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森で大型の魔物の目撃情報があったらしくシールドの町の冒険者はギルドに緊急召集された。
「三メートル級のワイルドボアだ。俺たちだけじゃ倒せない。隣町のギルドに応援を頼もう」
ギルド長が言うが隣町ものどかな町なので無意味じゃなかろうか。
「ギルド長よ、私とウメノなら問題なく狩れる」
「Fランクの冒険者が馬鹿言ってんじゃねえ! 命は大事にしろ」
「あの、私とヴァルクネアさんはピックの街の迷宮で下層まで行きました」
というか住んでた。ヴァルクネアさんにいたっては迷宮の主だったし。
「迷宮の下層っていやあとんでもねえところじゃねえか。本当に行ったのか」
「ああ」
ギルド長はしばしの逡巡の後口を開いた。
「分かった。お前たちに任せる。だが念の為応援は呼ぶ」
そんなわけで私とヴァルクネアさんは森へと入った。
「森の奥の方で目撃されたらしいです」
「面倒だな。森ごと焼き払うわけにはいかぬか?」
「絶対ダメです」
などと話しているうちに森の奥までやってきた。
「足跡だ」
そこには大きな足跡があった。二人で足跡を追いかける。しばらく歩くとそこには大きなイノシシがいた。そうよね、ワイルドボアだもんね。イノシシよね。
ヴァルクネアさんが剣を抜いてあっという間に首を落とした。返り血も浴びてない。さすがである。ワイルドボアをアイテムボックスに入れて二人で森の外へと出ればギルド長が心配そうに立っていた。
「討伐してきました」
そう言って私はアイテムボックスからワイルドボアを出す。
「本当にやっちまうとは」
「これ、どうするんですか?」
「ワイルドボアは素材として大して使えないから焼却処分だ」
「あの、処分するならもらっていいですか? 食べるので」
「……正気か?」
「正気です。迷宮の下層にいた頃は魔物を捕まえて食べてました」
「ヴァルクネア、本当か」
「ああ、食べていた」
「美味いのか?」
「この種族は美味いぞ。イノシシと変わらぬ」
ギルド長はイノシシと一緒と呟いてなにやら考え込んでいた。
「なら、売ってもらえないか? 今日集めた冒険者たちに振る舞いたい」
「私はかまわぬが。ウメノよ、おぬしはどうだ?」
「私もかまいません」
そんなわけでワイルドボアをみんなで食べることになった。イノシシの解体が得意だという冒険者に解体を任せた。彼は本当にワイルドボアを食べるのかと戦々恐々としている。
焼くのは私が担当した。火の魔法で簡単に焼けるので。私とヴァルクネアさんが普通に食べているのを見て他の冒険者たちも恐る恐る食べ始めた。あちこちからうめえ! と聞こえてくる。そうだろうそうだろう。
「なあ、今更だが魔物を食うデメリットはないのか? 腹を壊すとか」
ギルド長が話しかけてきた。
「私たちはなかったですね。むしろ経験値が貯まりますからメリットがありますよ」
「おい、お前ら! レベルを確認しろ!」
「うわ! 上がってる?!」
そこからはもう祭り状態だった。みんなが魔物肉を欲しがる始末。ワイルドボアはあっという間になくなってしまった。




