11
「ヴァルクネア、ウメノ、お前たちをEランクに任命する」
突然家にやって来たギルド長が宣言した。
「そういうわけだからギルドに来い。ギルドカードの書き換えが必要だ」
「はい分かりました」
そんなわけで私とヴァルクネアさんはギルドにやって来た。手続きを済ませて帰ろうとしたらギルド長に話しかけられた。
「それにしてもお前たちの実力ならもっと別の町に行った方がいいんじゃないか?」
「私たちはこの町を気に入って住んでいる。ここなら子育てにも向くだろう」
「あんたら、結婚してたのか?」
「えっと、結婚を視野に入れて交際中なんです」
「そうか。まあ子育てするならこの町はいいと思うぜ。危険な魔物もそうそう出ねえし治安もいい」
ニカッと笑ったギルド長は本当にこの町が好きなんだろう。
「結婚する時は言えよ、盛大に祝ってやる」
「ありがとうございます」
帰り道にヴァルクネアさんが結婚とはなんだと聞いてきた。
「うーん、そうですね。人間が番うことです」
たぶんこの表現で伝わるだろう。
「なら結婚しよう」
「ちょっとそこまでは思い切れないといいますか。今の私たちみたいに番う約束をしている状態を婚約って言うんですよ」
「こんやく」
「そうです。私たちは婚約者同士ですね」
ぎゅっと手を握られた。そのまま手を繋いで二人で家まで歩く。
帰宅してソファに座れば隣に座ったヴァルクネアさんが私に頬擦りしてくる。
「どうしたんですか?」
「早くおぬしと番いたい」
「ごめんなさい。覚悟が決まらなくって」
「よいのだ。私は三百年待った。まだまだ待てる」




