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とてもとても……うすい壁:「本音」から始まるラブコメディ:毎日AM6時更新  作者: 秋月心文


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私より魅力的な女?

「ずっと前から好きでした。私と、つきあってください」

 え?

 俺は、一瞬固まった。


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 私は皆月美晴。

 友だちとの賭けに負けてしまった。

 罰ゲームは、テキトーな男子に嘘告白するというもの。


 私、これでも、顔には自信があるの。

 肌だってキレイだし。胸だって、人より大きい。

 私に告られて、平気だった男なんて、今までいなかった。

 世の中の男子は、私の言いなりのはずだわ?


 嘘の告白でも、

 私みたいなカワイイ子に告白されたら、夢心地でしょう。

 一時的にでも、夢を見られるんだからいいわよね?


 誰にしようかしら。

 大人の男はしつこそうで危ないわね。

 できれば冴えない学生がいいわ。


 ふと、見知った顔を見かけた。

 長谷川大樹。

 同じ乗馬クラブにいたとき、チラチラ私の方を見てたヤツだわ。

 あれでいいか……。


「長谷川くん」

「あ、皆月。久しぶり」

「ずっと前から好きでした。私と、つきあってください」

 そう言って、私は手を差し出した。


「あ? え? あぁ」

 そう言って、私の手を握り返した。

 ちょろいわね。私にかかれば、男なんてこんなもんよ。


 離れたところで、

 私の友だちたちがそれを見てクスクス笑っている。


 私は何もしくじっていない。

 むしろ、長谷川くんの間抜けぶりを見て笑ってるのだろう。


「また、後で……」

 そう言って長谷川は、この場を去った。


 ・ ・ ・ その夜 ・ ・ ・ ・


――葉月視点。


 また、お兄ちゃんがAIに相談していた。

「ねぇ、ライム。他の学校の女子に告られたんだけど……」

 ちょ、何それ……。

 もっと詳しく……。

 よし、ライムより先に聞きだすか。


 あたしは、またライムになりすました。

=詳しく話してください。情報が足りません=

「え? あ、あぁ……」


「駅前で、女の子に『好きです。付き合ってください』って言われたんだ」


 よし、どんどん聞き出すぞ。


=近くに別の女子の集団がいましたか?=

「あ、あぁ。スマホ見ながら、楽しそうにクスクス笑ってた」


=それ、絶対、偽告じゃん!!=

 え? ライムがおかしくなった?


=それは、いわゆる偽告白なのでは?=

 あ、あぁ、大丈夫か。


「偽告白? そうは見えなかったけどなぁ」


=その女子に面識はありますか?=


「ちょっとだけ?」


=その女子のことが好きですか?=


「いや、タイプじゃないし」


=キレイな子ですか?=


「キレイだった気もするけど……

 世界一魅力的な義妹がいるから誰を見てもかすんじゃうよ」


=それなら、ふつうに断ればいいのでは?=


「いや、告白されるの初めてだし。

 彼女というものにも興味があるし」


=かわいい妹さんがいれば、それでいいじゃないですか=


「え? あぁ、うん」


 なんだか、ライムに言い言いくるめられた気がした。


 ・ ・ ・ 翌日 ・ ・ ・ ・

――美晴視点。


 朝、スマホを見たら、3件のメッセージが入っていた。

=訳ありそうだったから受けたけど、そのつもりはないから=

 は? 


 次のメッセージは。

=俺の義妹が魅力的すぎて他の女子じゃときめかないんだ=

 は? 私より、魅力的な女? うそでしょ?


 最後のメッセージは。

=俺の義妹を紹介したいんだが時間取れる日ある?=

 は? さらによくわからん。


 妹が魅力的過ぎて、私を見てもときめかないですって?

 だから、ごめんなさいですって?

 しかも、直接言うならまだしも、メッセージで振るですって?

 許せない!!


 とりあえず、私より魅力がある女というヤツには興味があるわ。

 いいじゃない。そいつに会ってやろうじゃない。


 長谷川くんには興味はないけど、絶対に許さない!

 絶対に振り向かせてから、振ってやらないと。


 私は、スマホのスケジュールを確認した。

 日曜日のバイトの後でいいか。

 長谷川くんにメッセージを送った。

=日曜の午後3時から6時くらいなら=


 すぐに返信が入った。マメなヤツね。

=わかった。住所は……=

 直接来いですって?

 ずうずうしいわね。


 まぁ、いいわ。

 こうして、私は長谷川くんの義妹に会うことになった。


 さて、どんな女なのかしら。

 私より、しょぼい女なら絶対に許さない!!

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