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とてもとても……うすい壁:「本音」から始まるラブコメディ:毎日AM6時更新  作者: 秋月心文


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これって、デートなのでは?

「葉月。頼みがあるんだけど」

 またお兄ちゃんが、頼みに来た。うん、いいとも。何でもこい。

「女子に贈るプレゼントを選びたいんだけど」

「え?」

 あたしは固まった。

「い、いいけど。それ、誰に贈るの?」

「内緒だ」

 お母さんか? いや、誕生日全然遠いな?

 あたしか? 再婚前に誕生日終わってるな。


 皆月さんか? そうなのか?

 あたしの中で皆月さん疑惑が高まった。

 でも、あたしを頼ってきたということは……。

 あたしに近づきたいという意思表示でもあるはずだ。


「う、うん。いいけど……」

 こうして、なんだかモヤモヤしたままプレゼント選びに付き合うことにした。


 あ、あれ?

 内容はともかく、これってデートなのでは?


 もしかして、そういう予定が?

 最後に、

 葉月これ欲しかったんだろ?

 みたいな?

 そういう感じか?

 サプライズなのか?


 妄想がいろいろ沸いてくる。

 一方で皆月さん疑惑も消えていないんだが?


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・


 あたし、ちょうど欲しかった服あるんだよね。

 いや、でも、あたし宛のプレゼントなのか?

 あたしが選んだ服を他の女が着ているのは想像したくないが……。


「相手のコの服のサイズってわかる?」

「知らない。XLとか3Lってヤツか?」

 いや、どんだけデカい女子に贈るつもりなの?

「9号とか、そういうサイズだよ」

「そういうのがあるのか。知らないなぁ」

 知らないのかよ。

 あれ?

 ここって、どさくさにまぎれて「おまえは何号なの」とか聞くとこじゃないの?

 ……聞かないのかよ。

 やっぱり、あたし宛じゃないのかな?

「じゃ、服はなしかな」


「もう、食べ物とかで良くない?」

「できれば残るものにしたいんだよね」

 えぇぇ?

 意中じゃない異性に残るもの贈られると嫌じゃない?

 え? 意中の相手なの?

 いかん、すごくモヤモヤする。


「それじゃ、アクセサリーかな?」

「指の号数とかわかる?」

「そんなのあるのか」

 あるよ。輪ゴムじゃないんだよ。伸びないんだよ。

 って、あれ?フリーサイズってのもあったか。

「それじゃ繋がってないやつだね」

 あたしたちは、安いアクセサリを豊富に扱う雑貨店へと向かっていたのだが……。


「そういえば予算聞いてなかった」

「う~ん。3万円以内で」

「え? 3万円~?」

 それ、高校生に贈るヤツ? 高くない?


 いや、でも皆月さんなら、それでも不思議じゃないか。

 なんたって1000万円だもんな。

 逆に「なんですの、この安物!」とか言ってきそう。

 それを想像して、ふふっと笑った。

「どうした?」

「別に、なんでもない」


 3万も出したら銀とか金メッキのものが買えちゃうじゃん。

 そういうことなら、ジュエリーショップだよね。


「とりあえず行先変えるね」


 歩きながら、少し気になったので聞いてみた。

「でも、大丈夫なの。そんなに使って」

「うん、大丈夫」

 お兄ちゃんは財布の中を開けてみせた。

 万札がギッシリ入っていた。


 なんじゃ、こりゃ~。

 そういえば、社長令息だもんな。

 っていうか、今は同じ家だけど。

 あたしも、親父さんにねだれば財布の中がこうなるのか?

 ゴクリッ。


 そんなことを考えている間に、ジュエリーショップに到着した。

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