俺が払うよ、だけでいいのに
大樹の机の上に飾っていた写真を見て、あたしもプリントしておきたいなって思った。
写真って、どこでプリントするんだっけ?
やっぱりカメラ屋さん?
それとも写真館?
陽菜に聞いてもいいけど、ここは大樹にきくべきだよね。
「ねぇ、大樹。写真って、どこでプリントするんだっけ?
この前の写真、プリントしたいんだけど」
「あぁ、丁度俺もプリントしようと思ってたんだ。
明日連れてってやるよ」
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
こうして翌日、連れていってもらった先はカメラ屋さんだった。
あ、やっぱり写真はカメラ屋さんでプリントするんだ。
カメラ屋さんには、いろんなカメラが置いてあった。
ショーケースの中には、白玉も飾ってあった。
大樹が持っていたヤツだ。
「受注生産品」と書かれていた。
あれって、そんなに特別な代物だったの?
値段も書いてある。
一十百千……
140万!?
高っ……。
写真を飾るスタンドや額縁も売っている。
これはプリントした後に買いにこようかな。
大樹は専用の端末にメモリーカードを差し込んだ。
「俺と同じサイズでいいか?」
「う、うん」
よくわからないから、同じでいいや。
「これで、プリントしたい写真と枚数を選ぶんだ」
じゃ、これとこれで……
「お金……」
財布を出しかけたのだが、
「皆月にもらったのが残ってるから一緒に払うぞ」
「あ、うん」
払ってくれるのはうれしいけどさ。
そこは『俺が払うよ』だけでいいじゃん。
皆月さんの名前を出す必要はなかったと思うな。
なぜか無性にモヤモヤするんだけど。
「2週間後には上がってるから……」
「2週間後? 当日持ち帰りじゃないの?」
「大きめのサイズは翌日になるんだ」
ふぅん。
ちょっと大きめのサイズを頼んだんだ。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
そして2週間後、
大樹と一緒に、カメラ屋さんに受け取りにいった。
ポスターみたいなのを渡された。
「え?」
幅60cmくらいのものが巻き取られている。
なんじゃこりゃ。
A1サイズというらしい。
大樹は、そんな写真を数本持ち帰った。
あたしも、何枚か頼んだけどさ。
貼れないって。
こんなデカいの、部屋に貼れないって……。
っていうか、実物よりデカくなってるんじゃないの?
仕方がないので、部屋の奥に封印した。
でも、大樹は部屋にはってるんだろうな。
こんなにデカいポスターみたいな写真を……。
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
翌日、
「ねぇ、陽菜。写真ってどこでプリントすればいいんだっけ?」
「写真? スマホ持ってコンビニに行けばプリントできるよ」
「え?」
「うちの学校の近くのコンビニなら、A4サイズまでプリントできるよ」
コンビニでプリントできたのか。あたしの苦労は?
「まぁ、でも部屋に飾る写真欲しかったしプリントしてくるか」
そのコンビニでは、2Lという普通の写真サイズと、A4サイズを選ぶことができた。
せっかくなので、両方プリントしておいた。
先日行ったカメラ屋さんで、2Lサイズ用のスタンドを買った。
A4サイズのは、クリアファイルに入れて引き出しの中だ。
だってちょっと大きすぎて机に飾る勇気がないもん。
でも大樹は、あたしの大きな写真を部屋に貼るんだろうな。
それを見てニヤニヤしてくるお母さんの顔が目に浮かぶよ。
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