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結局あの後私が寝室から出たのは二日後のことだった。時折パンを齧った記憶がある。それ以外はひたすらに交わっていた。魂が混ざり合ったとヴァルクネアさんのお墨付きを得てようやく寝室から出られた。
とりあえずお腹が空いた。でも買い物に行く必要がある。となるとまずはお風呂だ。
「ウメノよ、水浴びか? 私も共に……」
「うふふ、いいですよ。番ですからね」
二人でお風呂に入るのは迷宮にいた時以来だ。あの頃はヴァルクネアさんが人型になれるなんて思いもしなかった。
浴槽にお湯を溜めて二人で入る。狭い。でも幸せ。
「ヴァルクネアさん、私、今幸せです」
「私もだ。ウメノ」
お風呂から出て魔法で髪を乾かす。ヴァルクネアさんの髪も乾かしてあげた。綺麗な髪だ。白いのに紫のベールをかけたような光沢がある。ヴァルクネアさんの鱗と同じ色。美しい紫水晶の瞳が私を見つめている。
「じゃあ、買い物に行きましょうか」
商店街に行けば乾燥ホホロ茸があった。ヴァルクネアさんはホホロ茸のスープが好きだから買っておこう。スープにすると生のホホロ茸より美味しいとお店の人が教えてくれた。なら夕飯は乾燥ホホロ茸のスープだ。メインはなににしよう。肉屋で今日のおすすめを聞いてローストビーフを作ることにした。あとはサラダを作ればいいだろう。昼ごはんはパスタを作るつもりなのでニンニクとトマトを買って、それからパンも買って家に帰った。
生トマトのパスタを作って二人で食べた。ヴァルクネアさんはパスタをフォークに巻きつけるのに苦戦している。頑張って、ヴァルクネアさん。
「美味いな」
「それはなによりです」
そんな感じで番になってからも平穏に暮らしていたのだが二週間たった時街が騒がしくなった。なんでもドラゴンが出たらしい。この街の冒険者は全員広場に集合! となったのだ。
広場にいくと美しい白竜がいた。白い鱗は紫の光沢を放っている。ヴァルクネアさんそっくりだけど一回り小さい。その周りを冒険者たちが取り囲んでいる。
「なにしてるんだ、姉さん」
「あら、ヴァルクネア。百年ぶりね。元気そうじゃない」
「で、あんたの番はどこにいるの?」
「ここだ」
「ふうん、小さくて可愛いわね。私はミア・ラパス・ガイア・ホワイト。そいつの姉よ」
「ウメノ・キサラギです。はじめましてお義姉さん」
「ちょっと、聞いた!? ヴァルクネア、今この子お姉さんって言ったわよ! 可愛いじゃないの! 私のことはミアお姉ちゃんとお呼び!」
お義姉さんは目を輝かせてそう言った。冒険者たちはギルド長が解散させていたが遠巻きにこちらの様子を窺っている。
「ミアお義姉ちゃんですね、分かりました」
「素直ないい子じゃない! 気に入ったわ、ウメノ。特別に私の背中に乗せてあげてもいいわよ」
「ウメノは私の背中に乗る。姉さんの背中には乗らない」
「もう、ヴァルクネアのケチンボ! いいわ、私も本腰入れて番を探すんだから」
そう言ってミアお義姉ちゃんは颯爽と飛び立った。
梅乃の台詞がお義姉ちゃん表記で、ミアの台詞はお姉ちゃん表記なのはわざとです。




