も教えてくれ

========


 約一秒という短時間で、スラスラと回答が出力されていく。


========

 魔法の使い方とおすすめについて説明します。

 順番が前後しますが、おすすめの魔法からお伝えしますね。


 ズバリ! 最初にお試しするべき魔法は、あらゆる魔法の中で基本中の基本、ファイアボールです。

 燃え盛る火球を飛ばすこの魔法は、当惑星の六百年の有史以前より存在し、神々が最初に解き放った魔法とも言い伝えられています。


 最も使用するための詠唱が短く、魔力消費量が少なく、かつ応用しやすいということから、世界中の魔術師が最初に習得する魔法です。


 魔法の使用方法については、基本的には魔法に応じた詠唱を行う、という準備段階があります。


 その後、いくつかの段階を経て魔法は発動されます。

 中級、上級者はいくつもの工程を抜かして発動することが可能となりますが、今回は基本に沿ったやり方をご紹介します。


 ・工程一:詠唱を行う

 魔法を発動するための詠唱文字を唱えます。

 ・工程二:魔力を発露させる

 体内に存在する魔法を外に解き放ち、魔法へのエネルギーへと変えていきます

 ・工程三:光の魔法陣の構築

 魔法を放つ為の土台となる、魔法陣を描きます。大地に描く方法と、空に描く方法の二通りがあります。手や指で描くこともありますが、多くの魔術師は杖を用いて行います。

 ・工程四:魔法を放つ対象を選定する

 魔法を放つ対象をしっかりと見定めます

 ・工程五:工程一から工程四が完了し、魔法発動状態になる

 全ての工程が完了すると、身体中から発露している魔力が輝き、同時に魔法陣にも強い煌めきが生じます。この時が、魔法を利用できるようになった合図です


 ・工程六:魔法を放つ

 定めた目標に向かって魔法を解き放ちます。使用する瞬間にコツが入りますが、慣れると楽にできるようになります


 使用にあたって工程は多いですが、最初は私がサポートを行うことが可能ですので、ぜひ挑戦してみてくださいね!


 ファイアボールの詠唱文字は以下となります

 ※※※※※※※※※※※※※※

========


 最後には詠唱文字が書かれているが、この時俺は現世での文字を覚えていなかった。


 だからどう読むのか分からない。すぐにでも魔法を使ってみたいので、この点も相談してみることにした。


========

 かしこまりました。

 それでは今回は、私が発動準備をひととおり代わりに行うということでいかがでしょう。

 私という魔道具を体に触れさせることで、一時的にサポートすることが可能になります

========


「体に触れさせる?」


 どういうことだろうか。とりあえず適当に、スマホのような魔道具を左腕に触れさせてみた。


 二、三度触れたり離したりしてみたが、特に何も起こらない。何か間違えているのかと思った瞬間、突如としてイリスに変化が起きた。

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