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ヴァルクネアさんは自分が竜だということを隠すのをやめたようだった。白昼堂々と空を飛んでいる。目撃者は多そうだけど本人が気にしないなら私が気にすることでもないだろう。帰りは二日でシールドの町に着いた。
家の前に降り立つとシールドの町の冒険者に囲まれている。
「お騒がせしてすみません! 敵じゃありません!」
「ウメノ?! ヴァルクネアはどうした!?」
ギルド長が声をかけてくる。
「私ならここにいる」
ドラゴンが喋ったと周囲は大騒ぎである。
「そのドラゴンがヴァルクネアなのか?」
「ドラゴンではない。竜だ」
「確かにヴァルクネアの声だが……信じられねえ」
ヴァルクネアさんの背中から降りればヴァルクネアさんが光ったので目を閉じる。
「ヴァルクネア! お前! なんで裸なんだよ!」
「大きさが違うのだ。仕方なかろう」
アイテムボックスからヴァルクネアさんの着替えを取り出して差し出した。
「ウメノ、服を着たぞ」
その声を聞いて私も目を開けた。周囲は困惑している。
「ヴァルクネア、お前、人間じゃないのか?」
「ああ、人の姿をとってはいるが私は竜だ。この間までピックの街の迷宮の主をしていた」
「この町に来た目的は?」
「ウメノがのどかな町で暮らしたいと言ったからだ。それにここは子育てにも向きそうだからな」
「人間に危害を加えるつもりは?」
「私は人は食べぬ」
「ならまあいいか。ヴァルクネア、あまり竜の姿になるなよ。騒ぎになるからな。というかドラゴンと竜ってなにが違うんだ?」
「どちらも知性のある魔物だが竜の方が賢く強く理性的だ。我々からみるとドラゴンは普通の魔物だな」
「ほお、まあ人の言葉を喋るくらいだし賢いよな」
「うむ、もっと褒め称えてもよいのだぞ」
「よし、お前ら解散だ。ヴァルクネアが竜ってことは他言無用だぞ!」
それでいいの? とちょっと思ったけれどみんな帰っていった。
「ヴァルクネアさん、今日の夕飯どうしましょう?」
「ウメノの作るものならなんでもよい」
「じゃあミネストローネにしましょう。具沢山にして、それから肉もほしいですね。パンも買いに行かなくちゃ」
「買い物に行くのか? 私も行く」
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「あら? ウメノちゃんにヴァルクネア。あんたたち王都に行ったんじゃあなかったの?」
八百屋のおばさんに声をかけられた。
「なんか勇者様が見つかったらしいんで帰ってきたんです」
「へえ、そりゃまた骨折り損だったね」
「本当に」
ヴァルクネアさんはこういう時あまり話さない。というか私以外の人間とは必要最低限の会話しかしないのだ。そこでまた私はヴァルクネアさんにとって特別なんだなって思うのである。




