表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

198/204

197. ブルスデンドリームの噂

 リックの介抱もあるので、屋敷に戻ることにした。


 ロボたちは鉄道馬車に載せたままでいいよね。定期運行しているわけじゃないから、鉄道を占有しても問題はない。いずれは、車庫とか作ったほうがいいのかもしれないけど。


 リックがいるということはアライグマ隊もいるってことだ。お世話は彼女たちに任せようと思ったのだけど……


「きゅ、きゅう……」

「きゅ」


 うーん。鉄道馬車から下りてきた彼女たちも少し具合が悪そうだ。それでもリックのお世話係は意地でも譲らないのは流石だ。まぁ、お屋敷に戻ればハウスキーパーのトビネズミもいるし。問題はないはず。


「みんなは平気なの?」


 ルクスたちに声をかける。見た感じは平気そうだけど、リックたちがアレだから少し心配だ。


「レイネは平気!」

「ライナも!」


 双子がぴょんぴょん跳んで元気をアピールする。ルクスも苦笑いで頷いた。


「私たちは早い段階で、馬車を出たからな。ゴーレムに運んでもらったから、それほど長い間、あのひどい揺れを体験していないのだ」


 ルクスまで“ひどい揺れ”って言ってる。もしかして拡張された空間って揺れまでも倍化されるの? それは酷いことになりそうだね。亜空間っていったいどうなってるの。便利ハウスも地震対策を考えておいたほうがいいかも……。


「それならリックはどうして中に?」

「レール作ってた!」

「たくさんレールがいるから!」


 ライナとレイネが理由を説明してくれる。どうやら、ロボの鉄道敷設速度に合わせてレールを作るために中に残ったみたい。そこまで急ぐ必要はなかったんだけど……あとでお礼を言っておこう。


「あれ。そういえば、今回はリックだけなんだ」


 合流してからはほとんどレグザルやルーナと一緒にいたのに珍しい。


 答えたのはルクスだ。


「ああ。まぁ、2人といると居たたまれないと言っていたな」

「ええ!? どういうこと? リックたち、仲が良さそうなのに、実はそうでもないの?」

「いや、たぶん、ロイが想像しているようなことではないと思う。まぁ、いろいろあるみたいだな」


 ルクスは何か知ってるような口ぶりだけど、それ以上は言わなかった。まぁ、仲違いしたわけじゃないならいいんだけど。


 お屋敷に戻ってからは、今後の方針についてちょっとした打ち合わせをした。


「なるほど。ロイとしては、ブルスデンを本拠地にするつもりなんだな」

「そうだよ。ラーベルラに行くのは出張のつもり。鉄道ができたから、行き来するのは難しくないし。ルクスは反対?」

「まさか。ロイが引っ越すならついていくつもりだけど、馴染んだこの街にいられるならそのほうがいいよ」

「レイネもこっちの家のほうが好き! でも、神殿にはお出かけするー!」

「ライナも! もっと像、増やす!」


 え、像って? 神殿前のあの像のこと? 別にいいけど、ますますアミューズメントパークみたいになっていくなぁ。混沌神様は喜びそうだけど。


 まぁ、僕も定期的に訪問するつもりだから、移動しやすくしておく必要はあるね。最低でも朝、夕で往復するようにしておこうかな。その辺りはカールさんとも要相談だ。


「それはいいが、ロイ。ゴーレムの従魔登録をやっておかないと駄目じゃないか?」

「あ、そうだね!」


 正式な従魔登録は大事だ。王領に派遣する前にはやっておかないと。ロボたちにはいろいろ仕事をお願いするから、なかなか機会がなかったけど、今なら全員が揃っている。やるなら今がベストだ。


「チュチュウ!」


 早速出かけようとしたら、ビネから待ったがかかった。


「どうしたの?」

「チュ! チュチュウ! チュウ!」

「え、そうなの? だったら、一緒に登録したほうがいいね」

「チュウ!」


 どうやら、トビネズミ隊の新人にまだ未登録の子がいるみたい。できれば一緒に登録したいということらしい。


「……あれ? でも、神殿にいる子たちはビネが登録したんだよね。そのときに一緒に登録しなかったの?」

「チュウチュ」


 疑問に思って聞くと、それ以後に加入した子がいるみたい。でも、それも変だ。


「あれ以来、ビネはほとんど僕と一緒にいるよね?」

「チュウ!」


 当然、みたいに頷くけど、だからそれが変なんだって。じゃあ、いつスカウトしたのさ。


「チュウ、チュチュウ! チュ!」

「え、そんなことになってるの?」

「チュ!」


 ビネに話を聞いて、ビックリ。どうやら、トビネズミたちの間で、ブルスデンの街は有名になりつつあるみたい。うまく従魔になれれば、冒険者に狩られることもなく高待遇で仕事ができる。そんなブルスデンドリームが噂となって広がっているのだとか。この噂は、この街の近くのトビネズミの巣だけにとどまらず、少し遠方にある巣にまで広がっているらしくて、わざわざ遠くから面接にくるトビネズミもいるそうだ。え、面接?


「面接なんてやってるんだ」

「チュウ!」


 ビネが直々にスカウトした場合は除くけど、屋敷にきたトビネズミはハウスキーパー隊の面接を受けるそうだ。合格率は20%くらいで決して高くはない。それでも高待遇を夢見てこの街を目指すトビネズミは少なくないらしい。


 そんなことになってるなんて、全然知らなかったよ……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ