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ヴァルクネアさんが出ていって三日。邪竜討伐の早馬が各地へ訪れ国中がお祭りムードに包まれた。その日のうちにヴァルクネアさんは帰ってきた。
「お帰りなさい……って全裸! 服! 服を着てください!」
思わず目を閉じる。
「竜のままでは家に入れぬのだから仕方なかろう」
「それはそうなんですけど……。やっぱりちょっと刺激が強いんですよ!」
ぎゅっと抱きしめられた。
「ヴァ、ヴァルクネアさん?」
私の首筋に顔を埋めてスーハーと深呼吸をしている。
「おぬしと離れるのは辛かった」
「……わたしも寂しかったですよ」
その背中に腕を回せばスリスリと頬擦りされる。
ガチャ
「おーい! ヴァルクネア、いるか!」
ギルド長が家の扉を開けた。私は声にならない悲鳴をあげた。
「あ、すまん」
パタン
「とりあえず、服を着てくださいヴァルクネアさん!」
そう言うとヴァルクネアさんは離れていった。ヴァルクネアさんが服を着てきて改めてギルド長を招き入れる。
「どうしたんですかギルド長」
「おう、邪竜が討伐されただろう? それで今度は邪竜を討伐した白髪の剣士を探してるらしいんだ。というわけでヴァルクネア、お前、今度こそ王都に行けよ」
「嫌だ」
「これも義務だ。断ることはできない。そうだ、ウメノを王都に連れて行ってやったらどうだ? 華やかなところだぞ。可愛い物も綺麗な物も美味しい物もなんでもあるんだ。俺の女房も昔王都に連れて行ってやったら喜んでたぞ」
「ウメノ、王都に行きたいのか?」
ギルド長が是と答えろと視線で訴えている。
「行きたいです、ヴァルクネアさん」
「ほら、ウメノだってそう言ってるんだ。連れて行ってやれよ。観光してついでに王宮に行くだけだ」
「分かった。王都に行こう」
その日の夜、竜の姿に戻ったヴァルクネアさんの背中に跨って私たちは王都に向かった。夜になったら移動して太陽が出てきたら休む。そんなふうにしていたら三日で王都に辿り着いた。
「人が多いですね」
「一先ず宿を取るか」
「そうしましょう」
だというのに宿はどこもいっぱい。国中から白髪の剣士を集めているからだそう。ようやく見つけた裏通りの宿も最後の一部屋だった。
「面倒なことは先に終わらせよう。王宮へ行こう」
「そうですね、行ってらっしゃい」
ヴァルクネアさんは私の手をぎゅっと握った。あ、これ、ついて行かないといけないパターン。
「行きましょうか」




