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次の日、私たちはお城に向かった。庶民である私たちは時計なんて持ってないので一時間毎に鳴らされる鐘が頼りだ。十時の鐘が鳴ってしばらくしてから宿を出た。
お城に着いたら昨日の偉そうな人が対応してくれた。謁見までまだ時間があるらしく待機部屋のようなところに通された。狭いけどソファはある。ヴァルクネアさんは朝食を食べる気がしないと言って食べてない。ぐうとお腹の鳴る音が聞こえたのでアイテムボックスに入れていた迷宮産の謎の果実を渡した。見た目は赤い桃のような感じで、ヴァルクネアさんがいつも私に恵んでくれていたやつだ。
「おお、生命の果実か。いただこう」
あ、これ生命の果実って名前だったんだ。ヴァルクネアさんは生命の果実にかぶりついている。そんな姿も絵になるものだから美形は得だなと思った。
「謁見の時間である、来い」
偉そうな人が呼びにきて謁見の間に向かった。普通に立っていたら偉そうな人がひれ伏さんか! と言ってきた。いや、ひれ伏すとかやりすぎじゃない? と考えているうちに王様が来てしまった。私もヴァルクネアさんも普通に立っている。
「宰相、よい。勇者ヴァルクネアよ、王妃の首飾りは持って来たか?」
あの偉そうな人って宰相だったんだ。うん、偉そうじゃなくて偉い人だったのね。アイテムボックスからネックレスを取り出してヴァルクネアさんに渡した。
「これだ。して、貴様らはこれをなにと引き換えるつもりだ?」
「不敬であるぞ!」
宰相が怒鳴る。
「よい。勇者よ、貴殿はなにを代わりに望む?」
「これは私が番の為に集めた品の一つだ。我が番は寛大ゆえ貴様らに渡すことをよしとしたが私はそうではない。我が番に似合いの品を望む」
「番か。そこの娘か?」
「ああ、そうだ」
「ふむ、ピンクダイヤのネックレスでどうだ?」
「ウメノ、それでよいか?」
「はい、なんでもいいので」
「ではそれと引き換えだ」
「すぐには用意できん。これから発注するからな。一先ず王妃の首飾りを渡してもらえるか?」
「よかろう。約束は違えるなよ」
「ああ。大急ぎで作らせる」
それで謁見は終わった。ネックレスは二ヶ月後にはできあがると言われたのでシールドの街の私たちの家に届けてもらうよう頼んでおいた。




