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王宮に行けば白髪の剣士が列をなしていた。私とヴァルクネアさんは浮いている。だってヴァルクネアさんが綺麗すぎるから。
「お姉さん、あんた、なんて言うんだ?」
後ろに並んでいる白髪の男が声をかけてきた。
「私の婚約者になにか用か」
抱きしめられた。
「え、男? そんな綺麗な顔して? 嘘だろ?」
「ヴァルクネアさんをナンパしてるんですよ。私じゃありません。というわけで離してください」
「男かー。残念。俺はカイン。白髪ってだけで王宮に呼ばれた可哀想な男さ。あんたもそうだろ? いいなー、婚約者と一緒。楽しいだろ」
行列は意外と早く進む。どんどん帰っていく白髪の剣士たちを見送っておしゃべりなカインの話を聞く。
「いやー、俺の故郷は田舎でさ。王都まで二週間もかかるんだぜ。絶対自分じゃねえって分かってるのになんでこんなとこまで来なきゃいけねえんだか。お前らどこから来たんだ?」
「シールドの町だ」
「ど田舎じゃねえか! 大変だっただろ」
なんて話しているうちにヴァルクネアさんの順番がきて、王宮に残るよう言われた。王宮に残っているのは長髪の剣士ばかりだった。中には女性もいる。みんなやる気はなさそうだった。というか早く帰りたそう。
そして移動するように言われた。腕試しをするらしい。騎士団の演習場に連れてこられて一人ずつ騎士と戦うそうだ。
といっても皆さんやる気がないのであっさり負けている。ヴァルクネアさんの順番がやってきた。
「ウメノ、耳を塞いでおれ」
あ、咆哮使うのね? OK。
「グオオオ――――」
ビリビリと体が震える。と言っても私のダメージは少ない。ヴァルクネアさんは動けなくなった騎士を軽く突き飛ばして転ばせていた。
「帰ってよいか?」
「お待ちください勇者様!」
ん?
なんか包帯ぐるぐる巻きの男が出てきた。
「そのお姿、その咆哮、邪竜を討ち倒した勇者様に違いありません!」
「確かに邪竜を倒したのは私だ。だが勇者などではない」
「いいえ、邪竜を倒したのですから勇者様です」
そんなこんなでお城に泊まることになってしまった。明日王様に謁見するらしい。ヴァルクネアさんとは別室だ。ヴァルクネアさんはごねたが聞き入れられなかった。食事は具の少ないスープと黒パンだった。お城といえど質素なものだ。普段の私たちの方がいいものを食べている。柔らかい白パン食べてるしね。




