23
ドレス姿のルルリアさんを連れた私たちは上層で冒険者たちにあり得ないものを見る目で見られた。
「ねえ、ウメノちゃん。私の服装っておかしいの?」
「今の時代では派手ですね。貴族くらいじゃないですか? そういうドレスを着てるのは」
「じゃあまずは今の時代の一般人の服を手に入れる必要があるわね」
「そうですね」
「ならお金が必要だからお城を襲ってくるわ!」
「絶対にダメです! ルルリアさん、貢ぎ物の宝石をいくつか売りましょう。それから先は冒険者にでもなって稼いでください」
「ダメなの? 手っ取り早いのに」
「ほら、どれを売るか決めますよ。どれにしますか?」
「そうねえ、透明でキラキラした石の首飾りがあったでしょう? あれにするわ」
「これですか?」
「そうそう、これこれ。地味だからあんまり好きじゃないのよね」
たぶんダイヤモンドだけど下手なことは言わないでおこう。高く売れればそれでいいのだから。
質屋に行ってネックレスを見せれば訝しげな店主に問われた。
「お客さん、これはどこで手に入れたものですか?」
「火竜の迷宮の最深部だ」
「なるほど、そうですか」
店主はヴァルクネアさんの答えを信じていないようだった。身分証の提示も求められてヴァルクネアさんはギルドカードを見せていた。
「勇者様ともなれば迷宮の攻略も容易いのでしょうな」
そう言って店主は納得したのか金貨二百枚を渡してきた。想定以上の金額だ。
「よかったんですか? ルルリアさん」
「ええ、あれ地味で好きじゃなかったの。お金になってよかったわ」
それから三人で古着屋へ行ってルルリアさんの服を買った。ルルリアさんはさっそく買ったばかりの古着に着替えている。
「ルルリアさんは仕立て屋に頼んだ方がいいかもしれませんね、その服も体型にあってないでしょう」
そう、ルルリアさんは出るところの出た美女なのだ。私と違って。
「仕立て屋?」
「はい、お金と引き換えに好きなデザインで服を縫ってくれるんです。サイズだってしっかり合わせてくれますよ」
「それはいいわね。ねえ、私仕立て屋に服を頼みたいわ。おすすめの店はあるの?」
「あるにはあるんですけど王都なんですよね」
「ウメノ、乗りかかった船だ。最後まで面倒を見てやろう」
「じゃあ王都に向かいましょうか」
街を出て森へ向かい二人は竜の姿に戻る。服は私が回収した。私はヴァルクネアさんの背に乗って防風の魔法を使う。あとは毛皮に包まれば完璧である。




