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平和な日々とは長く続かないもので、王都から帰ってきた一月後にギルド長に呼び出された。……特に問題は起こしてないはずなんだけどなあ。王都から騎士が来ているみたいだしなんとなく嫌な予感がするというか、気乗りしない。
ギルドに着くと応接間に通され騎士に囲まれたなんだか偉そうな人が待っていた。
「ヴァルクネア・ホワイト! 貴殿をこのアンプ王国の守護竜として任命する!」
「断る。なぜ私がこの国を守らなければならぬのだ」
「この国の為に邪竜を討ち倒したであろう」
「それは番が望んだからだ」
え、私そんなこと言ったっけ?
「名誉なことなのだぞ、拝命せよ」
「人の世の名誉などいらぬ」
「だが邪竜を討ち倒した勇者になんの名誉も与えないわけにはいかぬのだ」
「守護竜などというものにはならぬ。次に言ったらこの国を出て行くぞ」
「では、冒険者ランクをSSにしてやろう」
「それならまあよかろう」
……冒険者ランクってSまでじゃなかったっけ? まあヴァルクネアさんがいいならいいか。などと考えていたら偉そうな人と騎士たちは出ていった。
「おい、ヴァルクネア。SSなんてランクは前代未聞だぞ」
ギルド長の言葉に私はやっぱりそうなの? と思った。
「……迂闊だったか」
ヴァルクネアさんの眉間に皺がよっている。
「お前、知らないのに了承したのか?」
「……私は人の営みに疎い」
「よし分かった。お前が強い竜だってことは知っている。だがな、人間としては全然ダメだ! 常識がない! 俺が直々にお前を人間らしくしてやる!」
「……世話になる」
ヴァルクネアさんは少し悩んだようだったがギルド長に返事をした。
「そうだな。とはいえ俺にも仕事があるし、授業は火曜の午前中だ。十時にこの部屋に来い」
「分かった。ウメノを連れて来てもよいか?」
「かー、お熱いねえ! 別にいいぞ。とはいえ俺が教えるのは人間の常識だ。ウメノには退屈かも知れねえが」
「大丈夫です。私も不学な方ですから楽しみです」
「大したことは教えられねえぞ?」
ちょっと照れたギルド長はそう言って笑った。




