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最初の授業の日がやって来た。ギルド長が地図を取り出して説明してくれる。
「この中央の大陸が今俺たちが住んでるアンプ大陸だ。東がサックス大陸で西にあるのがドラム大陸だ。国は昔はたくさんあったらしいが今はアンプ王国とサックス王国とドラム王国しかねえ。それぞれの大陸の覇者なわけだ」
国が三つしかないのか。覚えやすいな。
「それぞれの大陸は距離があるし海には魔魚もいる。なかなか行き来できるもんじゃねえ」
「確かに海を越えるのに五日ほど飛んだ記憶があるな」
「……お前、すげえな」
あり得ないものを見る目でギルド長がヴァルクネアさんを見る。
「まあ、三つの大陸の中で一番過ごしやすいのがこのアンプ大陸だ。サックス大陸は寒くてドラム大陸は砂漠だって話だからな」
「ほう、なら私が生まれたのはドラム大陸だな。あそこには砂しかなかった」
「他人に聞かれたら生まれも育ちもアンプ大陸だって言えよ? 海を越えるのは庶民には無理だからな」
「ああ」
「それから、そうだな、なんの話をすりゃあいいんだ? あ、そうだ。お前ら割と高そうな服を着てるが庶民が着るのは古着か自分で縫った服だ。まあ針仕事はウメノの仕事か。金持ちは仕立て屋でオーダーするらしいぞ。とはいえこの町には仕立て屋はねえからみんな自分で縫うか古着だな。お前らは移動も簡単みてえだし金があるなら仕立て屋に頼むのもありだろう。大昔には男が布を贈ってそれを女が服に仕立てたらプロポーズ成功なんてしきたりもあったが今時やる奴はいねえな。知識として覚えておけよ」
ヴァルクネアさんが私に視線を向けた。ヴァルクネアさんの貢ぎ物コレクションには布もあった。服にしてほしいんだろうな。とはいえシルクが大半だったから普段着にはそぐわない。
「他には冒険者ランクはFからSまでだ。ヴァルクネアはSSになっちまったけど」
ギルド長はため息混じりにそう言った。
「取り急ぎ覚えてもらわねえといけねえのはこれくらいか」
「とにかく、生まれも育ちもアンプ大陸ってことにしとけ。いいな」
「分かった」
「じゃあ今日はここまでだ」
「ありがとうございました」
そう言って頭を下げる私の真似をするようにヴァルクネアさんも小さく頭を動かした。ちょっと可愛い。




