第7話 国王への報告
3日間、休みなく礼二の才能を調べられた。そして分かったことは、礼二には全く魔法が使えないこと、そして剣術は途方もない能力があることだった。
「レインの腕前を詳しく述べてくれ」国王はアンドリアンとダンケルに言う。
「は、陛下!レイン殿は魔法の才能はほとんどないように思われます。されど剣術の方は素晴らしい才能を発揮されています。」
そう言って、後をダンケルに任せる。
「剣術については私から報告します。レイン殿は剣をほとんど嗜んだことがなかったように思われます。ですが、実際に手合わせしますと、力が強く私の剣を弾き飛ばすほどでした。さらに私が縮地を使って一刀浴びせようとしましたが、これも防がれました」
「何、そちの縮地を躱したと言うのか!」
国王もダンケルの縮地が国中で一番の腕と呼ばれているのを知っている。それが簡単に避けられたと聞いて(まさか?)という思いだ。
「は、私だけではなく、他の猛者とも手合わせさせましたが、誰一人敵う者はおりませんでした。それで、レイン殿に複数の者と同時に手合わせさせた所、いずれも敵いません。最終的に1対3までならレイン殿に分があると分かりました。」
「何、レイン一人に3人で立ち会っても敵わなかったというのか!」
国王は唸るように言う。
「レイン殿には太刀のほか細剣槍、弓などにも試してもらいましたが、どれも達人級の腕前です。槍などでは鋭い突きを躱す者は王宮の兵にはおりません。一番強い弓も軽々と弾き絞りました。正直我が国の弓ではレイン殿にはもの足りないように思われます。」
「・・・」想像以上だった。国王は礼二に魔法の才がないと知り、内心で落胆した。だが、それだけに凄まじいまでの武術の才には言葉が出ない。
「そ、そんなにも?」
建国初期の伝説では、無双の武術家が巨大な魔物を退治したという。レインの話は伝説の武術家を連想させるものだった。
「そこで、陛下に申し上げたいのですが、レイン殿にゴブリン狩りに参加してもらえたらと思います。」
「レインにゴブリンを狩らせようというのか」
「は、現状。レイン殿に王宮の兵と立ち会って貰ってもこれ以上の上達は難しいかと思います。レイン殿に伺いましたところ、魔物に遭遇したことも見たこともないと言われました。王都で剣の稽古をするより、実戦を経験された方が、腕が上がるかと思います」
「もう、実戦を経験させるのか?多数のゴブリンどもに囲まれることも考えられる。早すぎないか?」
「我が兵士3人と戦っても後れを取らない方です。例え、ゴブリンに囲まれても十分に対応できる腕前と思います」
「ならば、ダンケル、ゴブリン狩りにレインの同行を認める。ゴブリン狩りの手筈はお前に任せる。」
転生して7日目、礼二と恵美はゴブリン狩りに出かける。ダンケルと部下の3人が付いてきてくれた。
「ゴブリンは何処にでも発生して、流石に王都などの高い壁で囲まれた主要都市の中には入りませんが、壁のない町や村にも奴らは出没してきます。今日行く西谷村は王都の近在ですが、先日来、ゴブリンが出没しています。
ゴブリンは子供の体格ぐらいしかなく、単独では女にも敵いませんが、必ず複数で行動し弱点を見つけて攻撃する狡賢さも持っております。更に棍棒や石などの単純な武器ではありますが、使うだけの知恵を持っているのです。決して油断はできません」そう言ってダンケルが村まで案内する。




